人生にはトラブルや悲劇はつきもの。そんななかでもたくましく生き抜く女性たちの成長物語にフィーチャー! 観れば“どんなことがあってもきっと乗り越えられる”と自分の力を信じたくなるはず!
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使命を受け入れ、差別や逆境に打ち勝つ!
『ニミュエ 選ばれし少女』アーサー王やその側近など、これまで男性目線で描かれてきた中世の騎士物語『アーサー王物語』を、初めて女性目線で描くアクションファンタジーシリーズ。主人公は、閉鎖的な村社会で育ち、生まれつき不思議な能力をもつ少女ニミュエ。自分の能力にも、自分を奇人扱いする村人にも飽々するニミュエは、いつか広い世界を旅したいと夢見るのだが、その夢はすぐに打ち破られることに…。世界を暗黒へと導こうとする赤の騎士たちによって、絶望的な状況に置かれてしまう。
後に王となる若き傭兵アーサー王と出会い、世界を救うカギとなる“神秘の剣”を、伝説の魔術師へと届ける旅に出発するニミュエ。長く思い描いてきた夢と希望をきっぱり捨て、使命を受け入れ役目を全うする彼女の潔さと強さは見どころの一つ。この物語の時代背景は中世のヨーロッパだけれど、人と違うことで差別を受けたり、逆境から立ち上がろうと奮起したり、登場人物が抱える悩みは普遍的なものばかり。壮大なストーリーでも、今を生きる私たちにも共通する悩みを抱え、それに打ち勝とうとする二ミュエにきっと自分を重ねてしまうはず。
そんな少女二ミュエを演じるのは、新鋭俳優のキャサリン・ラングフォード。世界中で衝撃を呼んだ、大ヒットNetflixドラマ『13の理由』で、物語の中心を担うハンナ・ベイカー役を演じたことでも有名。注目してほしいのは、キャサリンが魅せるニミュエの“目力”。逆境から立ち上がっていくたくましさを感じさせる瞳に、心を鷲掴みにされてしまう。キャサリンが、『13の理由』のハンナ役から見事に脱皮した記念すべき一作。ニューヒロインによる美しくてたくましい旅物語にパワーをもらって!
『ニミュエ 選ばれし少女』
Netflixオリジナルシリーズ。シーズン1を独占配信中。
https://www.netflix.com/title/80199393
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過去のトラウマを克服して新しい未来へ。
『サイコだけど大丈夫』生まれつき愛を知らない感情レスな人気童話作家コ・ムニョンと、自閉スペクトラム症候群の兄と暮らし、他人からの愛を拒否する精神病棟の保護士ムン・ガンテ。心を閉ざしながら生きる2人が、互いを傷を癒やし、ゆっくりと新たな人生の扉を開くヒーリングロマンティックドラマ。『愛の不時着』の次に見るべき韓流ドラマとしても話題の一作。
心の傷を隠すかのように攻撃的な言動で周囲を困惑させるムニョンに、他人に一切心を許さないガンテ、感情の赴くままに生きるガンテの兄サンテ。三者三様それぞれに過去に大きなトラウマがあり、それを克服できないまま大人になってしまった“ワケアリ”男女3人が、互いに傷を癒やし、過去を克服して新しい人生を生きる様が描かれる。ちなみに、本作の英語タイトルは「It’s OKay to Not Be OKay」(大丈夫じゃなくて大丈夫)。誰にでもサイコな一面はあるし、心に何かしらのトラウマや痛みを抱えているし、いわゆる“大丈夫じゃない”部分がある。それを隠さなくても忘れなくてもいい! そんなメッセージを感じる本作は、家族との関係や障害などの重いテーマを扱いながらも、私たちの心にそっと寄り添い癒してくれるヒーリングドラマとも言えそう。
また、他人を寄せ付けないムニョンの“媚びない女王ファッション”も見どころの一つ。大胆なスリットが入ったジャケットドレスや、ネイルまで真っ黒な威圧感抜群のオールブラックコーデ、顔よりも大きなコサージュが目立つ大胆花柄ワンピースなど、現実離れした攻めのファッションを全16話たっぷりと楽しめる。本作を通じて、“見るだけで癒される”新体験を楽しんで。
『サイコだけど大丈夫』
Netflixオリジナルシリーズ。独占配信中。
https://www.netflix.com/title/81243992
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負け女の成り上がり哲学は、”NO MORE 期待”!
