街を歩けばクリスマスソングが聞こえてくる今の季節は、配信サービスからも多くの新作クリスマスタイトルがラインナップする時期。” ザ・クリスマス “ な作品から、クリスマス嫌いな女の子が繰り広げる恋愛ドラマまで、おすすめな作品をピックアップ。この時期だけの胸の高鳴りを堪能して!
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ホリデーシーズンのイタリアが最高。さまざまな ”結婚観” を描く恋愛ドラマ
「イル・ナターレ: クリスマスなんて大嫌い」イタリア発のクリスマスドラマがこの冬、Netflixに登場。30歳で仕事一筋な看護師・ジャンナは独身、彼氏ナシ、ルームメイトあり。長年の彼氏と別れてからの数年間、恋愛市場からはご無沙汰だ。
自分の生き方に満足するジャンナだけれど、家族はそんなジャンナを許してくれない。実家に戻るたびに「独り者のくせに」と罵られ、挙句には双子の姪っ子(赤ちゃん)の間に座席を用意される始末。耐えかねたジャンナは「今年のクリスマスには彼氏を連れてくる」と宣言。あてなんてもちろんないから、すぐさま彼氏探しに奔走。久しぶりに恋愛最前線にたったジャンナには、トラブルしか待ち受けていなかった。
仕事で信頼され、温かな友人と、元気な家族に囲まれ、それだけで十分に幸せなのに、その上で彼氏って必要なの!? 私たちはその疑問に対する答えを、ジャンナと一緒に追及することになる。
出会う男はしょうもない男ばかり。マザコンモラハラ男に、人の話を聞かないナルシスト男、高所恐怖症だというのに無理やり飛行機に乗せようとする自己陶酔型男など、こんな男と過ごすぐらいなら一人のほうがまし。そんな中で、ジャンナはどんな結論を出すのか。親友ティティや病院の年配患者、自身の両親や結婚して子どももいる姉の存在がジャンナの価値観に大きな影響を与えていく。さまざまなシチュエーションにある男女がそれぞれの結婚観を語るのも本作の見どころの一つだ。
クリスマス気分を最高に盛り上げてくれる美しきイタリアのクリスマスシーンも見逃せない。船の上から眺めるホリデーシーズンのヴェネツィアは圧巻の一言。リモート海外旅行気分を味わいながら、自身の「結婚観」を見つめてみて。
「イル・ナターレ: クリスマスなんて大嫌い」
Netflixオリジナルシリーズ。独占配信中。
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ホリデーシーズンを彩るアップテンポな音楽も最高! 新しいクリスマスムービー
「クリスマス・ウィズ・ユー」大都市ニューヨークの浮き足たつクリスマスシーンから、住宅街の温かでトラディショナルなクリスマスシーンまでを堪能できる、今年の新作クリスマス映画。ここにアップテンポな音楽が加わるのだから、クリスマス好きにはたまらない。
アメリカを代表する歌姫のアンジェリーナは最近少し落ち目。最後の砦にと大物プロデューサーからクリスマスがテーマの新曲作りを打診されるものの全く気が乗らないでいる。そんな中、自身の大ファンである女の子をSNSで発見。曲作りから逃げるかのようにその子に会いに行くことに。
アンジェリーナが突撃訪問したのは15歳の女の子・クリスティーナ。音楽教師のお父さん・ミゲルと、お料理上手なおばあちゃんの3人暮らしだ。雪でニューヨークに戻れなくなったアンジェリーナは、この家族としばらく生活をともにすることになる。
プロデューサーからも世間からも「自分は時代遅れだ」といわれているようで、すべてから逃げ出したかったアンジェリーナ。しかしこの家族と時間をともにすることで、音楽をどれほど愛しているか、また音楽にどれほどのパワーをつぎ込んできたのかを想いだしていく。自身に新たな気づきを与えてくれたのは、意外にもクリスティーナの父、ミゲルだった。なんと彼と新曲を共同制作することに。
2人が新曲を披露するシーンはこの映画で最も盛り上がる場面の一つ。アンジェリーナの歌声はパワフルで優しくて、重みを感じる。若いころからこの道一本で貫いてきた覚悟が伝わってくる。そこにミゲルのハーモニーが加わると、さらに温かなものになるから不思議。強い絆が生み出すクリスマスミュージックに、身震いするほど!
