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幸運は自分の手で掴むもの。チャンスを紡ぐ、華村あすかの今。【次世代を担うフレッシュエナジー】

これからの時代をリードしていく注目の“ゲームチェンジャー”をVOGUE GIRLがピックアップ! 今回は、昨年話題となったドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」の篠山あさみ役で注目を集めた俳優、華村あすか。デビューからこれまで、自分自身と真摯に向き合い決断してきた彼女は、巡ってきた運をしっかりと掴み前進する。自分の心と会話しながら、正直に生きる華村あすかの今。

尻込みしても時間は進んでいく。舞い込むチャンスを前に生まれた小さな決意。

2017年にスカウトがきっかけでデビューした華村さん。当時、高校卒業後の進路も決まっていたそうですが、芸能界で仕事をやってみようと思ったきっかけはどんなことでしたか。
母からの「駄目でも成功しても、どっちに転んでもいいから挑戦してみたら?」という言葉が後押しになりました。高校生のときに東京でスカウトしていただいたことが、芸能界入りのきっかけだったのですが最初は信じていませんでした(笑)。私は、自分に自信がある方ではないですが、母が「この仕事はやりたくてもできないし、ましてや声をかけてもらうなんて人生で何回あるかわからないよ」と言ってくれて……。私は一つのことしか集中できないタイプで、当時進学も決まっていたため、学校と両立できる自信がないと思っていたんですけど、「それならやめれば?学校は何歳になっても入れるんだから」と母に背中を押されてやってみようと決めました。その言葉がなかったら、すぐにこの仕事を諦めていたかもしれないです。家族の応援があるから続けられてるなと思います。

デビューしてすぐに『週刊プレイボーイ』の表紙や池松壮亮さん主演のドラマ「宮本から君へ」(テレビ東京)のヒロインに抜擢。広がっていく新しい世界に、どんな気持ちで取り組んでいましたか。
当初は “怖い”という不安な気持ちがとにかく大きかったです。週プレに出させていただいた後すぐに「宮本から君へ」のオーディションを受けました。そうしたら、その場で監督の真利子哲也さんから「お願いします」と言っていただいて……。立ち位置の印となる「バミリ」などの業界用語も一切わからない状態で、キャストのみなさんも活躍されている方々ばかり。私が参加することで迷惑をかけてしまうのではないかと不安でした。そんな中、池松さんは本番に入る前の読み合わせやリハーサルを何度もしてくださって、現場に入ってからも段取りを長めにとってくださいました。そのときに、もう「やるしかない」という覚悟が出てきていた気がします。尻込みしていても時間は進んでいくし、演技が上手いか下手かを考えるというよりは、まずはとにかくやりきろうと思っていました。

撮影中にかけられた言葉で印象に残ってることはありますか。
クランクアップした日に、池松さんからかけられた言葉は今でも大切にしています。私が現場でしょっちゅう「これでいいのかな」と言ってたのを覚えてくださっていて、「これからこの仕事を続けていくにしても、結局芝居は人生経験を積まないと引き出しは増えていかないから、芝居に自信を持てなくても気にしなくていいよ」と声をかけてくださいました。「仕事もプライベートもたくさん経験することで、芝居をするときにこういうことかなと参考になるから。いろんな人と話して経験を増やしていけば大丈夫」と言っていただいた言葉に救われました。

運がいいと思えば人生は変わっていく。巡ってきた幸運をしっかりと掴んで。

華村さんのことをもっと知りたくなったのが、2022年10月期ドラマ「エルピス —希望、あるいは災い—」の篠山あさみ役。物語のフックになった役でしたが、どのような気持ちでオーディションに参加しましたか。
オーディションを受けている最中は、篠山あさみと眞栄田郷敦さんが演じた岸本拓朗の抜粋されたセリフを渡されていただけだったので、長澤まさみさんが主演のドラマだということや「エルピス」という作品の詳細は知りませんでした。監督の大根仁さんもマスクされていてスタッフさんもたくさんいらっしゃったので、恥ずかしながらオーディション中は監督のこともわかっていませんでしたが、3回のオーディションを受けて決まりました。「エルピス」という作品が決まったことで、もっと芝居の世界で自分を試していきたいと思うようになりました。

ドラマでは潔いボブヘアも印象的でした。オーディションの途中でロングだったヘアをバッサリ切ったそうですが、華村さんの中で何か意味や決意があったのでしょうか。
2年ほど前から、もともと髪を切りたいと思っていたのですが、お仕事のタイミングでなかなか切れずにいたんです。「エルピス」のあさみは、髪がロングでサラサラなキャラクターの設定だったそうで、脚本の中で登場人物の場面や状況を説明する「ト書き」にもそう書いてあったのですが、私がオーディション途中に髪を切ってしまって……(笑)。そのせいで、ギリギリまで私にするかどうするかという話はあったみたいですが、大根さんが気にかけてくださっていたとうことを撮影中に聞きました。髪を切ったことが逆に決め手になったんじゃないか、とも言われて、運がよかったのかなと思いました(笑)。

運命に導かれたのですね。
運がよかったなと思う瞬間があったら、本当にそうい込んだ方がいいと言われたことがあります。自分は運がいいと思うとそういう風に人生は変わっていく、気のせいで済ませてしまうと運が逃げていくって。私の場合「エルピス」が決まったタイミングは、誰に何を言われても紛れもなく奇跡で、運がよかったと思います。23年間生きてきた中で運が巡ってきたな、これは掴まなければいけないな、と思いました。

