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『NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち』
ニューヨークにある『スカーレット』という人気女性誌の編集部に勤める3人のミレニアル世代の女性ジェーン、サットンそしてキャットの人生を描いた本作。シーズン1でジェーンは、編集部のアシスタントを経て念願のライター職に抜擢される。サットンは『スカーレット』のボードメンバーであり弁護士のリチャード・ハンターと極秘恋愛中。社内での配置換えを希望していたところ、ファッション・アシスタントとしてのポジションを獲得することに成功する。キャットは『スカーレット』のソーシャルメディアディレクターとしてペルー出身のイスラム教徒でレズビアンの写真家アディーナに出会い、自らのセクシュアリティを自問し始める。
シーズン2では、メディア主導の新しい環境下で、ジャーナリストとしてのあるべき姿に悩むジェーン、人種とセクシュアリティに加えアディーナとの関係に悩むキャット、リチャードとの関係は自らのキャリアの妨げになると考えるサットンの苦悩が描かれる。
仕事と恋愛について描かれた軽快なラブコメディと思いきや、シーズン3以降もフォトグラファーによるモデルの虐待問題や、予防的両乳房切除手術、流産、離婚、アルコール依存症などの社会問題と密接に絡み合う主人公たちの人生がリアルに描かれる。良いときも悪いときも側にいてくれる、かけがえの無い「親友」の存在に支えられた彼女たちの情熱と行動力には脱帽!
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『ドリームガールズ』
ビヨンセ、ジェニファー・ハドソン、ジェイミー・フォックス、エディ・マーフィーなどの豪華キャストによる映画版『ドリームガールズ』。公開直後から批評家らに絶賛され第79回アカデミー賞では最多の8部門にノミネート、助演女優賞と音響賞を受賞。第64回ゴールデン・グローブ賞では、ミュージカル・コメディ部門の作品賞を含む3部門を受賞した。
舞台は1962年、ミシガン州デトロイト。若き自動車セールスマンのカーティス・テイラー・ジュニアは、エフィ、ディーナ、ローレルの3人からなる黒人ガールズグループ「ドリーメッツ」に出会う。カーティスは彼女たちを売り出すためにレコードレーベルを立ち上げ、C.C.(エフィの兄)作曲による初シングル”Cadillac Car”をリリース。黒人ラジオ局のみで流されたこの曲は大ヒットとなるものの白人ポップスグループによって曲を盗まれてしまう。カーティスは自らが所有していた中古車を全て売り払い会社の跡地を本格的なスタジオに改変、”Steppin’ To The Bad Side” をリリースする。バックコーラスをメインに活動していた「ドリーメッツ」は「ザ・ドリームズ」として単独活動を開始。しかしこのころから、エフィとその他のレーベルのメンバーの仲に亀裂が入り始める。そしてある日カーティスは、ショーのリハーサルを休んだエフィを脱退させ、代わりに新メンバーを加入させてしまったのだ……!
誰しも絶対に負けられない戦いに人生で遭遇したことがあるはず。そんなとき、どうしても抗えない事情で一度敗退してしまったとしても、地道に誠実に生きていればいつかまたスポットライトを浴びることができるかもしれない。観る人に生きる希望を与えてくれる傑作だ。
『ドリームガールズ』配信中