Q. ヴァギナ(膣)に関わるアドバイスや商品は巷に多く溢れているけれど、どれも不確かなものばかり。では実際のところ、ヴァギナを清潔にするのにベストな方法ってなに?
ヴァギナに関する質問はいつだって絶えないもの。ガール世代の皆が疑問に思っているであろうこの内容について、イエール大学教授のメアリージェーン・ミンキン医学博士と、ノースウェスタン大学教授のローレン・ストレイカー医学博士にASK!
-
ヴァギナが本当に求めているのは自然洗浄
(おさらい:ヴァギナは私たちの体の内部生殖器の一部で、筋肉の管。ちなみに、外陰部と陰唇は外部生殖器に含まれている。)
「ヴァギナを洗剤でむやみに洗っては絶対にダメです」(ストレイカー医師)
意外だけれど、これが真実。洗ってはダメ! ヴァギナは定期的に、液体と細胞の混合物(=おりもの)を体外へ排出することによって、自然洗浄をしているという。
「おりもののおかげで、医療的な薬液洗浄などは一切必要ありません」(ミンキン医師)
-
事実、洗浄液はヴァギナにダメージを与えてしまうことも。
「膣洗浄は、良いバクテリアと悪いバクテリアのパワーバランスを崩してしまう危険があります。ヴァギナを酸性pHに保ち、感染症を防ぐ乳酸菌を激減させる可能性もあります」。(ミンキン医師)
ヴァギナのpHバランスが崩れると、排尿時に痛みを伴う無菌性膣炎に感染したり、おりものが灰色、白色、緑色に変色したり異臭を発するといった問題が起こることも。このような症状が出るとなおさら洗いたくなってしまうかもしれないけれど、症状が悪化する恐れがあるので要注意。
-
外陰部は洗ってもよいけれど、注意深く扱って。
「外陰部の洗浄に最も適しているのは、真水。石鹸などを使用すると、炎症を引き起こしてしまう可能性があります」(ストレイカー医師)
では、”pH値に配慮していると記載されたデリケートゾーン洗浄商品はどうなの!?“と思う人も多いはず。こちらもトリッキーなので、騙されないで。「ヴァギナ内部のpH値は極めて重要で、中と外では全く別です」とストレイカー医師。「『口臭がする人に、歯を磨くのを止めて代わりにこの歯磨き粉で顔を洗えばいいよ』、と言うくらい的外れな発想です。pHバランスが崩れているせいでヴァギナに異臭がする場合に、洗浄液を使ったところでなんの解決にもなりません。」
-
外陰部に石鹸を使用する際には、染料や香料が使用されていない、一番マイルドな石鹸がオススメ。万が一炎症を起こしてしまった場合は、石鹸の使用を止めて水だけに切り替えて。数日経過しても症状が治らない時(特に、外陰部ではなく膣の内部が炎症を起こしている場合)は、カンジダ膣炎などに感染していないかどうか、医師の診察を受けよう。
水やマイルドな石鹸ではニオイがとれずに気になる、という人は医師に相談を。ヴァギナ特有の香りがするのはいたってノーマルなことだけど、ある日突然、いつも以上にニオイが気になる場合は、無菌性膣炎や性感染症のトリコモナス症に感染している可能性が。気になる症状があれば、すぐに医師の診断を受けて!