2016年にシーズン1の配信が開始して以来、全世界で大ヒットを記録し、社会現象とも言えるムーブメントを巻き起こしたNetflixのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」。最新のシーズン4は二部作で、一部となるVol.1がついに5月27日より配信がスタートした。あまりにも壮大なこれまでのストーリーをおさらいしつつ、「シリーズ史上最も怖い!」と早くも話題なシーズン4の見どころを8つのキーワードで解説。
※本記事には、一部ネタバレを含みます
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1. 65超のアワードを受賞!
「最もツイートされたストリーミングドラマ」記録も樹立高校生になったエル(写真中央)とウィル(写真右から2番目)、マイク(写真右)2016年のシーズン1配信開始以来、全世界で社会現象を巻き起こしている「ストレンジャー・シングス」。2017年にシーズン2が配信されると「最もツイートされたストリーミングドラマ」の記録を更新し「世界で最もGoogle検索されたTV番組」にも輝いた。また、全米批評家サイト「Rotten Tomatoes」では当時95%の高評価を獲得。2017年の第69回エミー賞では18部門にノミネートされ5部門で受賞、全米俳優組合賞(SAG)ではドラマ部門のアンサンブル演技賞、MTV ムービー& TV アワードではテレビ部門の最優秀作品賞を受賞するなど、これまでに、エンターテインメント界を代表する数々の栄誉ある賞の175部門にノミネートされ、 65 超で受賞に輝いている。さらにParrot社の調査で、最も需要のあるデジタルオリジナルTVシリーズと評価され、ギネスにも登録された。
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ダスティン(写真右)やマックス(右から2番目)などおなじみメンバーも登場。
シーズン4がこれまでの記録を塗り替えるのか、今年の賞レースをどう盛り上げてくれるのか、早くも注目が集まっている。
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2. 80年代名作映画をオマージュ。
シーズン4は「エルム街の悪夢」がインスピレーションホーキンスの町を自転車で走り出すシーンは名作『E.T.』を彷彿させる。平穏な田舎町で立て続けに巻き起こる不可解な事件、モンスターが封じ込められる「裏側の世界」、恐怖に立ち向かい仲間を助け出す子供たち。見どころを語るときりのない「ストレンジャー・シングス」でも特に外せないのが、1980年代を賑わせた名作映画へのオマージュだ。
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シーズン2のハロウィーンで、『ゴースト・バスターズ』の仮装をした子どもたち。
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シーズン4で起きる事件の数々は『エルム街の悪夢』にインスピレーションを受けたもの。
/友情、冒険、悪との対峙などのシーンは、スティーブン・スピルバーグ監督の『E.T.』やスティーブン・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』、『グーニーズ』や『シャイニング』、『ゴースト・バスターズ』など80年代名作の数々がインスピレーションとなっている。
シーズン4では、80年代のスラッシャー映画『エルム街の悪夢』へのオマージュも。今作から新たに登場するモンスターは、『エルム街の悪夢』の猟奇的殺人鬼フレディ・クルーガーを思わせる超能力をもった連続殺人鬼。実は、映画内でクルーガーを演じたロバート・イングランドも、シーズン4から新たなキャラで出演している。
制作総指揮のマット・ダファー自身も、「シーズン4は『エルム街の悪夢』風ホラーだ」と語るなど、ホラー要素が大幅にアップデートされている。
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3. 一気にスターダムに駆け上がった子どもたちが、
大物俳優として再集結!シーズン1で坊主頭で登場したエル。ミリー・ボビー・ブラウンは当時12歳だった。超能力が使える謎の少女「イレブン(通称:エル)」を演じるミリー・ボビー・ブラウンをはじめ、シーズン1で失踪した少年ウィル(ノア・シュナップ)、グループのリーダー的存在で、後にエルと恋に落ちるマイク(フィン・ヴォルフハルト)、好奇心旺盛なお調子者のダスティン(ゲイテン・マタラッツォ)、いつも冷静な現実主義者のルーカス(ケイレブ・マクラフリン)、シーズン2からは強気な転校生マックス(セイディー・シンク)も加わり、彼らの友情や冒険がストーリーの中心になっていった。
