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見つめるのは10年後の自分。女優、葵わかなが目指す未来。

これからの時代をリードしていく注目の“ゲームチェンジャー”たち。輝きと自信を増し続ける彼らは今、何を思い、考えながら未来に向かっているの? 2020年、更なる活躍が期待される注目の存在をVOGUE GIRLがピックアップ。第一回のゲストは、21歳にして芸歴10年以上。フレッシュな魅力と実力を兼ね備えた女優、葵わかなさんが登場。

–葵さんにとって2019年はどんな1年でしたか?

私の人生にとって、2019年はとても大きな1年だったんです。朝ドラで主演を果たしたというようなビッグなトピックスがあったわけではないのですが、今まで考えてきたことがちょっとずつ変わっていく、形になっていくような1年で。自分の歴史を振り返った時に、キーポイントになるような1年でした。

–昨年は初のミュージカル出演、しかもヒロインを務めたんですよね。新しい挑戦が考え方を変えたのでしょうか?

そうですね。それ以外にもナレーションや吹き替えなど、声の仕事が増えたのも昨年からです。それから、キングオブコントの司会もやらせていただきました。新しいことへの挑戦がとても多かった年だからこそ、気づかされることも多かったです。特にミュージカルはできないことが多すぎて! これまで役者として10年活動してきて、自分なりに経験を重ねてわかるようになったことが増えてきたと思っていたのですが、舞台に立ってみて、自分自身を過信していたんだなと感じました。経験不足を痛感したというか、いろいろ経験を積んだ気になっていたけれど、私まだ20年しか生きていなかったんだなぁって。身につまされるような思いでした(笑)。

–できないことに直面すると、落ち込むタイプ?

もちろん落ち込みます。だけど、ただ落ち込むだけでは終わりたくないですよね。私自身、何事もコツコツ続けることが好きなタイプ。けれど、ずっと同じフィールドにいたままだったら自分の足りなさに気がつかなかったと思います。できると思っていたのに全然できない、結果が残せない。そんな経験を通して、私の中の“女優”というものへの捉え方がすごく変わりました。

今までは、昨年挑戦したミュージカルやナレーションのような声の仕事、司会のような仕事って、自分がこれまでやってきたこととは全然違う道にあるものだと思っていたんです。でも、それらは実はすべて同じ道の上にあったということに気付けました。土に埋もれていたから私には見えなかっただけで、引っこ抜いてみたら同じツルでおいもは全部つながっていたって感じ。じゃがいもみたいなイメージです(笑)。

–今まで葵さんが演じてきた役どころは、どちらかというと優等生タイプが多いイメージです。実際の自分とギャップはありますか?

私自身も真面目なタイプだと思います。仕事はきっちりやりたいし、自分自身に負けたくない。黙々と鍛えるアスリートタイプです(笑)。そういうところが良さだと思う反面、ちょっと職人気質なところもあって。たとえば、撮影現場で共演者の方にフランクに話しかけて盛り上げるということがなかなかできない。それがコンプレックスというか、“こんなカチカチの頭じゃダメだな”と感じることもありました。でも最近は、できないことを無理してやるのもよくないかなって思うようにしています。もうちょっと器用だったらいいのに、と思うこともあるんですけど、周りがどうしたら“葵に任せよう”と思ってくれるかなと考えた時に、私にできるのは“誰よりも頑張る”っていうスタイルを貫くことだなって。

–具体的にはどんな努力をしているのでしょう?

演技についての勉強は絶対欠かせないって思っています。最近よく観に行くのは舞台です。ミュージカルはもちろん、ストレートプレイも大好き。高校生の頃は宝塚の大ファンだったので宝塚ばっかり観ていたのですが、最近はいろんなジャンルの作品を観るようになりました。それと、昨年からトレーニングを始めたんです!

–トレーニングを始めようと思った理由は?

この仕事は健康第一ですから、運動や食事の習慣を変えて、体づくりをしていかないといけないなって。そして、実はボディメイクも頑張っています。私は着ている衣装も私服も長い丈のものが多いから、誰もトレーニングして鍛えているだなんて思っていないと思うんですが、結構いい感じに仕上がってきています(笑)。もし何かボディを見せるような仕事の機会があったときには、みんなの想像を裏切りたいです。実は走るのがめちゃくちゃ早いのもどこかで披露したいです(笑)。

–今日のようなファッション撮影やモデルの仕事にも活かせそうですね。

今日の撮影はすごくうれしかったんです。鍛えているからって別にボディを見せなくてもいいんですけど(笑)、昨年ぐらいからファッションが楽しくなってきたこともあって、これからファッションに関する仕事の機会も、少しずつ増えたらいいなと思います。

–ファッションが楽しくなったのには、何かきっかけが?

