将来に漠然とした不安を感じたり、予期せぬピンチに巻き込まれたり。「なんだかうまくいってない」って時こそ、大切なのは自分を信じること。自分らしく前に進む新作映画の主人公たちから、パワーをもらって。
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(C) 2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
『セイント・フランシス』
34歳の夏、ベビーシッターの経験をするブリジットの変化に迫った映画『セイント・フランシス』。自分に足りないものばかりに目を向け冴えない日々を送っていた彼女が、6歳の少女とその家族と向き合うことで傷つきながらも、ありのままの自分を認められるようになっていく。つい周りと比べてしまう私たちを包んでくれるような、温かい1作だ。
レストランの給仕として働くブリジット。一生懸命生きているつもりだが、34歳で独身、大学も1年で中退という経歴にコンプレックスを感じていた。夏の間、レズビアンカップルの子ども・フランシスの子守りの仕事を得たブリジット。最初はコミュニケーションに苦戦するものの、やがてフランシスたちとの日々が、ブリジットの心に新しい風を吹き込んでいく。
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/ブリジットを演じたケリー・オサリヴァンが脚本も担当
アラサー女性のリアルな描き方が秀逸ブリジットを演じたケリー・オサリヴァンは、本作の脚本も執筆し脚本デビューを飾った。物語では、適齢期のブリジットが感じる周囲からの無言のプレッシャーや、年下男性とのカジュアルな関係、さらには生理や妊娠、中絶といった、アラサー女性が直面する容赦ない現実に踏み込んでいる。しかし、それらをことさら大げさでドラマティックに見せるのではなく、日常の問題として落とし込んだケリーの手腕が光った。ユーモアと刺激、胸のすく思いまで絶妙に入り混じった同作は、観終わった後の足取りを軽くしてくれるはず。
『セイント・フランシス』
公開中
www.hark3.com/frances/
配給:ハーク
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© 2021 Bird of Paradise. All Rights Reserved
『Zola ゾラ』(R18+)
気鋭のスタジオA24がおくる映画『Zola ゾラ』は、2015年にTwitterにポストされるや爆発的に拡散したリアルな148の投稿を基にした作品。「このビッチとなぜ仲違いしたのか、その話を聞きたい?」というツイートから始まり、のちに「The Story」と呼ばれるようになったこの物語は、ダンスで手っ取り早くお金を稼ごうとした女性ふたりの急転直下な48時間が描かれる。
ウェイトレス兼ストリッパーのゾラ。レストランで働いていたところ、客としてやってきたステファニと「ダンスができる」という共通点から意気投合、連絡先を交換する。翌日、ステファニから「ダンスで大金を稼げるからフロリダに旅行しよう」と誘われ、困惑しつつも行くことに。乗り込んだ車にはステファニの“仲間”Xと彼氏のデレクもいて、ゾラは胸騒ぎを覚えるが……。
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/ゴージャスなスタイル&キラキラなファッションに反比例、
ストーリーはダーク一直線!?ゾラ&ステファニを演じたダッシー・メイとライリー・キーオのゴージャスなスタイルと美貌、キラキラなファッションに目を奪われながらも、それらと反比例するかのようにストーリーはどんどん闇深く、底なし沼のようなダークサイドへと向かっていく。
誘いに軽く乗ってしまった自分を恨みながらも、ゾラは決して“仲間”や客に搾取されることなく、冷静に、気丈にスリリングな事態を乗り切っていく。「本当にこんなことがあるの!?」と目を丸くしつつ手に汗握る展開、ゾラの48時間を見届けて!
『Zola ゾラ』(R18+)
公開中
https://transformer.co.jp/m/zola/
配給:トランスフォーマー
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© 2021 Swan Song Film LLC
『スワンソング』
かつてヘアメイクドレッサーとして名を馳せた主人公パットが、元顧客から死化粧の依頼を受け逡巡する『スワンソング』。タイトルの『スワンソング』とは「アートに身を捧げた者が人生最後に残した作品」の意味。破天荒だが華麗な“イケオジ”パットが自分がたどってきた道を振り返りながら、どう有終の美を飾るかを見届ける物語となっている。
ヘアメイクの現役生活をはるか昔に退いたパットは、オハイオ州の老人ホームで余生を送っていた。ある日かつての顧客で大金持ちのリタが亡くなり、「死化粧はパットに」という遺言が届いたパットは動揺する。客であり親友と思っていたリタだが、あることをきっかけに長年疎遠になっていたからだ。葬儀を前に、パットが取った行動とは……。
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© 2021 Swan Song Film LLC
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/人生の終盤に胸に去来するものは何なのかーー
情熱を燃やした仕事、亡き恋人を思う主人公の姿に感動実在の人物をモデルにした本作。トッド・スティーブンス監督は、17歳のときに目にしたゲイクラブで踊るパットの姿に衝撃を受けたという。「いつか彼を題材に映画を」という夢を実現させた。
リタからの依頼を機に、パットは忘れていた仕事への情熱を蘇らせ、さらにはツラさから感情に蓋をしていた亡きパートナーについても思いを馳せていく。お金もなく、頼れる人もいなくなったパットだが、決して自分を卑下することなく輝きを取り戻そうと突き進む。人生の終盤に胸に去来するものとは何なのか、パットの姿に胸が熱くなる。
『スワンソング』
公開中
swansong-movie.jp
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
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