パリの街に映える色鮮やかなファッションがさらにパワーアップした「エミリー、パリへ行く」の最新シーズンをはじめ、オシャレなヒロインが魅力たっぷりの海外ドラマ4作をピックアップ。ファッションの楽しさ、そしてパワーを受け取って!
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シーズン3のファッションキーワードは「混沌」と「強さ」!
「エミリー、パリへ行く」2020年10月にシーズン1の配信がスタートするや世界中で大ヒット! リリー・コリンズ演じるエミリーがパリを舞台に、鮮やかなファッションを身にまとい、恋に仕事に友情にと奔走するドラマシリーズは、2020年Netflixで最も多く視聴されたコメディシリーズに。そんなみんな大好きエミリーの最新シリーズが、2022年12月21日より配信開始に。
もともとはシカゴ在住だったエミリー。自身の勤めるマーケティング会社がパリの大手ブランドマーケティング会社を買収したことで、意図せず憧れのパリに赴任することになる。新天地でSNS戦略をまかされることになったエミリーが、美しいパリの街並みを背景に、ドキドキわくわくな大冒険を繰り広げるエキサイティングな一作。シーズン2は、エミリーが想いを寄せる料理人のガブリエルが、エミリーの親友と元サヤに戻ってしまったり、信頼関係を築いた同僚たちが一斉に会社をやめてしまったり、混沌としたラストだった。その後の展開が大いに気になるところだけれど、やはり今回もファッションに注目したい。
本作でスタイリングを統括するのは、伝説の衣装デザイナーであるパトリシア・フィールド。「Sex And The City」をはじめ、多くの作品で衣装デザインを手掛け、名だたるファッションセレブから一目置かれる存在だ。
これまでのシーズンでは、ヴァレンティノやドルチェ&ガッバーナなどのハイブランドからアップカミングなデザイナー、さらにはザラなどのファストファッションを取り入れたハイ&ローのミックスコーディネートが印象的だった。シーズン2の配信直後には「ネットで買えるエミリーファッション」の検索が上位となるなど、一種の社会現象に!
気になるシーズン3では、冒頭で自暴自棄になったエミリーが自身の前髪をばっさり切ってしまうのだけれど、前髪ぱっつんのエミリーに似合うファッションへシフトしているのがポイント!
カラフルなモヘアニット×ブルーのミニ丈スカート×グリーンのニーハイブーツや、ゴールドのレザージャケット×フレンチシックなドット柄のタートルトップス、ビビットなオレンジベースのショート丈ジャケット×ハイウエストブラックパンツなど、相変わらず驚きと発見に溢れているエミリーのスタイル。前髪とのバランスもとれていて、キュートさにもさらなる磨きがかかっている。
仕事も恋も選択を迫られるエミリー。その混沌を吹き飛ばすかのように、ファッションには「個性」と「強さ」を感じるシーズン3。エミリーがパリを飛び出したり、新しいキャラクターの登場もあったり、ファッション同様、引き続きストーリーからも目が離せない!
「エミリー、パリへ行く」
Netflixシリーズ。シーズン1~3まで独占配信中。
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最強シングルマザーが魅せる60年代ニューヨークファッション
「マーベラス・ミセス・メイゼル」1960年代のニューヨークを舞台に、夫に捨てられたシングルマザーのミッジが、プロのコメディエンヌを目指し周りを巻き込みつつ奮闘するコメディシリーズ。
エミー賞ノミネート常連のこちらは、2022年にシーズン4の配信がスタート。離婚がタブーとされていた1960年代に、男性優位社会のお笑い業界で単身勝負に挑むバツイチのミッジ。周囲からの風当たりはもちろん強いのだけれど、それらすべてを笑いに変えていくミッジはスーパーウーマンそのもの。「コメディの道で食べていく」と決意してからは、批判のすべてを「おいしい」と感じるように。
そんな最強シングルマザーのミッジを演じるのは、レイチェル・ブロズナハン。本作でのミッジ役でエミー賞主演女優賞を受賞。気品溢れる元セレブ妻でありながら、トークで周囲の笑いをとるコメディエンヌ。おそらく史上初な、ユニークなキャラクターを好演する。
そんなレイチェル演じるミッジはとびきりのファッショニスタ。離婚しても、お金がなくてもファッションにかけるお金は絶対に削らない。タイトなワンピースにバランスを考えて取り入れるハット、グローブだって欠かさないし、ヘアメイクも常に万全。60年代の上品さの中に冒険も取り入れるなど、令和な今でもマネしたいアイデアが満載! シーズン毎に変化するミッジのファッション7変化をぜひ全シーズン通じて楽しんでほしい。特に、シーズン2のサマーバケーションバージョンは必見だ。
オシャレな彼女を、誰も「かわいそうなシングルマザー」とは思わない。これはミッジの作戦でもある。もしミッジが貧相なシングルマザーだったら、ステージに立った時に観客は笑うどころか同情してしまう。ミッジの見た目が完璧だからこそ、そのギャップに人は笑うのだ。ミッジの完璧なブランディングには脱帽しかない。
