ベストセラー作品や人気作詞家の処女作など、話題の小説を題材した新作映画に注目。原作ファンならずとも必見の実力作をチェックして!
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© 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
『82年生まれ、キム・ジヨン』
韓国で130万部を突破したベストセラー小説を映画化した『82年生まれ、キム・ジヨン』は、心に虚無感を抱えている現代女性の姿を描いた一作。主演のチョン・ユミとコン・ユは、『トガニ 幼き瞳の告発』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』に継ぐ3度目の共演にして、初の夫婦役となり、ゴールデンコンビの存在感を発揮した。
結婚・出産を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨンは、ときに狭いマンションの一室に閉じ込められている感覚に陥ることがあった。時々、他人が乗り移ったような言動をとるジヨンだが、本人の記憶にはない。夫は心配し、ひとり精神科医に相談に行くのだが…。
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/妻であり、母であり、嫁であり、女であるジヨンは、人生のステージが変わるたびに、少しずつ心を蝕んでいた。「これくらい、私が気にしなければ」と思えるような小さな歪みは、誰にでも覚えがあること。『キム・ジヨン』の物語は、いつしか自分の経験に置き換えられ、映画が独自の生命体として燦然と輝く。
『82年生まれ、キム・ジヨン』
2020年10月9日(金)より全国公開中
http://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/
配給:クロックワークス
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©2020「朝が来る」Film Partners
『朝が来る』
ベストセラー作家・辻村深月によるヒューマンミステリー『朝が来る』を、東京2020オリンピック競技大会の公式監督に就任した河瀨直美が映画化。子どもを産めず、特別養子縁組で迎え入れる夫婦と、子どもを産むが育てられない少女が織りなす物語。夫婦役の永作博美と井浦新、産みの親を演じた蒔田彩珠の入魂の演技に、目が離せない。
一度は子供を持つことを諦めた栗原清和と佐都子の夫婦は、特別養子縁組という制度を知り、男の子を迎え入れる。それから6年、息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた夫婦のもとに、産みの親・片倉ひかりを名乗る女性から「子供を返してほしい。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。彼女は本当に母親なのかー。
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©2020「朝が来る」Film Partners
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/物語の前半は栗原夫婦の視点で、後半はひかりの視点で描かれる。前半では子どもを心から望むものの恵まれない哀しみが、後半では授かった子どもを手放す痛みが色濃く映し出される。しかし、それぞれに共通するのは、途方もなく子どもを愛する気持ち。親になる前に、観ておきたい一本。
『朝が来る』
2020年10月23日(金)より全国公開中
http://asagakuru-movie.jp/
配給:キノフィルムズ/木下グループ
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©️2020 HIGH BROW CINEMA
『空に住む』
多部未華子が28歳の編集ウーマンを演じた映画『空に住む』は、『EUREKA ユリイカ』などで知られる青山真治監督による、7年ぶりの新作。作詞家の小竹正人による処女小説『空に住む〜Living in the Sky〜』を基に構成し、映画では主人公の背景にある仕事場や、近しい仕事仲間を登場させ、さらに立体的に昇華した。
郊外の小さな出版社に勤める小早川直実(多部)は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父夫婦の計らいで、都内タワマン高層階で長年の相棒・黒猫のハルと暮らし始めることになる。ある日、エレベーターで直実は、スター俳優の時戸森則(岩田剛典)と出会う。気まぐれに誘う森則に、のめり込んでいくのだが…。
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©️2020 HIGH BROW CINEMA
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©️2020 HIGH BROW CINEMA
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/哀しみの淵を漂う直実を、一枚ヴェールを纏ったような空気感で多部が表現し、現代女性の生きづらさを痛感させる。弱っていく飼い猫と対比するように、仲良しの後輩のお腹は大きくなっていき、死の反対にある生の力強さまでを青山監督は描き出した。タワマンの一室に降り注ぐ太陽の光が、希望として照らされる。
『空に住む』
2020年10月23日(金)より全国公開中
https://soranisumu.jp/
配給:アスミック・エース
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