今年のゴールデンウィークはおこもり必須。 #StayHome をポジティブに楽しみたいガールに向けて、最新海外ドラマから注目すべき実力作をピックアップ。恋愛にともなうもどかしさに、食が思い起こさせる切なさ、そして心震わせる音楽のパワー。観始めたら最後、そのストーリーに引き込まれてしまうこと間違いなしの4作で、充実の家時間を!
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じんわり伝わる恋のぬくもりに癒されて。
『フィール・グッド』コメディエンヌのメイと女性教師のジョージ。イギリスを舞台に、ごく自然に恋に落ち、恋人同士になった2人の日常を描く『フィール・グッド』。愛、依存、性の問題が絡み合う複雑な現代社会で、本物の関係を築こうともがく姿をダークかつユーモラスに描くこの作品は、共同製作と主演を務めるメイ・マーティンが自らの経験を基に生みだしたもの。恋することの美しさ、そしてもどかしさを思い出させてくれる一作だ。
このドラマの主題となるのは“普遍的な愛”。同性愛はあくまでひとつのスタイルであって、大好きな人と一緒にいられる幸せを噛み締めたり、いつかこの幸せが終わってしまうのではと急に不安になったり、そこで描かれるのは誰かに恋をしたら当たり前に抱く感情の数々。元々ジョージは女性との交際経験のないストレート。相手が女性だからではなく“メイだから”恋をしたのだ。それなのに、周囲にメイとの関係をどうしても話せずに悩む姿は、今の社会における同性愛に向けられる視線を伝えてくれる。一方でメイも自分の薬物依存の過去についてなかなかジョージに明かせず、思い悩む。恋人だからこそ、互いに踏み込めないゾーンがあって、関係がややこしくなる。それでも2人がお互いのペースに合わせつつ前に進んでいく様子は、危なっかしくも穏やかで、青春時代の恋愛を観ているかのよう。
なかなか人と会うことも叶わない今の状況。だからこそ、人が人を想う気持ちに触れるとふっと心が温かくなるもの。メイとジョージの一筋縄ではいかない恋愛が、心の隙間にやさしく寄り添ってくれるはず。
『フィール・グッド』
Netflixオリジナルシリーズ。シーズン1を独占配信中。
https://www.netflix.com/title/80241545
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醜い部分があって当然。これぞ家族のリアル!
『HERE AND NOW 〜家族のカタチ〜』どこにでもいそうな6人家族。でも4人の子どものうち3人はベトナム、リベリア、コロンビア出身の養子。現代のアメリカ社会を体現したかのような構成の家族を中心に、それぞれが持つコンプレックスや葛藤、そして夫婦の危機などを描く『HERE AND NOW 〜家族のカタチ〜』。子どもたちはすでに自立しているものの、養子に出される前のトラウマが頭をよぎったり、母親への許せない気持ちを抱えていたりと、気持ちは幼いまま。一方の両親も、中年の危機を迎え、関係を修復できないまま投げやりな日々を過ごしている。
血の繋がりのない他人が集まって家族になる、こんな形がアメリカでは一般化しつつある。血の繋がりだけでなく、人種も宗教も性的指向も異なるため、家族内で起こる問題は予想の斜め上をいくことも多数。みんなが自分のアイデンティティを探し求めながら、不平や不満、欲求などのリアルな感情をむき出しにぶつけ合う様子は、明るく楽しいイメージの“ファミリードラマ”というジャンルに当てはめていいのか悩ましいほどにリアル。ここまでやる?とびっくりするような赤裸々な描写に驚くかもしれないけれど、よく考えてみて。誰だって、口にはせずとも家族にブラックな思いを抱いた経験くらいあるのでは? このドラマはそれを言葉や映像にしているだけで、ある意味私たちみんなの代弁者なのかもしれない。
血の繋がりがあってもなくても、家族が抱える問題は多数。モヤモヤに悩みつつも本音でぶつかり未来へと進んでいく新たな形の家族の姿は、ある意味すがすがしくもある。アットホームなファミリードラマとは一線を画する新感覚ストーリーから、次世代の家族の形を感じ取ってみては?
