細い身体から放たれる生命のエネルギー。周りの空気を一変させるオーラ。歌、ダンス、演技と圧倒的なパフォーマンスで魅了する20歳の表現者、平手友梨奈が「GIRL OF THE MONTH」に登場。規格外の存在として、クリエイティブの高みへと挑み続ける彼女は、そのポーカーフェイスの下で何を思っているのか。物づくりに魅了された、若きアーテイストの内なる声に耳を傾けたい。
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自分に厳しいのは、不器用だから。
場数を踏んで、苦手意識を克服したい。今回の撮影では、都会を生き抜く“孤高の戦士”を演じていただきました。平手さんといえば「常に何かと戦っている人」という印象を受けるのですが、そういった自覚はありますか?
実際は……、戦えてないですね。戦っていかなきゃ、とは常に思っているんですが。
それは社会や人に対して、ということでしょうか?
「戦う」っていろんな意味を含んでいると思うのですが、私の場合は自分に対してですね。1つ1つにちゃんと向き合い、大切にできているかというと、そうじゃないなと。
でもそのストイックさが、平手さんの強みであり個性だと思います。
私らしさって自分ではよくわからなくて。唯一、他の方と違うかもしれないなって思い当たるのは「スタッフとの距離が近い」ことくらい。でもそれが強みかと問われると、ちょっと違うような気もするし。
スタッフと密にコミュニケーションをとることは、仕事をする上で最も大切にしている部分ですか?
そうですね。いつも「これはどう?あれはどう?」と意見を言い合いながら制作していて、そういう時間はすごく好きです。
作品づくりでは、思っていることを躊躇なく相手に伝えられるほうですか?
目指してる方向が一緒だと「こうしよう!」というポジティブな会話ができますが、そうじゃない場合は根本からすり合わせないといけない。だから相手の意見を聞きつつ、思っていることは素直に伝えます。信頼しているクリエイターの方だと、方向性の確認だけして、あとは任せたりもするし。経験を重ねるうちに、なんとなく今のスタイルが確立されてきた感じです。
歌、ダンス、演技とジャンルを超えて活躍されていますが、そんな平手さんでも「これは苦手だな」と思うことは?
基本的にすべてが苦手。得意なものって本当にないんです。
できないという意識が強いからこそ、どの分野でも人並み以上に頑張ってしまうのかもしれないですね。
結局、苦手を克服するのって場数でしかないと思っていて。いろんな現場を経験することによって、気づきや学びがある。それが成長に繋がっていくんじゃないかと。なので、いかに多くの現場を経験できるかは常に意識しています。
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人見知りで、自己肯定感も低いけれど、
物づくりにおいて、一切妥協はしたくない。欅坂46時代から「自分に自信がない」とインタビューで語っていますが、それはソロになった今でも変わりませんか?
まったく変わらないですね。自信を持てるものなら持ちたいです。
世間の高評価も、自己肯定感にはまったく影響しない?
私はSNSをやってないので、いい意味でも悪い意味でも、実感はほとんどないんです。
SNSをやらないのは、何か理由があるのでしょうか?
ただ単純に向いてないだろうなって。もしやることになったとしても、スタッフさんに任せちゃう気がします。
そんな平手さんも20歳になったことで、人との距離感が掴めてきたなど、変化があったのでは?
人見知りなのは相変わらずです。ただ、心を開いた人にはすごくオープンです。出会った瞬間から「この人合うな」っていう人もいれば、様子を伺いながら縮まっていく場合もあったり、さまざまですけど。
ちなみに自分より人見知りな人に出会ったことはありますか?
あまり会ったことないですね(笑)
どんな人に会うと、喋りたいという衝動に駆られるのでしょうか?
例えばクリエイターの方でも、目指す方向性が一緒だと自分からガツガツとコミュニケーションを取りにいくかもしれないです。それは相手との距離を縮めたいとかじゃなく、どうやったらもっと作品が良くなるか、話し合うことが目的ではあるんですけど。
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いつか自分の居場所に辿りつけるように、
できる限りのことを、いまやっておく。現場で大切にしている、マイルールはありますか?
事前にあれこれ話していても、結局現場に行ってみないとわからないことがほとんど。なので現場の雰囲気を第一に考え、そのなかでベストを尽くすようにしています。
多忙な日々が続いていると思うのですが、ほっと一息つける瞬間はありますか?
心知れた人との食事ですね。素に戻れるというか、自分のなかで好きな時間です。
どんなときに充足感を覚えたり、自分の居場所はここにある!と強く感じますか?
自分の居場所は……、まだ見つかってないかもしれないです。見つかればちょっとは楽になるなのかな、という気持ちはあるんですが。
これから始まる20代を、どう過ごしていきたいですか? 目指す女性像などあるのでしょうか?
この人素敵だなって思う女性はたくさんいるんですが、自分がそうなるためにはもっと勉強が必要なのかなと思います。経験値が少ないからこそ、人より多く練習したり、下調べしなきゃいけないなと。
最後に、今年新たに挑戦したいことがあれば教えてください。
バンジージャンプですね。ずっと高い所は平気だと言ってるんですけど、1回もオファーが来たことがなくて。面白いリアクションがとれないからかな(笑)。でもやってみたい気持ちはあるので、プライベートでもいいから挑戦してみたいです。