ラブコメからリアリティショーまで。海外ドラマで楽しむ色とりどりのLOVE！

『好きだった君へのラブレター』

恋愛感度も高まる!?　妄想少女の甘酸っぱい初恋ストーリー。

SNSやアプリのメッセージ機能が使い放題な今、愛を伝える手段にあえて“ラブレター”を選んだら、どうなる？　『好きだった君へのラブレター』の主人公は、意中の彼に気持ちを伝えられず、その思いをラブレターにしたためてはしまい込んでいた、少し奥手な女子高生ララ・ジーン。本来であれば届くはずのなかったラブレターだけど、恋愛に奥手な姉を不憫に思った妹のキティが、ララに黙って5通のラブレターを投函したことで事態は激変。ララの本命・ジョシュと、中学生の時の初恋相手ピーターを巻き込んで、ララの甘酸っぱい初恋が動きだす。

「自分の恋愛がうまくいくはずなんてない！」と物事を悪い方にばかり考えてしまうララと、パーティー好きで学校の人気者のピーターは、とある事情からカップルの“ふり”をすることに。それには互いの好きな人を振り向かせるという目的があったのだけど、予期せぬ展開が降りかかってきて……。

”思春期の女の子の初恋”という定番ストーリーに魔法をかけたのは、ララを演じるベトナム出身の新人女優ラナ・コンドル。彼女の不器用で愛くるしい演技は世界中の人の心を奪い、ラナは一躍人気女優に。ドラマでは、韓国人の母とアメリカ人の父をもつハーフという設定だけれど、アジア系女優がストーリーの主軸にいる映画がハリウッドを含む世界中でヒットするなんて、時代の変化を感じずにはいられない。

淡い恋心さえうまく伝えることができない初恋って、視聴者の心をこそばゆくくすぐるもの。実はこの作品、良作が多いと話題のNetflixオリジナル映画。2時間弱の１話ぽっきりで甘酸っぱい初恋気分にひたれるから、今週末のエンタメタイムにもってこい！

『5ファーストデート』

他人の恋愛模様は蜜の味!? 禁断のデート覗き見ショー。

他人の初デートを覗き見できるチャンスがあれば、あなたは見る？　それともやめておく？　『5ファーストデート』は、実在のシングルたちの初デートを追うアメリカのリアリティショー。ルールはとってもシンプル。主役が挑むのは、お店や時間帯などのシチュエーションは全く同じで、相手だけが異なる5回のデート。つまり、楽しいか楽しくないかを左右するのは“お相手”という要素のみ。そんなシチュエーションで5つのデートを比較し、2回目のデートをしたいたった1人を選ぶのだ。

食事、会話からキスまで、すべてが台本なしで進むから、デートの様子がとにかくリアル。メニュー選び一つとっても相手に任せるタイプもいれば、自分ですべて決めてしまう人も。自分の話ばかりをする人がいたかと思えば、沈黙を愛する人もいたり。さまざまなタイプのデート相手が現れるから、同じシチュエーションとはいえど5回のデートはまるで別物。この番組は言うならば”デート覗き見ショー”で、画面越しに見ているだけなのにまるでイケナイことをしているような感覚に。リアリティショーでよくある、「あの時、実際はどう思っていたのか」と本音を語るインタビューは一切なし。楽しそうにしていたのに2回目の相手に選ばなかったり、「これダメでは？」と思った2人が次に進んだり。視聴者にヒントがないまま、ラストシーンで主人公の答えが明かされるのもエキサイティング。

60歳を過ぎてからの新たな恋探しや、性別を問わずデートをマッチングさせるなど、ダイバシーティを感じるスタイルも今時ならでは。多彩なバリエーションのデートを覗き見することで、実際のデートを予行演習しちゃう!?

『アウトランダー』

“海外ドラマ史上最も美しい”と話題のセックスシーンは必見！

全世界で3,000万部の大ベストセラー小説を忠実に映像化した『アウトランダー』。映画並みの壮大なスケールで時代を越えた究極の愛を描いたこの作品、その美しい官能的な愛の描写でもメディアから絶賛を受けている。

ストーリーの舞台は、1743年のスコットランド。戦後の1945年に夫と共にスコットランドへ旅行にきていた従軍看護師のクレアは、ストーンサークルに手を添えたことをきっかけに突然1743年にタイムスリップしてしまう。最愛の夫を未来に残してきた身でありながら、現地の若き兵士ジェイミーと恋に落ちるクレア。ジェイミーを愛しているけれど夫を思うと先には進めない、でも体はお互いを求め合い……。”時代を越えた禁断の恋”というのは、思いを燃え上がらせるのに欠かせないエッセンス。障害を乗り越えながらようやくふたりが結ばれるシーンは、芸術品のような美しさ。肌と肌を重ねる喜びを丁寧に描写する映像美には、思わずため息がもれてしまうほど。セックスとは“愛を通わせ合う最上級の行為”だということを改めて感じさせてくれる。

