Y2Kブームに乗って、トレンドに再浮上した「お腹出し・肌出しルック」。その流れを汲み、今月の「GIRL OF THE MONTH」では“みちょぱ”こと池田美優が、鍛え抜かれた美しい腹筋を披露。ギャルのカリスマとして支持を集める一方、テレビ番組では機転の利いた切り返しやコメントで、お茶の間や共演者、制作スタッフをも虜にしている彼女。場の空気を的確に読みながらも、確実に存在感を残す。その高いコミュニケーション能力や周囲を惹きつける魅力はどのように培われたのか? 学生時代の話も紐解きながら、彼女の「愛される秘密」に迫ります。
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かっこいい自分でいたいから、鍛える。
ギャルに出会い、マインドも180度変わった。Y2Kファッションブームの影響もあって、今年はクロップトップスやヒップハング、ミニなど、お腹や肌を出したルックが注目されています。みちょぱさんっていわばその先駆けというか、季節やトレンド関係なくずっとお腹を出していますよね。
単純に見せなきゃもったいないなと思って(笑)。中学生のときから夏はショートパンツ、脚は全部出す、というのが自分の定番。すべて覆っちゃうと、逆になんだか落ち着かないんですよ。
昔からスタイルには自信があったのでしょうか?
いえ、昔はガリガリだけどお腹だけポニョッとしていて、全然腹筋がなかったですね。ギャルといえば「ヘソ出し」なのに、それが自分的に許せなくて。だらしない体を見せたくないから、それで火がついたように筋トレをし始めたんです。
当時は1日100回の腹筋×3セットをこなしていたと聞いたのですが、トレーニングは自己流だったのでしょうか?
そうですね。でも少しやると筋肉がついてくれるので、最初だけやり込んである程度筋肉がついたら休憩して、筋肉がなくなってきたらまた再開して、といった感じで完全に自己流です。最近はジムに行けていないので、家で動画を見ながら腹筋だけやっていますね。
自分の体が好きになったのは、やはり鍛えるようになってから?
食べても太らないし、昔から体質には恵まれていたんですよ。でも、お腹とか全部ひっくるめて好きになったのは筋トレを始めてから。ただ20歳超えて急に、体のラインが少し女性らしい丸みを帯びて、セクシー寄りになってきて。今までつかなかったところに肉がつくようになったので、酵素を飲んだりデトックスティーや炭クレンズを試したりして、体を引き締めるように気を配るようになりました。昔からかわいいより「かっこいい」と言われたいタイプ。「体がかっこいい」って、頑張りを褒めてもらえるのはやっぱりうれしいです。
みちょぱさんが、「かっこいい」にこだわるのには、何か理由があるのでしょうか?
なんだろう、あまり男の人に媚びたくないんですよ。自分が好きなことしていて、それを褒めてもらえるのはいいんですけど、こっちから男性側に寄り添いたくないというか(笑)。こんな強気な性格になったのが、それこそギャルに出会ってからなんですけど。ギャルになってから私、めちゃくちゃ強くなって。
それは出会った仲間の影響もあったり?
一番はメイクだと思うんですよね。鎧をまとうじゃないけど、メイクをするようになってから自分に自信がついて。もとはめちゃくちゃ泣き虫だったんですけど、考え方もポジティブに変わったし、精神的に強くなりました。
ギャルなマインドが、みちょぱさんの性格までも変えてくれた、ということですね。
そうですね。外見を磨いていくことで、人は内面も変わることができるんじゃないかと思います。
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これから起こる刺激的な出会いよりも、
昔からの「縁」を大切にしていきたい。10代から変わらずギャルを貫いていて、軸がまったくぶれていないなと思うのですが、ライフステージが移り変わるなかで、スタイルを変えようと思ったことは一度もなかったんですか?
私、ハマったらとことんハマるタイプなんです。ただ自分のなかでの小さな変化はあって、カラコンは縁なしになったし、まつげにもこだわらなくなったし、視野は広くなったのかなと(笑)。でも一方で突然冷めたりする側面もあるので、ギャルも「飽きたらやめる」とずっと公言しています。
時代によってマイナーチェンジはありそうですが、昔から変わらないポイントもありますか?
ネイルは月1回必ず通っていて、高1の頃からずっと同じネイリストさんにやってもらっています。美容師さんもそうだけど、昔から「これでいい!」と思ったらほかを探さないところがあるんですよ。だからこそ突然スタイルを変えることもできない。
人付き合いにおいても、新しく人脈を広げようとはあまり思わないほうですか?
一から仲よくなるのって面倒なので、遊ぶのは地元の友だちばかり。「この人!」ってなったら、それ以外は知らなくていいや、って思っちゃうんです。昔はギャルサーに入っていたので、LINEの友達も1000人近くいたんですけど、いざこざで軽く人間不信になったのをきっかけに全部整理して。それで残ったのが地元の友だち。極度の面倒くさがりやなので、トラブルを避けていたらこうなったみたいな部分もあるんですけど(笑)。
みちょぱさんって、ある意味さらっとしているというか、共演者とも気持ちのよい距離感で接することができている印象です。それって頑張ってできるものではないと思うのですが…。
人に執着はしていないですね、昔から。中学校でも私だけがギャルだったけど、自分が好きなら周りに否定されてもいいやって。でもそれは、ギャルに出会って強くなったからだと思います。去るもの追わずというか、無理しなくていいって腹をくくれた。でも逆に慕ってきてくれる人にはめちゃくちゃ愛情を込めます。ポップティーン時代の後輩とも今も連絡をとっていますし。
ドライに見えて人情派。そのギャップが愛される理由なのかなと思いますが、これまで見た目のせいで「先入観を持たれてやりずらいな」と感じたことは?