当時無名だった子役たちも、この作品を中心に一気にスター俳優の仲間入り。18歳になったミリーは、Netflix映画『エノーラ・ホームズの事件簿』で主演兼プロデューサーとして名を連ねるほか、自身のコスメブランド「florence by mills」を立ち上げたり、史上最年少でユニセフの親善大使に任命されたりとマルチに活躍。
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無邪気な笑顔が印象深いシーズン1出演時の子どもたち。
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左からマイク、ルーカス、ダスティン。それぞれシーズン4で成長した姿を見せる。
/フィンは映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』とその続編への出演が記憶に新しく、ゲイテンは2019年からNetflixのドッキリ番組「プランク・エンカウンターズ -恐怖のドッキリ-」では司会&プロデューサーを兼任している。
ノアは『エイブのキッチンストーリー』や『アーニャは、きっと来る』に主演し、ケイレブはスティーヴン・ソダーバーグ監督のNetflix映画『ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-』をはじめ数々の名作に出演。セイディーは、Netflixホラーシリーズ3部作の2作目『フィアー・ストリート Part 2: 1978』と3作目に出演を果たす。
今や大物俳優になった彼らが最新シーズンで再び集結。シーズン1とはまた違う化学反応を見せてくれる。
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4. シーズン4はシリーズ最強!?
歴代モンスターをプレイバック!シーズン4で登場するヴェクナ。身の毛もよだつほど恐ろしい。「ストレンジャー・シングス」といえば、モンスターも見どころの一つ。 シーズン1から最新シーズンまで、さまざまな特徴をもつモンスターたちが主人公たちを追い詰め、そして私たち視聴者を震え上がらせてくれる。花びらのような顔で人を喰い殺してしまうデモゴルゴンや、蜘蛛のように何本もの足をもつマインド・フレイヤーなど、その破壊力には毎度驚かされるばかり。
そしてシーズン4で新たに登場するモンスターが、制作総指揮のダファー・ブラザーズが「今までのシーズンで一番怖い」と言う”ヴェクナ”。人間のような形状なのだけれど、目にもとまらぬスピードで近づいてきて、ターゲットにする相手の血液を瞬時に抜き取り亡き者にしてしまう。身の毛もよだつとはこのことで、これまでのシーズンにはなかった、言い知れぬ恐怖と気味の悪さを感じるはず。
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怪奇現象のインパクトも最上級。
ヴェクナのキャラクターデザインでは、生々しい実質的な要素と、VFXを使った視覚的な要素の融合を目指したそう。シーズンが進むごとにモンスターの動作がよりリアルに。もはやホラー作品といっても過言ではないシーズン4は、これからはじまる夏にぴったりな一作だ。
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5. 舞台が3か所へとスケールアップ。
離れ離れな仲間たちが再びつながる瞬間に注目!カリフォルニアのスケートリンクで束の間のデートを楽しむマイクとエル。これまでは、アメリカのインディアナ州にある小さな田舎町ホーキンスを中心にストーリーが展開されてきたが、シーズン4では、ホーキンス、ロシア、カリフォルニアと3拠点に拡大。シーズン3で起きた衝撃の事件をきっかけにカリフォルニアに引っ越したエルとウィル、ホーキンスに残ったマイクとダスティン、そしてルーカスとマックス。そしてロシアで新たなストーリーが幕を明ける。
3つのロケーションで、それぞれ核となる色調が異なることにも注目。太陽の光がさんさんと降り注ぐカリフォルニアでは主にパステルトーンで明るく軽やかな色調、ホーキンスではよりリッチで彩度は高め、一方ロシアではダークで冷たい色調が使われている。
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ロシアの色調は薄暗くダークなイメージが使われる。
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ホーキンスでは怪事件の数々で不穏な空気が流れる……。
/ストーリーもそれぞれ別進行。カリフォルニアではエルが同級生たちから陰湿ないじめにあい、ホーキンスでは新たなモンスターの出現し町は騒然となり、そしてロシアでは驚きの真実が明らかになっていく。
異なる3つのストーリーラインが走りながら、展開が進むにつれ一つに集約されていく。物理的にも心理的にも離れた場所にいる仲間たちがつながっていくシーンは、今シーズンで最も見ごたえのある瞬間の一つだ。
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6. ホラーだけじゃない!
