【from TEEN VOGUE 】マスターベーションが社会においてどのように扱われてきたか、あなたは知っている? 誰もが“したい”欲求はあるけれど、なんとなくタブー視されているイメージ。そこで今回は、マスターべションについて私たちのヒストリーを紐解くとともに、21人の20代女性によるリアルな告白をお届け!
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PHOTO: Oleksandr Seleznov
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■マスターベーションははしたない!?
マスターベーションについては、昔から物議を醸す本がたくさん出版されている。まず、1712年にイギリス人の外科医、ジョン・マーティンが『Onania, or The Heinous Sin of Self-Pollution(オナニア:罪深きオナニー)』という本を出版。この恐るべきタイトルの本によると、マスターベーションはてんかん、気絶、不妊、子供の発育不全、などを引き起こすと述べられていて、なんと国際的なベストセラーになるほど話題に。
数十年後にはスイス人のサミュエル・オーギュスト・ティソ医師が精液には血液が濃縮されていて、マスターベーションによって精液が大量に奪われると、気が狂ったり、盲目になったりすると発表。マスターベーションに関して専門的な知識や経験がなかったのにも関わらず、ティソ医師の本もまたベストセラーになったのだそう。
■クラッカーやシリアルがマスターベーションを抑制する!?
1829年には、シルベスター・グラハム牧師がマスターベーションの欲求を抑制させるために自然な味のクラッカー(別名:グラハム・クラッカー)を発明。なぜなら、グラハム牧師はスパイシーな食べ物や甘い食べ物が性的欲求や衝動を掻き立てるからと信じていたから。そして、1894年には、グラハム牧師の信者であったジョン・ハーベイ・ケロッグ博士が『バトルクリークサナトリウム』の患者のためにコーンフレークを発明。こちらもマスターベーションを抑えるために、開発され患者に与えられたのだという!マスターベーション有害説はその後も続き、20世紀においてもアルコール中毒、浮気などを誘発する行為だと信じられていたそう。しかし、1979年に生物学者のアルフレッド・キンゼイ氏が男性の92%がマスターベーションを行うと発表してセンセーションを巻き起こした。
■大統領でさえ、タブー視!?
1995年には当時の大統領だったクリントン氏が、ティーンの性教育プログラムにマスターベーションの講座を組み込もうとした公衆衛生局長官のジョセリン・エルダーズ氏を罷免したと言われている。当時、タブーを破ろうとした一エルダーズ氏にエールを送りたい! それでは今、私たちのカルチャーはマスターベーションをどのように扱っているのだろう? 2002年に大学生を対象に行われた研究によると、98%の男子学生と44%の女子大学生がマスターベーションにトライしたことがあるという。声高に話す人が少ないだけで、実際は多くの人が経験済みのマスターベーション。
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■現代のリアルな声を調査「マスターベーションとは?」
■現代のリアルな声を調査「マスターベーションとは?」
では次に、「マスターベーションについて、10代に知っておきたかったコト」について21人の20代女性の赤裸々な告白をピックアップ!-「マスターベーションは自然の睡眠薬」―グレッチェン
-「別にイヤラシイことでもないし悪いことでもない。マスターベーションは感情、欲求、気分。それらを追求することはあなたの権利であって特権でもある。新しいコトや知らないコトに直面するときは怖がってもいい。でも自分自身と自分の体にリレーションシップを築くことが大切。あなたの体はあなただけのものだから。ちなみに、ジュディ・ブルーム著書『永遠の夏姉妹』はオススメ!」―ポリー
-「私のママはセックスセラピストなのに、私が初潮を迎えた日はセックスについて話さなかった。なんと、マスターベーションの話になったのよ。すごく恥ずかしかったからあの日のことは忘れられないわ。私の喜びは私の権利であって、もしそういう欲求が出てきても自分を恥じる必要はないって、ママは話してくれた。マスターベーションはとても自然でヘルシーなこと。そして、自分の体を自身で把握するまで、セックスはしないほうが良いってママに忠告されたの。自分の体を知る前にセックスをしてしまうと、自分の快楽が相手次第になっちゃうから。私たちの体はみんな違っているからこそ、自分の体を知る必要があると思う。―サラ
-「ほかの女の子もマスターベーションしているって知っておきたかった! それに自分のやり方が変じゃないってことも! キャンプなんかでこういうトピックが出てくるときもあるけれど、大学生になるまでマスターベーションについて友達と話す機会って殆どないから」―リンジー