聡明なクレアを演じるのは、アイルランド出身の元スーパーモデルのカトリーナ・バルフ。シャネルやジバンシィなど、トップブランドの広告モデルとして10年以上ランウェイに立ち続け、その後女優に転身した彼女の凛とした佇まいも、ストーリーに深みを与える重要なエッセンス。とろけるように甘く、そして切ない“大人の愛”に触れたいならこのドラマで間違いなし！

『ジェーン・ザ・バージン』

バージンなのに妊娠!? 抱腹絶倒ラブコメディ。

美人で少しドジな主人公が、様々な失敗を乗り越えて幸せを手にするラブコメにはもう飽きた！ そんなガールにオススメなのが『ジェーン・ザ・バージン』。敬虔なクリスチャンである祖母の教えに従い、「結婚するまでバージンを守る」というルールを破ることなく成人した主人公・ジェーン。晴れてマイケルという最愛の恋人と婚約し、バージン卒業まであと少しというところで、ジェーンを待ち受けていたのは……なんと妊娠！

まるでギャグのような事態に見舞われたジェーンなのだけれど、これはルールを破ったわけではなく、婦人科医のミスで人口受精の診療を受けてしまったから。とはいえ、清廉潔白な恋愛道を貫いてきたジェーンにとって、妊娠なんて一大事。堅実な警察官である婚約者マイケルに、遺伝子上の子供の父親でリッチなホテル経営者ラファエル、そしてラファエルの元妻で冷酷美女なペトロを含む複雑な四角関係に巻き込まれ、思っていた人生とはまるで道がそれていく。それは航海中に遭難してしまった船のようで、ジェーンの行く末から目が離せなくなる。

このドラマを語るうえで欠かせないのは魅力あふれる主役ジェーンの存在。決して超美人ではないけれど、どんなときもポジティブ全快のジェーンは存在そのものが太陽のようで、カラッと明るいムードの笑いをもたらしてくれる。また、南米系のファミリーを主軸に描く本作は、メロドラマとラブコメディをかけあわせたようなユニークな作風も魅力。ナレーションが「まるでメロドラマのような展開だ！ どうする、ジェーン！」とストーリー展開にツッコミをいれるドラマなんて、他にある!?

開放的なフロリダのリゾートホテルを舞台に繰り広げられる南米調のメロ・ラブコメは、永遠に見ていたくなる面白さ。結婚を誓い合った婚約者マイケルと、お腹の子の父親のラファエル。2人の男の間で揺れ動くジェーンの様子を、スリルと笑いたっぷりに堪能しよう。

『The O.C』

身分違いの男女の恋を描く、平成版ロミオ＆ジュリエット！

『ゴシップガール』に『新ビバリーヒルズ青春白書』、リッチな高校生の恋愛を描く海外ドラマは数知れず。それらの中でも『The O.C』は、“うまくいかない恋愛っぷり”で群を抜いた存在。

カリフォルニア州のセレブ住宅地オレンジカウンティを舞台に、不良少年のライアンと資産家の娘マリッサとの燃えるような恋愛模様を4シーズンに渡って描くこのドラマ。住む世界の違う2人の恋といえば、『ゴシップガール』のセリーナとダンのカップルを思い出すけれど、親や友達は関係なく、当人同士の思いで関係を切り開いたセリーナ＆ダンと比べ、ライアン＆マリッサの恋は周りからの影響を大きく受けてしまい、より悲劇的。苦しいほどにお互いを想いあっているのに関係を進展させられず、ようやく進んだと思っても、別の問題が出現して振り出しに逆戻り。

悲劇的な展開が多いからこそ欠かせないのが、物語に救いを与えるサブキャラの存在。マリッサの親友にサマー、ライアンの親友にセス。底抜けに明るいこの2人は不幸を背負い込むライアン＆マリッサとは対照的で、どんよりするシーンから視聴者を救い出してくれる。

本当に愛し合っていたら、どんな邪魔が入っても乗り越えられるのだろうか。育った環境が違っても、家族が応援してくれなくても、愛さえあればやっていけるのだろうか。多くの障害に阻まれてなお、互いを激しく求め合うライアンとマリッサを見ていると、愛の力を信じたくなってくる。まるでオペラのように情緒豊かに描かれる若き2人の恋模様。胸が引きさかれるシーンも多くあるので、観るときは覚悟して。