『HERE AND NOW:家族のカタチ』
「BS10 スターチャンネル」で毎週金曜22:00ほか放送中。
Prime Videoでシーズン1を配信中。
https://www.star-ch.jp/drama/here-and-now/© 2018 Home Box Office, Inc. All Right Reserved. HBO® and the related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.
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心も胃袋も掴まれる! 食がテーマの人間ドラマ。
『フードロア:Life in a Box』日本、シンガポール、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムのアジア8カ国を舞台にそれぞれが異なる脚本、キャスト、監督で構成されるアンソロジードラマ『フードロア:Life in a Box』。共通するテーマは“食”。各国の気鋭監督が、自国の料理を題材に、魂を揺さぶる食の思い出とそれにまつわる人間模様を描く。
俳優の齋藤工が監督を務める注目の第一話の舞台は日本。妻を亡くした男性とその娘、年老いた元プロレスラー、スランプに陥った絵本作家。人生に失望した4人が、電車内で偶然通りかかった車内販売のお弁当を食べる。それをきっかけにそれぞれが長年忘れていた食にまつわる記憶が呼び起こされ、懐かしさと思い出、愛に包まれた旅の中で、希望の光を見出していく……。登場人物は少なく、シーンもほぼ電車の中だけ。ストーリーだってなんてことないシンプルな構成なのに、それがかえって心を打つ。それは、口にした瞬間当時の情景が一瞬で蘇るような思い出の味が誰にだってあるから。その味が、切なさと一緒に、明日への希望ももたらしてくれる。
このドラマの一番の主役は“食べ物”。それぞれの国で愛され、親しまれている料理たちが、実際にその香りまで漂ってきそうなほど臨場感たっぷりに映し出される様子に、思わず見とれてしまうはず。各国のご当地グルメ、気になったら自宅で真似してみるのもおすすめ!
『フードロア:Life in a Box』
Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で絶賛配信中。
https://www.star-ch.jp/drama/foodlore/©2019 HBO Pacific Partners, v.o.f. HBO and HBO Asia Originals are service marks of Home Box Office, Inc. FOOD LORE is a service mark of HBO Pacific Partners, v.o.f. Used with permission. © 2019 HBO Asia. All rights reserved.
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気鋭の監督が手がける最新作!
『ジ・エディ』公開前の最注目作としておすすめしたいのが、世界を圧巻した映画『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の最新作『ジ・エディ』。映画ではなく全8回のリミテッドシリーズとして全8時間で構成される悲哀に満ちたミュージックストーリーは、5月8日(金)からNetflixで配信されるほやほやの新作!
主人公は、かつてニューヨークで名の知れたジャズミュージシャンとして活躍していたエリオット。パリに渡りジャズクラブ「ジ・エディ」を開くものの、店は今や倒産の危機。アメリカに帰ろうとせがむ娘ジュリーを横目に、引き返すこともできず苦しい局面にいる。どうしようもないどん底にいるからこそ、音楽の力が引き立つ。どんなに辛い人生でも、どうしようもなく音楽が好きで手放せない。エリオットのもどかしい心情が音の調べに乗って私たちの心にまで入り込んでくる。
エリオットだけでなく、「ジ・エディ」で働く音楽家の仲間やその家族まで、登場人物の人生が奥深く、多角的に描かれるこのドラマ。それぞれに大切なものがあり、お互い距離をとりあっているように見えるけれど、その根っこは音楽で繋がる。美しくて情緒的な世界観が、観るものに心地よさをもたらしてくれる。オススメは、ラストで流れる「ジ・エディ」の演奏シーン。パリの美しさが全面に生かされた撮影、そして感情に訴えかける音楽、それらの一体感に骨抜きにされてしまう感覚をぜひ味わって。
『ジ・エディ』
Netflixオリジナルシリーズ。5月8日(金)より独占配信予定。
https://www.netflix.com/title/80197844