コメディや青春ドラマ要素もしっかりスタンバイお調子ものだけれどムードメーカーで場を和ませるダスティン(写真中央)シーズン4はホラー要素がアップデートされ、恐怖がシリーズ史上最恐と伝えてきたけれど、この作品が「ホラー一色」に染まらない理由は、「ストレンジャー・シングス」ファンならきっと知っているはず。
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ウィノナ・ライダー演じるパワフルママのウィルの母、ジョイス。
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シリアスなシーンの中に飛び込んでくるコメディ要素はクセになる。
/お調子者のダスティンのジョークや、ウィノナ・ライダー演じるウィルの母親ジョイスの前向きさなど、本作にはストーリーの至るところに”くすっ”と笑える要素がスタンバイ。さらに最新シーズンでは、高校生になった仲間たちの青春も描かれる。遠距離恋愛をしたり、友人関係が変化したり、スクールカーストに悩んだり。”裏側の世界”以外の悩みは小さいけれど大きくて、ドラマをより温かなものへと押し上げる。
震えが止まらない恐怖に包まれつつも、テンポよく見られるのは、アドベンチャー、SF、ホラー、ヒューマン、コメディなどの要素がバランスよく構成されているから。懐かしいけれど新しい。唯一無二だと改めて感じさせられる。
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7. 1話あたりの制作費は約38億円、
最終話は2時間超えの超大作!裏側の世界の謎に対峙する仲間たち。これまでのシーズンでは、そのほとんどが1話60分以内で展開されていたけれど、シーズン4ではすべてのエピソードが1時間以上。エピソード7に至っては1時間30分以上、7月1日より配信されるエピソード9、つまりシーズン4の最終話は驚くことに2時間30分を超えることがNetflixの発表で明らかに。
2時間30分といえば、もはや一作の長編映画。それをドラマの最終話でお届けするのだから、どんな構成でどういった結末になるのか、今から7月の配信が待ちきれない。
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想像を絶するスケールで製作されたことは間違いない。
シーズン4の制作費は、米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると1話あたり約38億円との報道もあり、これまた驚きの事実。シーズン3は各話10億円前後だったことから約4倍増に。制作費の高さが記憶に新しい「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章でさえ、1話あたり約18億と言われているので、「ストレンジャー・シングス」最新シーズンがどれほどスケールアップしたのか想像に難くない。
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8. ヘアメイクやファッション、シュシュにいたるまで細かに演出。
美術チームの強いこだわり80年代ファッションとヘアメイクに注目。80年代のアメリカが舞台の「ストレンジャー・シングス」。ネオンがまぶしいスケートリンクやビビットカラーのファッションを楽しむ女子高生たちといった、当時の最先端が随所で見れるのも本作の見どころのひとつ。80年代に流行したすべてを再現するだけでなく、美術チームによる「ストレンジャー・シングス」らしさもポイントだ。
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ヘルファイア・クラブの部長エディ(写真中央)はシーズン4で初登場。
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転校先の高校で自作のジオラマを発表するエル。その靴箱に注目。
/ダスティンとマイクが入部する「ヘルファイア・クラブ」のTシャツには、サイコロや炎の剣、ゴブリンの顔など、当時流行したゲーム「ダンジョンズ&ドラゴン」を参考にした図柄がそろっている。これは高校生の1人が手描きでデザインし、クラブでお金を出し合ってT シャツにしたというイメージの演出とのこと。
シーズン4第1話で、授業で発表するためにエルが作ったジオラマは、リーボックの靴箱でできている。これは、ウィルの母・ジョイスがいつもリーボックを履いていることにちなんだ楽しい演出だったりする。
80年代に流行したシュシュへのこだわりも強く、作品で使用されるすべてのシュシュは、ほかの衣装と完璧に合うように衣装チームがすべて手作り。細部にこだわったこれら美術セットの数々は、きっと作品をはじめて視聴するGIRLをすぐに魅了するはずだ。
Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
シーズン4Vol.1は5月27日より配信中
シーズン4Vol.2は7月1日より配信予定
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