見ているうちにすっかり実在しないポップスター・アンジェリーナの大ファンになり、作中ではじまる彼女の恋を応援したくなるのだけれど、スターと一般人の恋愛は簡単にはいかない。結末はぜひ本編で。
アンジェリーナとミゲルが生み出す音楽&クリスマスムードたっぷりな街並みのコラボで、クリスマス気分を盛り上げてくれる一作。温かいココアと一緒に楽しみたい。
『クリスマス・ウィズ・ユー』
Netflix映画。独占配信中。
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“サンタがもし実在したら” をテーマに描くファンタジードラマ
「サンタクローズ ザ・シリーズ」ディズニープラスがこの冬、贈るのは、1994年のヒット映画『サンタクローズ』の続きを描く新ドラマシリーズ。原作でサンタを演じたティム・アレンが続投するのもファンにはたまらない!
映画ではひょんなことから新しいサンタクロースに任命されたスコットの葛藤や冒険が描かれるけれど、ドラマでは妻をつれて南極に移り住み、28年間妖精たちとともにサンタクロースとして世界中に夢とプレゼントを届けてきたスコットのサンタ引退ストーリーが映し出される。
スコットは、サンタとしての魔法の効力が弱まってきたり、ともに暮らす家族が人間として普通の暮らしを望むことから、新任サンタを探すことに。サンタの面接なんてみんなはじめてなものだから、誰を候補者に選ぶのか、どこを重要視するべきか、わからないまま新任サンタを選んでしまう!果たして、新サンタワールドはうまく機能するのか !?
「サンタが実際に存在したら?」をテーマに、徹底的な絵作りで私たちをファンタジーの世界へいざなってくれる本作。それは「南極では一年中サンタと妖精たちがクリスマスにむけて準備をしているのではいか」などとつい夢見てしまうほど。妖精の中のヒエラルキーやクリスマスにむけた分業システムなど、作りこまれた世界観は子どもも大人も楽しめるはず。
一方で28年間もサンタクロースを立派につとめたスコットと妻、子どもたちがシカゴに戻ったあとの日常もユニークなので要チェック。コーヒーに非現実なトッピングをしまくったり、街であう見知らぬ子どもに「そのおもちゃ、気に入ってくれた?」と気軽に声をかけてしまったり、サンタの習性が抜けない。果たしてスコットは人間世界に順応できるのか。
もしかしたら今年のイブはサンタからプレゼントが届くかも。そんな気持ちにさせてくれる幸せドラマシリーズ。ぜひイブに向けてチェックしてみて。
「サンタクローズ ザ・シリーズ」
ディズニープラスでシーズン1を独占配信中。
© 2022 Disney
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大人の男女の恋のはじまりをリアルに描く、クリスマスラブロマンス
『ノエルの日記』最後は、Netflixから今年配信されたクリスマス作品をご紹介。大人気小説家ジェイクと若きジャーナリスト志望のレイチェルによるロードトリップムービーだ。
家族と溝がある小説家ジェイクは、母の死をうけて実家で遺品整理を行うことに。そこへ「生みの母親を探している」と話す一人の女性、レイチェルが現れる。レイチェルの生みの母は昔、ジェイクの家庭でベビーシッターをしていたそうで、2人はともに、レイチェルの実の母を探すロードトリップに出ることに。
家族を信じず、愛を信じず、淡々と歳を重ねてきたジェイクが、無邪気でまっすぐなレイチェルに惹かれていくのに時間はかからない。その逆もしかりで、レイチェルもいつも寂しげなジェイクに自然と惹かれていく。その様子はとてもリアルで、まるで恋が始まる瞬間を隣で目撃しているよう。そのもどかしさにドキドキする。一方で、レイチェルには婚約者がいて、その恋の障壁もまた切なくて……。
イケメン小説家のジェイクを演じるのは、「THIS IS US」などに出演する俳優ジャスティン・ハートリー。完璧な容姿の裏に隠れた寂しさや孤独の表現方法が巧みで、婚約者がいる女性に気持ちを寄せる苦しさが画面を通じて痛いほど伝わってくる。また父親との関係を解決できず、葛藤する様子も切実。レイチェルとの道中で父に再会し、乗り越えていこうと奮闘するシーンは特に胸が打たれる。彼を応援せずにいられなくなるのだ。
大人の男女のリアルな恋愛のはじまりがクリスマスの幻想的な雰囲気とあいまって、胸が高鳴る一作。恋愛映画で心を温かくしたいなら本作で決まり!
『ノエルの日記』
Netflix映画。独占配信中。