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『ベイク・スクワッド』
お菓子の魔術師ことクリストフ、フレーバーマニアのマヤ、チョコの天才のゴンゾー、ケーキの女王のアシュリー。仲良しだけど互いに刺激し合うライバル4人組が集結し、クライアントのためスペシャルなデザートを作り競い合う「ベイク・スクワッド」。
シーズン2のあるエピソードで、16年越しの愛を実らせ結婚するカップルのウエディングケーキを作ることになった彼ら。新郎はメキシコ人で、新婦はアフリカ系アメリカ人。式はお互いの文化をブレンドしたスタイルになるそう。2人のエピソードや、好きなことや食べ物をヒアリングして、デザートに反映させるスクワッド。クリストフは朝食好きの2人のために、クレープのブリトーなどスイーツでできたビュッフェを作ることに。アシュリーは大きな噴水をイメージさせるチョコレートファウンテンを完成させ、さらに300枚以上のクッキーを焼きモザイクタイルのように装飾していく。マヤはチーズケーキ好きな彼のため、それぞれ違うフレーバーの9段からなるチーズケーキタワー作りをスタート。ユニークなスタイルを好む2人のため、ゴンゾーは積み重ねたタワーケーキをひっくり返し、上から吊るすシャンデリアケーキに挑戦する。どれも最高だけれど、実際に選ばれるのは1つだけ。果たして、2人の人生最高の日を彩るクチュールスイーツはどれになる?
精鋭が揃うスクワッドの中、単に綺麗で美味しいだけのデザートじゃ勝てないし、クライアントも満足しない。大きいものはもっと大きく、アイデアはもっと大胆に。ありきたりを超えるネクストレベルなデザート作りの最大のエッセンスは、4人が放つ「ふふふ、私負けませんよ」なオレンジのオーラだ。
Netflixシリーズ「ベイク・スクワッド」独占配信中
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JEONG PARK/NETFLIX ©2020
『40歳の解釈: ラダの場合』
ニューヨーク、ハーレムに暮らす中年黒人女性のラダ。かつて才能ある劇作家として「30歳未満の注目すべき30人」に選ばれたこともあるが、それももう昔の話。40歳目前にして、キャリアは完璧に行き詰まっていた。最後に自分の作品が上演されたのは10年前、今は高校生相手の脚本のワークショップが頼みの収入源だ。「アーティストになりたいのに」、脚本が売れるには、白人の評論家や権力者への忖度が求められる。
ある日、葛藤とフラストレーションで出資者の前で取り乱してしまったラダ。自宅で1人になった途端、内にある自己嫌悪と失望が言葉となって次から次へとあふれてくる。それは気づくと韻を踏んだリリックとなり、フローに乗ったラップとなる。思えばティーンエイジャーのころ、ラッパーの真似事をして楽しんでいたラダ。長年感じていなかった表現の喜びを再びラップに見出した彼女は、即行動。オレンジ色の”イケイケドンドン”でSNSで見つけた若手トラックメイカーの元に乗り込み、胸にあふれる情熱をビートに乗せていく。トントン拍子にラッパーとして初舞台に立つのだけど、しかし見事なまでの大失敗……。そんな中ラダにブロードウェイ公演の脚本のチャンスが巡ってくるのだけれど、上演するには黒人の直面するリアルと自分の信念を曲げ、脚本を変更しないといけない……。
40歳になってもまだまだ続く、自分探しの旅。妥協した脚本という現実を生きるか、自分の本当の声をマイクにぶつけたいのか。愛すべき負け犬が導き出した40歳の解釈は、前に進みたいと願うあらゆる人の背中を押してくれるだろう。弱気になったときこそ、もっと自分を信じてあげて。
Netflix映画『40歳の解釈: ラダの場合』独占配信中