コメディアンとして知られるジョシュ・トーマスが主演と脚本を兼務したオーストラリア発のドラマ「プリーズ・ライク・ミー」。若者に起こりうるリアリスティックな日常をユーモラスなトーンで描いた本シリーズは、ジョシュが恋人に振られたあと自分がゲイであることに気づき、さらに彼の母親ローズが鎮痛剤の過剰摂取で自殺未遂をするところからスタートする。 躁鬱病と診断されたローズは、精神科に通院するようになり、ジョシュは親友のトムと暮らしていたシェアハウスを出て、しばらく不安定な母親と暮らすことに。自己中心的なトムの腐れ縁の彼女ニーヴ、ジョシュの元カノのクレア、父親のアランとその彼女のメイ、母ローズと犬猿の仲のペグおばさん、そしてジョシュの初めての彼氏のジェフリーなど、個性強めの登場人物たちが繰り広げるドラマはまさに「甘く、鋭く、悲しく、面白い」が全て共存した世界。完璧なキャラクターは誰1人としておらず、皆それぞれどこかに欠点があり、それが時に痛烈なので笑いが止まらない。 「成長」を意味する紫のオーラカラーだけど、実は「不安」や「ストレス」と紙一重。神経が参りそうになる出来事や、タイミングの悪さで一杯一杯になっている主人公だが、シーズンを通して観察するとやはり成長している。過度に脚色されていないプロットや、シニカルな笑いが好みの人にぜひおすすめしたい。 スウェーデンのティーン向けドラマである本作は、架空のエリート寄宿学校ヒーレシュカを舞台に、スウェーデンの王子ヴィルヘルムと、同級生で通いの奨学生であるシーモンとのロマンスを描いている。シーズン1では王位継承順位第1位だった兄のエリックが自動車事故で急逝したことで、ヴィルヘルムが皇太子となり、その立場の重みや影響力から自由に身動きが取れなくなっていく様子が描かれる。またヴィルヘルムの親戚で貴族のアウグストによりリークされたヴィルヘルムとシーモンのスキャンダル動画に対して、ヴィルヘルムが否定する公式声明を出したため、シーモンとの関係が破綻してしまう。 シーズン2は、暴露動画の犯人がアウグストであるという「秘密」を隠すために、さまざまな嘘が塗り重ねられ人間関係が複雑になっていくというストーリー展開。シーモンにはマーカスという新しい恋人ができ、ヴィルヘルムは嫉妬に駆られる。一方で女王は、王位継承順位第2位になんとアウグストを指名したのだった……! 最も高貴な色とされる紫と、王子が主人公の本作はシナジーが高い。ヴィルヘルムには皇太子としての責任があり、アウグストは実家の窮状を明かせないストレスを抱えている。一般家庭出身のシーモンにも彼なりの美学と誇りがあり、彼の知る常識は、ヴィルヘルムをはじめとする特権階級には当てはまらない。「寄宿学校」という社会とは隔絶された特殊な場所で寝食をともにする年頃の男女の、緊張感あふれる学園ドラマをぜひチェックしてみて。 Netflixシリーズ「ヤング・ロイヤルズ」独占配信中
『プリーズ・ライク・ミー』
『ヤング・ロイヤルズ』