-「ちょっと早いかもしれないけれど、私は5年生ぐらいからマスターベーションを始めたの……。ママとセックスについて話合いをしたときに、彼女はうすうす気づいていたんだと思う。マスターベーションはOKだと言ってくれて幸いだった。ただし自分自身に秘めておくプライベートなことだから、ママ自身は知りたくないって言っていたわ。マスターベーションをしないときは、なんだかソワソワしていた気がする……私のとってマスターベーションは性的行為ではなく、いわばストレスを発散させる方法だったと思う」―ローラ
-「女の子だって男の子と同じように(まぁ、男の子ほど頻繁じゃないかもしれないけれど)マスターベーションをしているって知りたかった。それに、マスターベーションについて話すことが悪いことじゃないっていうのも」―エリザベス
-「12歳のときにマスターベーションを始めたのだけれど、自分の体が悦ぶスポットをなぜだか知っていたわ。それまで経験したことのないような気持ちの良さだった。でも、誰かに話す気分にはなれなかった…大学生になって友達とそういう話ができるようになって、すごく解放された気がしたの!」―ルーシー
-「初めてのセックスに備えて、マスターベーションで自分の体を開発しておくと、役に立つと思う」―アリー
-「マスターベーションについて友達と話すことを、あんなに恥ずかしがらなければよかった。だって、マスターベーションをしている女の子なんで、世の中で私一人だと思っていたから! でも現実は違ったわ!」―カイリー
-「マスターベーションがストレス解消法の一つだと発見したの。それに、自分の体と快感をよく研究する方法でもあるわね。自分自身を知っておくと、その後パートナーとセックスについて話すときにとても役に立ったわ!」―クリステン
-「ハイスクールにいたときに、モールにあるお店にいってバイブレーターを買ったんだけれど、ギフト用にわざわざ包んでもらっちゃった。本当は自分用だったんだけど、恥ずかしくて。でもね、マスターベーションって恥ずかしいことでも気持ち悪いことでもなんでもないの。大学でほかの女性とこのことに話すようになって、解放された気分だわ」―マディー
-「もし他人にどう思われるか心配しているなら、自分にこう言い聞かせて。『この人だってマスターベーションをしている』ってね」―ジェナ
-「私たちはみんな自然のままでいい。マスターベーションは、自然な自分でいるために必要なイノセントでヘルシーな方法。不安で夜眠れないと悩んでいた時、私のセラピストは解決法としてマスターベーションを提案してくれたのよ」―ローレン
-「マスターベーションは男の子のなかでは普通だし、PG-13指定の映画にだってよくネタにされているわよね。でも女の子が話にしようものなら……『まって! それ以上聞きたくない!』っていう反応をされる。それって馬鹿げてない? 私は自分のセクシュアリティについて変に罪悪感をもちたくないわ。だって、私の体の快楽は誰かのためにあるんじゃなくって、私のためにあるのだから」-ジェニファー
-「セックスをするようになって色々と経験するまで、マスターベーションは指を挿入することだと思っていたわ。だから、気持ちよくならないことに戸惑っていたの。でも、後でクリトリスの大切さに気づいたわ。自分でする時も、誰かとするときも」―ケイティ
-「マスターベーションという概念が社会で抑制されてなかったらよかったのに。マスターベーションが男の子にとって“ノーマル”なのに、なぜ女の子にとっては“タブー”なの? マスターベーションは自分自身を愛することに必要で、ヘルシーな(それに、楽しい!)ことなのに」―フィオナ
-「マスターベーションが話題に出たら、『私はそんなことしない』っていつも嘘をついていた。でも実際はしていたんだけどね。そのことを考えると、『マスターベーションなんかしない』っていう人は、きっと嘘をついているんだと思う。なぜマスターベーションがタブーなのかしら。気持ち良くなるコトが悪いコトじゃないんだから、誰にも気兼ねしなくていいのでは?」―メーガン
-「カトリックスクールに通っていた頃、マスターベーションをしているのは自分だけだって思い込んでいたの。だって、誰もそんな話をしなかったし。だから、自分はなにかおかしいとずっと思い込んでいた。でも、これってノーマルなのよね。みんなやっていて、変なことじゃないってやっとわかったわ」―モリー
-「女の子はマスターベーションなんかしない、私だけがやってるって思っていた。そしてやっている私は汚くて変な女の子なんだって思っていたの。でも女性だって、性欲があるって知っておきたかったわ」―ダニエラ
-「クリトリスとは仲良くすべき」―エリカ
-「生理中の腹痛をマスターベーションが和らげるってどこかで読んだことがある。私の生理って結構重いから、お腹が痛いときに試してみたの。本当によく効いたわ」―マリナ