ドラマ「エルピス」は、日本のエンタメ界を引っ張る大根仁監督や主演の長澤まさみさんなど演技に定評のあるキャスト、そして緩急のある物語展開で、放送を重ねる度に大きな話題を呼びました。そういう作品に参加して刺激になったことはありますか。
監督の大根さんとは多くはお話できませんでしたが、作品と向き合う姿勢が本当に勉強になりました。主演の長澤まさみさんや眞栄田郷敦さんとの芝居のシーンの中でも、大根さんは私の芝居に納得がいくまで何テイクも重ねてくださいました。サブの私にも時間を費やし、妥協なく向き合ってくださるやりとりの中で作品はこうやって作られるものなんだということ目の当たりにして、芝居に対する覚悟がどんどん出てきました。それがあったからこそ今撮影している作品にも強い気持ちで挑むことができていて、感謝しています。

たくさんの言葉を吸収したい。好奇心や興味を力に変えて。

華村さんはグラビアやモデルの活動もされていますが、体づくりや美容で気をつけてることはありますか。
食べないことはよくないので、食べた分だけ動くということを心がけています。運動は、最低でも週3。撮影で地方にいることもあるのですが、そういうときは地方の宿泊先でヨガやストレッチ、筋トレをしています。

自分を好きでいるために体づくりとも向き合っている、華村さんからはそんなポジティブなエネルギーを感じます。
高校生のときに部活を引退してから太ってしまって、自分の体型にコンプレックスを持っていたんです。そんな中で、妹がファッションを学ぶために上京してきたのですが、ファッションで変わっていく姿を見てかっこいいなと思いました。あるとき、妹が持っていたデニムが可愛くて穿こうとしたのですが、細身で入らなくて……(笑)。それが悔しくて、こういう服を着ることができたら自分の体型がもっと好きになれるかもとボディメイクをはじめるようになりました。コロナ禍で頑張って鍛えたので、今の自分の体型が好きです。以前は、見た目のことを言われるとすごく気になっていたのですが、今は見た目のことを言われてもあまり気にならなくなりました。当時は、好きなことや熱中できることが見つかっていなかったので、心も不健康だったのかもしれません。今は好きなことを見つけたから、体のことも自信を持って話せるようになったのだと思います。

普段は、どのようなファッションが好きですか。
モードやヴィンテージが好きです。一点もののヴィンテージを宝探しのような感覚で見つけて、個性的なアイテムを組み合わせながら自分らしくスタイリングしています。

続けて、華村さんのプライベートのことも聞かせてください。好きな香りはありますか。
朝のお風呂上がりみたいな爽やかな香りが好きです。「シロ(SHIRO)」の「サボン」はずっと好きな香りです。

「今日、頑張ったな!」と思う日に食べるご褒美フードは?
辛いもの。常にストックしているのは韓国の「ブルダック」です。

お気に入りのリラックス方法はありますか。
サウナです。むくみが取れるので都内にいるときは多い時で週3回くらい行きます。

最近読んで印象に残っている本は?
『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション』(グレース・ボニー (著)・海と月社)です。今は、いろいろな言葉を吸収したくて読みはじめたエッセイなのですが、起業家など、さまざまな仕事で活躍する女性の言葉がまとめられています。最近は、「成功とは自分がやっていることに情熱を感じられること」という言葉が心に残ってメモしました。

今、旅行するとしたら、どこで何をしたいですか。
辛いものが好きで特に韓国料理が大好きなので、韓国に行きたいです。ファッションもかわいいですよね。

自分の心と向き合い、それで繋がるものを大事にしたい。

次の世代を担う一員として、これから社会とどう関わっていきたいですか。
今まで以上に本質と向き合う努力をしたいです。デジタル社会の中で、私もデビューした頃は自分を表現したくてSNSをして、その数字や反応に一喜一憂していた時期があったのですが、SNSに依存してしまうと自分がなりたい自分というより、誰かに見られたり誰かの言葉を得るためにパフォーマンスをする自分になってしまう。何かを表現したいという気持ちは数字だけで決められるものではないと思うので、まずは自分に嘘をつかないで、本質はどこにあるのかをしっかりと自分の目で見極められるようになりたいです。もし、何かを言われて自分もそう思ったらそれは学びとして吸収すればいいですし、納得ができないものは自分の判断で捨てればいい。自分の心と向き合って、それで繋がるものを大事にしていきたいです。

3月18日に24歳の誕生日を迎える華村さん。どのように年齢を重ねていきたいですか。
心が自立している人になりたいです。今は経験も浅いですが、自分がたくさんの人を巻き込めるような役割を担えたら素敵です。あとは、この仕事に限らずですが、仕事をしていかないと生きていけないので、また会いたい、関わりたいなと思ってもらえるような人になりたいですね。

  • PLOFILE

    華村あすか/俳優・モデル。1999年、山形県生まれ。2017年のデビュー直後に『週刊プレイボーイ』の表紙に抜擢。2018年には、ドラマ「宮本から君へ」(テレビ東京)で俳優デビュー。昨年出演したドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」(フジテレビ)の篠山あさみ役で注目を集めた。24歳の誕生日を迎える3月18日に写真集『真価論』(講談社)を発売予定。

    華村あすか 写真集『真価論』発売記念イベント
    2023年3月18日14:00~@SHIBUYA TSUTAYA 特設会場
  • SHOP INFO

    マックスマーラ ジャパン
MODEL:ASUKA HANAMURA PHOTOS:WAKABA NODA @ TRON STYLING : MICHIE SUZUKI HAIR & MAKE UP : MASAYOSHI OKUDAIRA EDITOR:SAYA YONEKURA
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