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『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
あの名作童話、ピノキオが、アカデミー賞受賞監督の手によりストップモーションでアニメ化。大人も楽しめる『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』は、ユアン・マクレガー、ティルダ・スウィントン、ケイト・ブランシェットら豪華俳優陣による声の共演も見どころだ。
イタリアのあるところで仲良く暮らしていたゼペットじいさんとその息子。しかし戦争のせいで息子は帰らぬ人となってしまう。ある晩亡き息子のことを思いながら、松の木で人形を作ったおじいさん。彼が眠りにつくと、木の精霊が人形に借りものの命を吹き込み、ピノッキオと名付ける。元気に動き回り、楽しそうに話をし、なんにでも好奇心旺盛な人形に、最初は驚きながらも受け入れていくおじいさん。しかしピノッキオが学校をサボり嘘の言い訳をし、そしておじいさんの息子のおさがりの教科書が粗末にされていたのを見つけ、「重荷」だと声を荒らげてしまう。大好きなおじいさんの「重荷」にはなりたくないと、彼の元を離れると決めたピノッキオ。物珍しさに移動遊園地の一味に狙われたり、死なない身体を持っているせいで兵士に見込まれたり、おじいさんのいない世界は危険だらけ。一方のおじいさんも自分の言葉を深く後悔し、ピノッキオを探す旅に出る……。
何度でも命を取り戻すことができるピノッキオは、死ぬのが怖くない。けれど死の精霊は死こそが人生に意味を与えるのだと言う。この言葉を理解する時、彼は何を感じるのか? ピノッキオとおじいさん、そしてお供の青いコオロギが下す愛にあふれた選択と行動は、大人になった私たちを再び感動させる。見終わった後は、愛する人やもの、すべてをもっと大切にしたくなるはず。
Netflix映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』独占配信中
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AIDAN MONAGHAN/NETFLIX
『聖なる証』
エマ・ドナヒューの小説『The Wonder』が原作のNetflix映画『聖なる証』。ある依頼を受け、アイルランドの村にやってきたイギリス人看護師のエリザベス(フローレンス・ピュー)。この村には、奇跡の少女がいるという。11歳の誕生日以来、4ヶ月もの間一切の食べ物を口にしていないというのだ。彼女が生き延びている理由を究明するため、14日間観察し、そして報告するのがエリザベスの任務だ。少女アナが食べ物に頼らないでもいい理由、それは「天から”マナ”を与えられている」から。信心深いキリスト教の一家で育ったアナ。兄がいたようだが、すでに亡くなっているらしい。しかし、彼が天国に行ったとは限らないと、何かに恐れている様子のアナ。エリザベスは状況をより正確に見極めるため、家族と少女が接触するのを禁じることに。それ以来アナは日に日に衰弱していく。「彼女は死ぬ」と散々警告するが、誰1人として聞く耳を持たない。チューブで無理やり食べさせようとしても、受け付けない。エリザベスの理解の範疇を超えている、アナとその家族の信仰心。彼らが抱えていた罪と闇、そして現状から、ある答えを導き出したエリザベス。いよいよ瀕死の状態の少女を前に、彼女はある決断をする……。
アイルランドに来る少し前、生まれたばかりの赤ん坊を亡くしてしまったエリザベス。彼女もまた、心に大きな傷を抱え希望を失っていた。そして今、少女から未来が奪われようとしている。少女の、そしてエリザベスの選択の行く末を見守って。
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