昨年は映画3本、ドラマ3本に出演。“時代の顔”として圧倒的な存在感を放っている浜辺美波さん。GIRL OF THE MONTHで披露した、清らかで凛としたオーラ。その裏側には、周囲をクスッと和ませるユニークでチャーミングな一面も。自らを「不器用」と表現する彼女が、自身を解放することで身につけた豊かなコミュニケーション術。その秘密をプライベートな素顔から紐解きます。
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素の自分をさらけ出すことで、
「信頼」と「安心感」は築かれる。世の中には恋愛以外にも様々なカタチの「絆」があると思います。浜辺さんにとって相棒と呼べる、特別な存在はいますか?
一番連絡を取り合っているのは、高校のときの同級生ですね。会う頻度は決まっていないけど、お互い何かを吐き出したいときに、電話したり会ったりする関係で。その子も幼い頃から芸能をやっているので、共感できる部分が多いんです。仕事の悩みなどいろいろ聞いてもらうんですけど、彼女は「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスするのではなく、普通に笑い飛ばしてくれるんです。それが自分にとってすごくラク。辛いからといって、必ずしも相談に乗ってほしいわけじゃなくて。私は笑い飛ばされたほうが気が晴れるタイプ。互いを応援し合うことで、良い仲間意識が生まれています。
信頼できたり、頼れる相手って、出会った瞬間わかるものなのでしょうか?
直感で感じる部分が多いかもしれないです。そこからちゃんと話してみて、人の痛みがわかる人かどうか、口が固いかどうか、自分のなかで検証していく感じかな。話し方ひとつとっても、信用できる人って最初から何かが違うと思う。周りを大切にしている人って、フィーリングでわかるんです。だから自分の判断に、後悔をしたことはあまりないです。
相手と良いパートナーシップを築くために、浜辺さんが心がけていることって?
大っぴらな性格なので、基本的に聞かれたら何でも答えるようにしています。友人とはワチャワチャ話せる関係でいたいので、相手の気持ちがほぐれるのであれば、自分の失敗談も包み隠さず話しますし。あまり深く考えすぎちゃうと、壁を感じさせてしまうこともあるので、バカなフリじゃないけど、カジュアルにふるまっていた方が人から慕われやすいのかなと思います。仕事でもお互いの失敗をたくさん目にすると、絆も深まりやすいですよね。
「守りたい存在」がいることで、パワーがみなぎったり、強くなれることもあると思うのですが、そう感じる相手はいますか?
一番はやっぱり家族かな。私の活動によって迷惑がかかるのは嫌なので、自分の行動に責任を持ち、恥じない仕事をしていきたいですね。あとはYouTuberとして活動しているパパラピーズの2人とか、同世代で頑張っている友人たちにパワーをもらうことも多いです。頼れる存在って、実は守りたい存在でもあって。私、友達自体はすごく少ないんですけど、友人がピンチに陥ったときは必ず手を差し伸べると決めているんです。自宅に招き入れて一緒に生活するのも苦じゃないし、そうやって親身になって面倒を見てあげられる人を、友人と呼びたいなと思っています。
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「尊敬」と「ユーモア」を大切に
恋人とも深い関係性を育んでいきたい。恋愛においても「パートナーシップ」って大切だと思いますが、身近に理想するカップルはいらっしゃいますか?
最近素敵だなと思ったのは、ドラマでご一緒した菅野美穂さん(と堺雅人さん)ご夫婦ですね。スタジオが遊園地と近かったのですが、撮影後にお子さんを連れて家族で出かけられたりしていて。協力しながら子育てをされている姿が素敵で、仲の良い夫婦って羨ましいなと思いました。今はまだキュンキュンする恋愛に憧れがあるんですけど、お互いを助け合えている夫婦を見ると、やっぱり結婚っていいものだなと思います。
さきほど「結婚」というワードが出てきましたが、人生のパートナーに求める条件はありますか? どんな関係が理想的でしょうか。
やっぱり相手のことはリスペクトはしていたいかな。お芝居に関わってくれていた方が、台本の読み合わせに付き合ってもらえるし、楽なんだろうなとは思いますけど、職業には特にこだわらないです。それよりもユーモアのほうがすごく大事! 付き合うならやっぱり面白い人がいい。うちは両親の仲がすごく良いのですが、父がすごく人を笑わせたいタイプの人で。笑顔が絶えない家庭だったので、将来私もそういう家庭を築きたいと思っています。
ちなみに、親友のように何でもわかり合える彼と、憧れとドキドキを感じる彼、恋をするならどっち?
