『VOGUE』の歴史に名を刻む偉大なクリエイターのドキュメンタリーや、ペネロペ・クルスが映画監督に扮した業界風刺コメディ、『グレイテスト・ショーマン』の音楽スタッフ×ショーン・メンデスによるミュージカル作品など、今見るべき新作映画で描かれるのは、自分の美学や才能を信じて前へと進む主人公たち。そんな彼らの生き様は、自分らしく可能性を輝かせるためのヒントになるはず!
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©︎Rossvack Productions LLC, 2017. All Rights Reserved.
『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』
『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』は、アフリカ系アメリカ人として初めて『VOGUE』クリエイティブ・ディレクターに就任したファッション界のカリスマ、アンドレ・レオン・タリーのドキュメンタリー映画。彼がいかにして成功を掴んでいったのか、これまでの軌跡が本人のインタビューやアナ・ウィンター、マーク・ジェイコブスら彼を取り巻く著名人によって語られる。
2022年1月18日に73歳で他界した、ファッション界の巨匠と呼ばれたアンドレ・レオン・タリー。人種差別が色濃く残る時代のアメリカ南部で幼少期を過ごしたアンドレの、愛する祖母が教えた品格や黒人教会での若かりし日々から、活躍目覚ましい近年まで、彼の生きざまとともに綴られる。
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©︎Rossvack Productions LLC, 2017. All Rights Reserved.
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/こだわりの美学でファッション界の意識を変えていった
アンドレが見せるエレガントな生き様人種間の壁にぶつかりながらも、こだわりの美学を捨てることなく、ファッション界の意識を変えていったアンドレ。エレガントな生き様は、「スタイルを作るときも品格を大切にしている」という言葉からも感じ取れる。ブレないスタイルとファッションへの強い愛を持ち続けたからこそ、新たなファッションキュレーターのひとりとなり新たなスタンダードを作れたわけだ。
一方で、本作は意外なほどにシャイな彼の素顔さえも映し出す。ジョークを交えながらスタイリングしたり、大きな体を包むタープ姿でフロントロウに座ったりなど、様々な面からアンドレを深く知れる1作だ。
『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』
公開中
andremovie.com
配給:リージェンツ
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©2021 Mediaproduccion S.L.U, Prom TV S.A.U.
『コンペティション』
映画の撮影プロセスを笑いと皮肉を交えて描いた映画『コンペティション』。ペネロペ・クルスが癖のありすぎる天才監督を、アントニオ・バンデラスがうぬぼれた国際スター俳優を、大御所俳優オスカル・マルティネスが老練舞台俳優をそれぞれ演じる。ほぼ3人芝居だが巧みな演技で飽きさせることはない、3人の熟練の技が光る。
映画賞を総なめしている映画監督ローラ(ペネロペ)は、ノーベル賞受賞の小説を映画化することに。W主演の兄弟役のキャスティングで、ローラは超一流のベテラン俳優イバン (オスカル)と、エンタメ作品で世界的な人気を誇るフェリックス (アントニオ)をオファー。ふたりはキャリアから演技メソッドや私生活まで真逆、ローラは化学反応を狙うのだが…。
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©2021 Mediaproduccion S.L.U, Prom TV S.A.U.
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©2021 Mediaproduccion S.L.U, Prom TV S.A.U.
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©2021 Mediaproduccion S.L.U, Prom TV S.A.U.
/ローラの痛快な演出にハラハラドキドキ
オンリーワンの美学の先にある“傑作”とは!?変わり者監督として知られるローラは、オンリーワンどころか「クレイジー」と言いたくなる芝居の演出を次々とほどこす。物語の重みを感じるために、クレーンで吊り上げられた5トンの岩の下で演じるように指示したり、彼らが大切にしている映画賞のトロフィーを目の前で粉砕機に投げ込んだりと、リハーサルは波乱尽くし!
激昂する俳優たちだったが、ときに結託したりもして、なんだかんだ本音をぶつけ合う。テンションを上げながら“傑作”を作るために突き進んでいく本作、エンディングには何が待ち構えているのか。ハラハラドキドキさせられる快作のゆくえ、ご期待あれ。
『コンペティション』
公開中
competition-movie.jp
配給:ショウゲート
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『シング・フォー・ミー、ライル』
奇跡の歌声を持つワニが主人公のミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』。劇中の楽曲は『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』を手がけた音楽チームが担当という豪華さ。さらにグラミー賞に2年連続ノミネートされたショーン・メンデス(日本語版では大泉洋)がワニ役を務め、圧倒的な歌声で魅了する。
ショーマンのヘクターは、ペットショップで1匹のワニによる魅惑の歌声を耳にする。ヘクターはそのワニをライルと名付け相棒にするが、ライルのステージ恐怖症が判明しショーは大失敗。ヘクターは去り、ライルは1匹でアパートの屋根裏に隠れ住む。長い年月を経て、プリム一家がライルの家に越してくる。12歳の息子ジョシュがライルを発見、心を通わせていく。
/“ぼっち”同士だったライルとジョシュ、
友情が深くなるにつれジョシュがどんどん輝き出すライルはヘクターに去られてからずっと孤独な毎日を過ごし、ジョシュも新しい学校にうまくなじめず、ひとりだった。“ぼっち”という共通点を持つ彼ら。ライルと交流を深めるうちに、ジョシュはライルを真似ていろいろなことにチャレンジするように。めきめきと輝いていき自分を解放していくジョシュの姿は胸熱だ。
ライルは言葉をしゃべることこそできないが、その分、歌で気持ちを表現する。ドラマティックに盛り上がる音楽シーンは、ミュージカル映画ならでは。キュートなライルとジョシュたち家族の派手なパフォーマンスも楽しんで。
『シング・フォー・ミー、ライル』
公開中
www.sing-for-me-lyle.jp
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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