『ビカミング・ア・ゴッド』1992年のフロリダ州オーランドを舞台に、「いつか貧乏暮らしから抜け出したい」と強く願う主婦のクリスタルが、どん底からの起死回生を図る成り上がりストーリー。ジョージ・クルーニーが製作総指揮を務めることでも話題の一作。
高校時代にビューティーコンテストで優勝するなど、地元では有名な美少女だったクリスタルが、ネットワークビジネス「FAM」に熱心な夫との結婚で人生下り坂に…。さらに、ある事件をきっかけに、“収入なし、貯金なし、家もなし”などん底まで追い込まれるクリスタル。絶体絶命のピンチから脱出するために、自身も「FAM」に関与し上層会員を目指すことに。
どん底主婦クリスタルの哲学は、“人生にも他人にも過度な期待をしない”こと。理想をあえて低く持つことで、ピンチのときも動揺せずに冷静に乗り切ることができる。他人からの見え方なんて、クリスタルには関係なし。自分と娘が生きていくためになんでもやる覚悟で、起死回生を図っていく。美しいビクトリーロードを歩むキラキラしたヒロインとは程遠いけれど、なりふり構わぬ躍進劇で見事に返り咲く彼女の姿は、見惚れるほどにかっこいい!この愛しき負け女を演じるのは、女優のキルスティン・ダンスト。過去に『スパイダーマン™️』シリーズや『マリー・アントワネット』などでヒロインを演じた彼女が、体重を増量して挑んだ本作。「過去作の中で最高の出来!」と米ローリング・ストーン紙が絶賛するなど、クリステルは彼女にとって集大成ともいえるキャラクターだ。
「勝ち組じゃなきゃだめなんて誰が決めた? 負け組だっていい」と、ピンチのときにどう立ち上がっていくかが大切だと気づかせてくれる本作。体裁なんて気にしないクリステルこそ、新時代のドラマ界のヒロインにふさわしいのかも!『ビカミング・ア・ゴッド』
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて字幕版、吹替版を配信中。
https://www.star-ch.jp/drama/onbecomingagodincentralflorida/
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貧しくても一人ぼっちでも誇り高く前を向いて!
『アンという名の少女』2017年よりNetflixオリジナルシリーズとして配信をスタートした本作。小説『赤毛のアン』を原作にしたドラマシリーズで、シーズン3で打ち切りが決定するものの『赤毛のアン』史上、最高峰のドラマと評されるなど、批評家からも高く評価されている。
主人公のアンは幼いころに両親を亡くし、長らく孤児院で生活してきた13歳の少女。本を読むことが大好きで、語彙力と想像力が豊か。いつも周囲を楽しませてくれる明るい女の子。シーズン1では、カスバート家のマシューとマリラ兄妹にアンが養女として引き取られるところからスタートする。男の子を望んでいたカスバート家のもとにやってきたのは、赤毛でやせっぽちの女の子アン。手違いのため、マリラは孤児院に送り返そうとするものの、アンの明るさや独創性、純粋さに心惹かれ、共に生活することを決める。
家族をもった経験もなければ、愛された経験もないアン。カスバート家に引き取ってもらうために多少のパフォーマンスが必要な「お試し期間」であっても、自身をけなす人の言いなりには絶対にならない、彼女の気高さにはぜひ注目してほしい。マリラの友人から「赤毛でやせっぽっち」と見た目について攻撃されたときには「見た目の悪口を本人に言うべきではない」と最もなことを言い返したり、誤解からカスバート家を追い出されたときには「私には私という家族がいるから平気よ!」と名言を生み出したり…。周りからみたら彼女はかわいそうな女の子なのかもしれない。でも彼女自身は、自分をかわいそうだとは思っていない。
自分に敬意を抱き、どんな環境でもキラキラした笑顔で人生を楽しむアンは、見ている私たちにまでパワーを与えてくれる。幸せか不幸かを決めるのは他の誰でもない自分自身。胸を張って人生を生きていこう、そう背中を押される一作だ。『アンという名の少女』
Netflixオリジナルシリーズ。シーズン1〜3まで独占配信中。
https://www.netflix.com/title/80136311
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理想の母親像に苦しむ2人の90年代女性。
『リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密』リース・ウィザースプーンとケリー・ワシントンのダブル主演で話題になった社会派ドラマ。同作で製作総指揮も務める2人は、90年代のアメリカを舞台にした本作で、それぞれ母親役を演じる。
リースが演じるのは、郊外の大きな家で4人の子どもを育てる白人主婦のエレナ。「私はレイシストではない」と言わんばかりにアフリカ系の人たちに親切を装うものの、実際は自分と家族さえ良ければいい、鼻につく存在。一方のケリーが演じるのは、アーティストの顔も持つ、アフリカ系シングルマザーのミア。自身の仕事のために一人娘を引き連れてアメリカ中を車で旅する自由人だが、大きな秘密を隠し持っており、他人に対して警戒態勢を崩さない。子どもたちのためなら何でもやるエレナと、自分のアーティストとしてのキャリアが一番大切なミアの、人生や家族が対照的に描かれる本作。それぞれに強い部分と弱い部分があって、どちらの母親にも感情移入する部分がある。善悪つけないのが本作の特徴。演じるリースとケリーの名演技も見どころで、欠点が多い自分を認められず、なんとかよい母親になろうと努力するキャラクターを見事に演じきっている。
また、90年代のアメリカにおける学校や地域での人種差別や格差社会をリアルに描いていているところも注目したいポイントの一つ。表面ではいい顔をしながら、裏では身元調査を行うエレナのような白人主婦が一体どれだけいたことか…。良い隣人とは、良い母親・妻とは、女性の幸せとは? 2人の母親間でタイトルどおり“小さな火花”を散らしながら、本質的なことまで問うスリリングな一作だ。
『リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密』
Amazon Prime Videoにて独占配信中。
https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/B088B87537
©Best Day Ever, Inc.