男同士の友情と青春や、一筋縄ではいかない濃厚なラブストーリー、NYの地下に暮らす母娘の絆など、多様な愛のかたちを描いた新作映画3作品をピックアップ。心に刺さる深い愛を、映画から受け取って。
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『プアン/友だちと呼ばせて』
余命宣告を受けた主人公が親友とともに思い出をめぐり、旅の最後に予想外の秘密を打ち明ける『プアン/友だちと呼ばせて』。『バッド·ジーニアス 危険な天才たち』で世界をあっと言わせたナタウット·プーンピリヤが監督し、巨匠ウォン·カーウァイが製作総指揮を務めた。
NYでバーを経営するボスのもとに、タイで暮らすウードから数年ぶりに電話がくる。白血病で余命宣告を受けたので最期の頼みを聞いてほしいというウードのため、ボスはタイに戻り、ウードの元恋人たちを訪ねる旅の運転手に。心残りの数々に決着をつけたウード。最後の日、ウードがボスの過去も未来も書き換えるある秘密を語り出す。
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/元カノたちとの再会――終わりの始まりの先にあるものとは、
友情と愛情の狭間で揺れる男心ウードを演じたアイス·ナッタラットは、役作りで17キロもの減量を敢行。実際に余命宣告をされた人たちのグループセラピーに通ったり、レストランでバイトをしたりと役を自身にしみ込ませた。
ウードがボスの力を借りて行った元カノたちとの再会――終わりの始まりは物哀しい行為だ。けじめをつけ終わると、ウードはスマホの電話帳から連絡先をひとつずつデリートしていく。最後にスマホに残ったボスに、ウードが切り出した衝撃の内容はガールにはどう映るだろう。友情と愛情の狭間で揺れる男心を感じて。
『プアン/友だちと呼ばせて』
公開中
https://gaga.ne.jp/puan/
配給:ギャガ
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(C)2021 Inforg-M&M Film – Komplizen Film – Palosanto Films – Pyramide Productions - RAI Cinema - ARTE France Cinéma – WDR/Arte
『ストーリー·オブ·マイ·ワイフ』
『アデル、ブルーは熱い色』や『007』シリーズのボンドガールとして脚光を浴びたレア·セドゥーが主演を務めた大人のラブストーリー『ストーリー·オブ·マイ·ワイフ』。交際0日、結婚から始まった男女。男側が愛と嫉妬に翻弄されていく姿を、7つの章立て形式で見せていく。
1920年、マルタ共和国。船長のヤコブは、カフェに最初に入ってきた女性と結婚すると友人に宣言。そこに美しいリジー(レア)が入ってくると、ヤコブは彼女に一目惚れし初対面にも関わらず結婚を申し込む。意外にもうまくいった2人は幸せな時間を過ごすが、それも束の間、リジーの友人デダンの登場によりヤコブは嫉妬心に苛まれていく。
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/愛なのか、執着なのか、翻弄される男の想い
レア·セドゥーのコケティッシュな魅力が全開リジーにどんどんのめり込み、彼女と離れたくないがために船長をやめ、陸での仕事を探し出すという暴走を始めるヤコブ。それほどまでに懸ける想いは愛なのか、はたまた執着なのか……。
リジーを演じたレアの少女性と妖艶さが入り混じった、何とも言えないコケティッシュな魅力が出色。翻弄されるヤコブのようにヤキモキしてしまうし、微妙なバランスで成り立っていた夫婦の関係性が少しずつ崩れていくさまは息を飲む。180分、たっぷりと浸って。
『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』
8月12日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国公開
https://mywife.ayapro.ne.jp/
配給: 彩プロ PG-12
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『きっと地上には満天の星』
第77回ヴェネチア国際映画祭で絶賛され、第27回SXSW映画祭審査員特別賞受賞などを受賞した『きっと地上には満天の星』は、NYのホームレス母娘の物語。監督·脚本は、ローガン·ジョージ&セリーヌ·ヘルド。セリーヌは出演も務め、本作が2人の記念すべき長編デビューとなった。
NYの地下鉄のさらに下に広がる廃トンネルで、母ニッキーと5歳の娘リトルはギリギリの生活を送っていた。不法居住者を排除する動きが活発になり住処を追われたニッキーは、リトルを連れ地上へ逃げ出す。初めて外の世界を体験するリトルは、明るすぎる地下鉄のホーム、雑踏でひしめき合う人たちを恐れ、「家に帰りたい」と訴えるのだが……。
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/貧しくも仲睦まじい母娘がお互いを想い合う気持ち、
愛ゆえに取る行動のゆくえとは……映画の前半は娘リトルの視点、後半は母ニッキーの視点で物語は進んでいく。地上に出たことがなく、星を見たこともなかったリトルの、都会の喧騒の中で不安そうに夜空を見上げる瞳が印象的だ。
貧しくも仲睦まじい母娘がお互いを想い合う気持ちは、後半、ある事件により驚きの結末に向かってしまう。胸が締め付けられるほどの想い、愛ゆえに取る行動の儚さとは。母娘に希望の星が降り注がんことを、願わずにはいられない。
『きっと地上には満天の星』
公開中
littles-wings.com
配給:フルモテルモ オープンセサミ
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