ドラマで共演した先輩の女優さんに「内面を磨くのももちろん大事だけれど、内面がきれいな人は外面を磨く余裕があるものよ」と言われて、ハッとしました。確かに多少なりとも外側を磨かないと、いくら内面を磨いたところで良さが表に出てこないんじゃないかと。私、自分にすごく甘かったなと反省しました。そこから新しい服を買い足したり、自分のクローゼットにあるものを使っていろんなコーディネートを考えたりするようになりました。最近は、朝起きて“今日は何を着て行こうかな”って考えるのがすごく楽しいです。

–葵さん世代は2020年代を担っていく存在。今の世間では一般的だけれど、自分たちの世代で変えていきたいと思うことはありますか?

昨年、仕事で初めて海外に行く機会がありました。海外のチームと作品に取り組む機会もいただいて、彼らの新しいことを恐れない姿勢が素晴らしいと思ったんです。今、日本でもスピーディーにいろんなことが変化しています。その変化が目の前に来た時に、保守的にならずに、いいものはどんどん取り入れられるような社会になったらいいなと思います。

私たちの世代はどんどん新しいことに挑戦していくべきだと思うし、新しいものに対して拒絶反応を示しがちな現状を変えていかなければいけない。私で言えば、たとえば映像作品にも出て、ミュージカルもやるという若手の役者が少ないので、こういう形の役者もいるんだよということを伝えていけたら嬉しいです。去年の新しい経験の連続の中で学んだのは、思い切って飛び込んだ先で見た景色の方が、それまで見ていたものよりずっと素敵だったということ。もちろん失敗することもあったけれど、やってよかったって120%思えました。

–特に気になっている社会的なトピックスはありますか?

LGBTQ+の方たちの活動が盛り上がっていることで、パートナーシップにもいろんな形があるということが広まってきていますよね。こういう変化ってすごく素敵なことだと思っていて。すごく大きく考えなくてもいいと思うんです。身近なところから考えていけたらいいですよね。私でいうと、最近大好きな作家、綿矢りささんの『生のみ生のままで』という作品を読みました。女性同士の恋愛を描いているのですが、これが本当に素晴らしくて。新しい考え方や物事に対して寛容な社会になったら、可能性が広がっていろんな人が生きやすくなっていくんじゃないかなって思います。

–2020年をどんな年にしたいか、漢字1文字で教えてください。

育つ育てるの「育」です! 内面も外面も磨いて、地道に真面目にお水をあげて、私なりのおいしいじゃがいもを作っていけたらと思います。だから今年1年をどうするかというよりは、10年先のことを考えます。もちろんその時になってみないとわからないけれど、10年ぐらいしたらいい感じの味のおいもがたくさんなっているんじゃないかな……って、欲張りかな(笑)。

–その目標を叶えるために、日々大切にしていることはありますか?

普通な感じですが、笑顔です(笑)。でもこれには裏付けがあって。「わろてんか」という作品が吉本興業の創業者の女性がモデルの作品だったので、笑顔の練習をめちゃくちゃしたんですよ。日本でこんなに笑顔の練習をしている人間は私しかいないんじゃないかっていうぐらい、毎日毎日笑顔の練習をしていました。そのおかげでできるようになったいろんな笑顔を武器に、自分なりの良さを育てていければと思っています。

  • PROFILE

    葵わかな/女優。1998年生まれ。神奈川県出身。2009年にデビュー。2017年にはNHK連続テレビ小説のヒロインに抜擢。『わろてんか』にて吉本興業の創業者・吉本せいをモデルとしたヒロイン・藤岡てん役を演じた。2020年はドラマ「教場」の出演に始まり、映画「キャッツ」の日本語吹き替え、ミュージカル「アナスタシア」への出演と活動が目白押し。BS11「キラボシ」にてナレーターを務めるほか、今後の出演作に朗読劇「私の頭の中の消しゴム 12th Letter」(2020年5月2日,3日に出演)など。
    >公式インスタグラム

  • PHOTO:WAKABA NODA(TRON)
    STYLING:ITSUKA WATANABE
    HAIR&MAKEUP:AYUMI TAKESHITA
    INTERVIEW&TEXT:YOKO ABE
    EDITOR:AKIKO MIYASHIMA

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