それが意外とないんですよ。むしろギャルでラッキーだったことのほうが多いですね。「チャラそう、遊んでそう」と思われても、実はそうじゃないってだけですぐプラスになるし、できなくても「まあギャルだもんね」で終わるから、評価が下がったりしないんです(笑)。逆に普通の見た目の人のほうが、減点方式でカウントされてしんどいんじゃないかな。
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受けた批判は脳内でポジティブ変換。
面倒くさいから、落ち込んだりもしない。みちょぱさんって機転の利いた切り返しやコメントで、新しいギャルのイメージを築き上げていると思うのですが、支持される理由をご自身なりに分析すると?
欲がないからかな。芸人さんにも言われたりしますけど、もし次にチャンスがなくなっても仕方ないくらいの感覚で、いつも参加していますね。メイン扱いされるのは苦手だし、主役の横にいるくらいが私にはちょうどいいんです。ゲストで出るときも、なるべくMCやメインゲストの女優さんや俳優さんの隣でサブ扱いがいいです。
発言はズバッと確心をつくのに、取り組む姿勢はすごく謙虚ですよね。
注目されすぎると、「いやいや…自分は」ってなっちゃいますね。「私の話なんて、いったい誰が聞きたいんだ」って本気で思います。
最近はコメンテーターとして情報番組に出演することも多いですが、意見を言うときに「これを言ったらまずいかも」と尻込みした経験は?
もちろんいろいろ言われるんですよ。面倒を起こしたくないから、変なこと言わないでおこうと思う部分もあるんですけど、『スッキリ』でも司会の加藤さんが「思っていることを言っていいよ」と言ってくださったので、自分の意見はちゃんと言おうと。それで話がまとまってないとか、批判を言ってくる人たちは、気にせずに受け流します(笑)。そこは自分に都合よくポジティブですね。
脳内でポジティブに変換しているんですね!
落ち込むこと自体が面倒くさいので(笑)、だったら開き直っちゃおうって。仲がいい子とは意見を言い合ったりしますけど、そうでもない人は「へーこういう人もいるんだ」くらいの感じで放っておく。人と揉めるよりも、我慢して流すほうが全然ラクなので。そんな風に生きていたら、人付き合いもうまく好転してきました。
嫌なことは流せるタイプとのことですが、「これだけは許せない!」というシチュエーションはありますか?
地元の友だち絡みのことですかね。昔は友だちが何か言われたりとか、友だちが彼氏に浮気されたりすると「何様?」とめちゃくちゃ腹を立てて、相手に文句を言いに行っていました(笑)。さすがに今は年齢を重ねて落ち着いてきたので、そんなことはないんですけどね。
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謙虚さをなくしたら人間終わり。
どんな現場でも“会釈”だけは忘れずに。バラエティ番組からファッション撮影、ジュエリーのプロデュースなど、仕事内容も多岐に渡っていますが、どの現場でも大切にしているポリシーはありますか?
怖いくらい世の中って狭いじゃないですか。いつ誰に見られているか分からないから、大勢の人が関わる現場では、知らない人にもちゃんと会釈はしようと。それは高校生のときから意識してやっています。
基本的なことかもしれないけれど、挨拶って一番大事ですもんね。
そうなんですよ。以前の現場で会釈したのを覚えてくださる方もいて、やってきてよかったなと思います。あとは「調子に乗らない」「天狗にならない」。人って悪いところの方が目立つし、気になるじゃないですか。私が気になるということは、ほかの人もきっとそうだろうし。基本ができなくなったら人間終わりだと思っているので、売れて調子に乗って「なんだ最初と違うじゃん」と思われないよう、どの現場でも謙虚さは大切にしていきたいです。
テレビで見ない日はないといっていいほど多忙なみちょぱさんですが、心の支えとなっているものは?
基本的にお仕事はすべて楽しくて、苦に感じたことがないんですよ。もちろん寝れなかったりとかはありますけど、オンオフの切り替えははっきりしているほうなので、愛犬に癒されたり、なにかあれば地元の友だちに愚痴ったりして、自分を保てるようにオフの日を全力で楽しんでいます。
今年はどんなことに挑戦してみたいですか?
欲がないから「次は何を目指せばいいんだろう」って考えちゃうけど、やりたいことが見つかってからでいいのかなと。昨年アクセサリーブランドを立ち上げたんですけど、それも思いつきというか、ふと自分が気に入るデザインを身につけたいと思って、プロデュースの方向に話が進んだので。結局したいことって、日常のなかで突然見つかっていくものだと思うんです。だから今やってることを大切にしていけば、そのうち新しい目標も見えてくるんじゃないかな。
ラフでいたほうが、物事がよい方向に転がるかもしれないですね。では最後に、活動を通して伝えたいメッセージはありますか?
最近は中高生だけじゃなく、ご家族でイベントに来てくださる方も多いんですけど、「お子さんが私みたいになったら大変ですよ~」とよく言うんです。私、この仕事に出会えたからまともな人間になれただけ。出会ってなかったら何をしてるかわからないような人なので。「みちょぱみたいになりたい!」って言われるとうれしい反面、ちょっと荷が重いというか。責任は負えないけど、それでもよかったら応援してくださいみたいな(笑)。ゆるくファンでいてもらえたら、私はそれだけでうれしいです!