どんなみじめな状況になっても自分で自分をみじめにしない。ファッションでエンパワーメントする。そんな心意気さえ感じる作品だ。
「マーベラス・ミセス・メイゼル」
Prime Videoオリジナルシリーズ。シーズン1~4まで独占配信中。
(c)Amazon Studios
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サイコパスな殺人鬼はとびきり美人なファッションマニア
「キリング・イヴ」スパイになりたい冴えないMI5保安局員とブランド嗜好なサイコパス殺人鬼が繰り広げる、イギリスが舞台のスパイドラマ。イギリスのスリラー小説「ヴィラネル」が原作で、ドラマ「フリーバッグ」の脚本・監督・主演で有名なフィービー・ウォラー=ブリッジがシーズン1でクリエイターを務めたことでも話題に。
サイコパスな殺人鬼をスパイが追いかけるという伝統的なスパイドラマの構図を踏襲しながらも、予期せぬ変化球も多い本作。殺人鬼、スパイ、捜査官すべてが女性で構成されていたり、泣く子も黙る殺人鬼は実はファッションが大好きで目立つ服装をしては捜査官とのギリギリの攻防戦を楽しんだり、追う者・追われる者の関係でありながら愛と憎しみが表裏一体だったり、一筋縄ではいかないプロットが多く存在する巧妙なストーリーが見どころだ。
スパイのイヴ役を演じるサンドラ・オーはゴールデン・グローブ賞主演女優賞を、殺人鬼のヴィラネル役を演じるジョディ・カマーはエミー賞主演女優賞を獲得。ダブル主演の俳優2人が海外ドラマの祭典で評価される、実力派揃いなところも魅力。
さらに注目すべきは、ファッションマニアなヴィラネルのセンス。ピンクのチュールドレスに黒ブーツやフラワー柄のパフワンピース、ミニ丈の赤のシャツワンピースやブルーのシースルートップスなど、ハイブランドなカラフルコーディネートの連続。ロンドンの観光名所をバックにした彼女の華やかなスタイリングだけでもこの作品を見る価値がある。無感情な心の隙間を埋めるかのようにファッションにエネルギーをつぎ込むヴィラネルの姿は少し切なくもあるもあるのだけれど。
一方のイヴは目立たない格好を好み、洋服は黒ばかり。冴えない地味な女性捜査官だからこそ、対照的なイヴとの対面シーンは印象的。結局イヴは最後までそのスタイルを崩さないのだけれど、真逆な性格の2人は、立場をこえ次第に互いの存在が気になるように。果たして味方なのか、敵なのか。グレーな関係性もまた、スパイドラマの新たな一面として引き込まれる。ファッショニスタな殺人鬼ヴィラネルとイブの行方に注目。
「キリング・イヴ」
シーズン1~3まで、U-NEXTで配信中(シーズン3は独占配信)。
© Sid Gentle Films
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アメリカの女子大生の”今”を切り取るイマドキドラマ
「グロウニッシュ」大学に進学し、大人への道を意気揚々と進み始めるゾーイの成長を描くスクールドラマ。ゾーイの毎日を通じ、イマドキ大学生のリアルライフや大学の経営陣が直面する現実的な問題にも迫る。エミー賞ノミネート常連のコメディドラマ「ブラッキッシュ」を手掛けるケニア・バニスがプロデューサーを務める。
父親からの「(いなくて)寂しいよ」の電話を受けるところからスタートするゾーイの大学生活。選択する授業で困ったり、パーティーでアルコールトラブルに巻き込まれたり、イマドキのアメリカ大学生のリアルライフが詰め込まれた一作。
ゾーイや友人たちのリアルなカレッジファッションにも注目して。彼らは流行に左右されず、ブランドネームにも左右されず、自由に、自分たちが着たい服を好きにスタイリングする。チューブトップ&ジージャンや、パーカー&ミニスカートにニーハイブーツなどのY2Kファッションから、柄トレーナーにデニムサロペットといったストリートファッションまで、彼らのスタイリングからはみなぎるパワーしか感じない。見ている私たちまで、まるでなんでもできるような気さえしてくる。
シーズン1の8話には、ゾーイが『VOGUE』のインターンシップに選ばれ編集部で働くシーンも。ファッションのプロに囲まれながらも全く見劣りしないゾーイのセンスに脱帽だ。
SNSトラブルに、校内での麻薬騒動。友情に恋愛、アルバイトなど、大学生活にはその時にしか体験できないさまざまなドラマがある。ゾーイを通して、令和の女子大生ライフを堪能できるのも魅力の一つ。
”大学生に戻れるならどんなファッションに挑もうか”。本作をみて、もしそう思うならぜひ今すぐ実践してみて。ファッションへのチャレンジはいつからだって遅くない。彼女たちのファッションが少し気おくれする気持ちをきっと後押ししてくれる。
「グロウニッシュ」
ディズニープラスでシーズン1~5まで独占配信中。
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