今は憧れとドキドキを求めてしまうかも! 『シンデレラ』を観て育ったせいか、王子様のような男性と出会ってみたい、という願望が捨てきれなくて(笑)。ただ、見た目には全くこだわりはないんです。大事にしているのはあくまで中身。女性って「可愛い」って言われるほど可愛くなると思うので、相手も褒めてくれるタイプだったらいいな。私のことを一途に見てくれる、誠実な男性が現れることを願っています。
恋をすると浜辺さんはどんな風に変わりますか? 「恋愛」こそが全ての原動力!という人という人も多いですよね
今まで気にしてなかった部分が気になって、服をたくさん衝動買いしちゃうかもしれない。でも仕事に持ち込むことはないので、ほとんどの人は気づかないんじゃないかな。ただ仕事と恋愛の充実度が合わさると、人としてパワーアップできそうだなと思います。一緒に過ごす時間が長くなると、辛いことや悲しいことも全部その人と共有することになるので、友人よりも深い関係になっていくだろうし。一番信頼できる人と付き合う、という原理はすごくわかりますね。心の安定にも繋がると思うので。
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女優魂に火をつけてくれた、
感受性豊かな先輩たちとの出会い。今回の撮影は小豚のペットとの共演でしたが、浜辺さんは実家で猫を飼っていらっしゃるとか。どんなパワーをもらってますか?
アメリカンショートヘアなんですけど……私にまったく懐かないんです。母、弟、私、父くらいの順位で見てますね、あの子は(笑)。でもそれが猫の可愛さだと思っていて、実家に帰るたびにウザ絡みしちゃいます。コロナ後にもう1匹、スコティッシュフィールドを飼い始めたらしいのですが、こんな状況なのでまだ会えてなくて。LINEで写真がたくさん送られてくるので、それを見て癒されています。
お仕事面では、第2弾となる『賭ケグルイ』の劇場版が公開中です。浜辺さんの代表作ともいえるこのシリーズは、ご自身の世界をどんな風に広げてくれましたか?
『賭ケグルイ』は森川葵さんや矢本悠馬さんはじめ、先輩たちがすごく楽しそうにお仕事されているのが印象的で。役者という職業を突き詰めていくと、こんなふうに輝きながら仕事を続けることができるのかと、希望が見えたのは大きかったですね。共演を重ねるごとに、今まで聞けなかった私生活の部分が見えてきたのもすごくよかった。人生が充実するってこういうことなのかな、こういう方々に囲まれてお仕事していきたいな、と強く思いました。
現場のチームワークはいかがだったでしょうか。仕事仲間とは、昔からの友人とは違う「絆」が生まれていそうです。
共演したお姉さん方はどっしり落ち着いていて、感性が面白い方が多かったですね。一緒にいるだけで世界が広がるというか、やっぱり私はユニークな感性を持った人が好きなんだ、って改めて感じました。英勉監督は若者と接するのが上手で、楽しい現場づくりをしてくださる方。うまくいかないところもすぐ修正してくれて、役者に“飛べる場所”を用意してくれたので、すごく感謝しています。
今、まさに女優として充実されているときだと思いますが、楽しく仕事をする上で心がけていることはあるのでしょうか。
最近は自分をまったく飾らず、そのままの状態で入っていくようにしています。無理をせず、背伸びをしないように。あまり気張りすぎると途中でダメになってしまう気がするので、自分が不器用であることを忘れずに、地に足つけて30歳までいいペースで走り続けられたらと思います。
今後、楽しみにしているプロジェクトや、新しくチャレンジしてみたいことはありますか?
何にでも挑戦したい気持ちはあるけれど、一番力を注ぎたいのはやっぱり女優業かな。20歳になったことで、学校の先生やお医者さんなど、いろんな役を演じられることが楽しみになってきたんです。役への理解を深めるため、実際に現場訪問して、演技にも反映していきたい。良い仕事をするにはメンタルの安定も重要なので、自律神経を整えるために独学でアロマやハーブについても勉強中。常にベストなコンディションで、気持ちよく仕事に取り組んでいきたいたいです。