これからの時代をリードしていく注目の存在をVOGUE GIRLがピックアップ! 今回登場してくれたのは、VOGUE GIRL+ LIVEでオープニングアクトを飾ったシンガーのNaz。今後更なる活躍が期待される新星に、今考えていることや、見据える未来について直撃。
私が自分自身の一番の味方になってあげたい。シンガー、Nazが見つめる未来とは?
–VOGUE GIRL+ LIVEでのステージ、とても素敵でした。Nazさんの歌声に心が浄化されたような気がします。ライブで歌うこと自体が久しぶりだったとお伺いしたのですが、今回のライブ、振り返ってみていかがですか?
今回のライブのオファーを聞いたときは、本当にびっくりしました。しいたけ占いも毎週見ているし、VOGUE GIRLのLINEアカウントは友だち追加しているので、とても嬉しかったです。ライブは久しぶりでしたが、ステージで歌うってこんな感じだったなって嬉しくて新鮮な気持ちでした。
–ライブも自粛せざるを得なかった一年。Nazさん自身には何か変化はありましたか?
私は普段沖縄に住んでいて、東京に行ってレコーディングやプロモーション活動をすることがオンオフのスイッチになっていたんですけど、この一年はオフのままになってしまって。これはいつまで続くんだろう?っていう不安もありましたし、だんだんミュージシャンとして活動していた自分が嘘だったようにも思えてきて……。今思うとすごく落ち込んでいました。
–プライベートは、自粛期間中に何か変わりました?
私生活は、コロナの影響ではあまり変わっていないかも。もともと、外でみんなとワイワイ遊ぶとかよりも一人で黙々と何かに没頭することが好きなタイプなので(笑)。家で歌を作ったり、絵を描いたり、映画やドラマをたくさん観たり。あとは英語の勉強をしたりもしていました。翻訳家の夢もあって!
–アーティストとして活躍する一方で、また違った夢に向かっても努力する姿勢、とてもかっこいいです。そういえば、英語も歌も独学で習得したと伺いました。
英語に関しては、両親が小さい頃から洋画を観せてくれていて、ニュアンスやよく聞く単語は自然と覚えました。イントネーションや会話のタイミングを掴むのが早かったのも、小さい頃から英語が身近にあったのが大きかったのかなと思います。
–音楽はいかがですか?
小学生の頃は、歌うこと自体は好きだったのですが、音程を取ることが苦手でした。でもシンガーになりたいと思い始めて合唱団に入って。あとは「X FACTOR OKINAWA JAPAN」というオーディションに出演したあと、ライブで歌う機会が増えたのですが、ピアノとボーカルだけっていうライブが多かったので、そこで鍛えられたような気がします。
–音程を取るのが苦手だった過去があったとは…! そもそも歌手を目指し始めたきっかけは何だったんですか?
幼い頃は獣医になりたかったんです。動物が好きだったので、動物を助けたいという想いだけで目指していたんですけど、ある時からしっくりこなくなったというか……。獣医じゃなくても、別の方法でもっと幅広く環境問題を解決したり動物を助けたりすることができるんじゃないかと思って。そのときに「シンガーだ!」って思ったんです。心の中から湧き出るものを何か表現したいと思ったときに、歌いたい!と思って。
–これまで、影響を受けたアーティストはいますか?
3歳くらいの頃、ビョークの『Volumen』のMVが好きでずっと観ていて。その後シンガーを目指しはじめてから、「The Sugarcubes」も聴いたりしたのですが、感情のままに声を出している彼女に改めて感動しました。かっこいいというよりも耳が気持ちいいというか。衝撃を受けたし、今も影響を受けていると思います。
–ビョークに影響を受けたという話、なんだかわかる気がします。Nazさんの音楽も聴いていて耳が気持ちいいというか。Nazさん自身は、自分の魅力って何だと思いますか?
声を楽器のように使って歌うことですかね。初めて聴いたのが英語の楽曲だったこともあってか、リズムとノリと聞こえてくる音を頼りに音の感情を読み取る感覚で歌うクセが身についていて。楽譜通りに歌うとか、音程を気にしてきれいに歌うとかをほとんどしたことがなくて…。これは長所でもあると同時に短所でもあると思うんですけど、この表現は自分の魅力なのかなと思います。
–Nazさんは歌手になりたいという夢を見事に叶えたわけですが、夢を叶えるために必要なことって何だと思いますか?
一番は自分を信じることだと思います。私も100%は信じきれていなくて、時々自分が疑わしく感じるときもあるんですけど、自分を信じることは何より大切かなと。ダメなところも良いところも自分が一番知っているわけだから、敵じゃなくて味方になってあげたいですよね。
–夢を叶えた後も、作詞や作曲にチャレンジしたり前進し続けている姿が印象的です。2019年からは、ロンドンへの留学も経験したのだとか?
ロンドンでは語学学校に通ったんですけど、そこでいろんな国の人たちと話すことで学びがたくさんありました。私は小さい頃から割と人目を気にしてしまう性格だったので、向こうではたとえ間違っていても強気でいく姿勢が刺激的で! 街中で出会う人もみんな肩の力が抜けていてリラックスしていたのが印象的でした。実は今回ライブでも披露した「Bluebell」も、ロンドンでの留学経験が元になっていて。私は初めて聴いたのも初めて歌ったのも英語の楽曲だったので、ロンドンに留学するまでは英語の楽曲を歌うのが自分らしいと思っていたんです。でもロンドンに行って、自分が日本人であることに改めて気づかされて、一番自分らしいのは日本語と英語で歌うことだなって思うようになった。それがきっかけで「Bluebell」では初めて日本語の歌にも挑戦してみようと思って、1番を英語で2番を日本語でと半分半分に分けて歌っているんです。
–帰国してからは、2nd EP『JUQCY』をリモートでレコーディングされたそうですね。
『JUQCY』に収録されている、「I’ll go to the moon」と「Bluebell」以外の3曲はコロナウイルスが流行する前に書いた曲だったんですけど、後から振り返ってみたら今聴いてもらうのにぴったりな曲になっていて。自分でもすごく不思議なんですけど、まさに今伝えたいことを歌っているので、ぜひ聴いてもらえたらいいなと思っています。
–今後のアーティストとしての目標は? みんなにとってどういう存在になりたいですか?
生きづらさとか居心地の悪さを感じて、落ち込んでしまっている子たちに希望を与えられる存在になれたらいいなと思います。自分らしさを表現する姿を見せることで、見ている人たちにも「私もこれでいいんだ!」と感じてもらえたら嬉しいです。
–自分の人生を切り拓いていこうとしているVOGUE GIRL読者たちにメッセージをお願いします。
私の場合は幸運なことに周りに恵まれていて、夢を応援してくれる人が多くいたんですけど、なかには自分の夢に対して周りから反対されたり無理だと言われたりする人もきっといると思うんです。でも自分を信じて、自分の声にまっすぐにしたがってほしいなと思います。
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PROFILE
Naz(ナヅ)/沖縄出身の新星シンガー。独学で歌を学び、13歳頃に沖縄で開催された世界的オーディション番組『X FACTOR OKINAWA JAPAN』に出場。その歌唱力で、審査員たちから絶賛される。その後音楽活動の幅を広げ、高校時代には冨田ラボやNabowaの作品にゲストボーカルとして参加。2020年英・ロンドンへの留学を経て、同年10月21日に2nd EP『YUQCY』をリリース。サウンドプロデューサーに冨田ラボ、Seiho、江﨑文武(WONK, millenniumparade) を迎えた。以来、沖縄と英・ロンドンを拠点に、活動を展開している。
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STYLING:SHOTA MIYAZAKI
EDITOR:RISA TAKAYAMA