続々と新作が登場する一方、長年愛される作品にも見逃せない名作がたくさん! 世界中の女子を虜にした元祖ガールズドラマに、業界に旋風を巻き起こした新感覚サスペンスまで、平成に誕生したレジェンド級人気の5作をピックアップ。“映像が古いから”なんて敬遠してちゃもったいない、不朽の名作をチェックして。
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PHOTO:Album/AFLO
『フレンズ』
(1994年〜2004年)ルームシェアコメディの元祖といえば!
セレブ婚をドタキャンしてウエイトレスになったり、俳優の夢を追うばかりにいつもお金がなかったり。欠点だらけだけど、“アラサーは焦るものではなく楽しむもの!”を合言葉にNYという大都会で人生を邁進する男女6人が主役の『フレンズ』は、ルームシェアコメディの礎を築く存在となった名作ドラマ。
今やラブコメ女王となったジェニファー・アニストンをはじめ、シーズン1ではほぼ無名だった主演の6人は、本シリーズの大ヒットに伴い一気にスターダムへ。彼らの出演料が超高騰したために、視聴率は好調だったのにシーズン10でクロージング。好調すぎて継続困難という異例の事態はまさにレジェンド!? 愛すべき作品のピリオドには、当時多くのファンが涙した。
10年の月日とともに展開する作中で、主人公の6人もキャリアアップや結婚、出産などを経験していくことに。彼らと共に笑い、時に悩みながら、一緒に人生のライフステージを登ったという当時の視聴者も多く、彼らにとってはフレンズはまさに青春そのもの。
当時のユースカルチャーに多大な影響を与えた“どうせ生きるなら落ち込んでいるより笑っていたほうがいい”という主人公6人の楽観的な姿勢は、今見ても学ぶところが満載で、時を重ねるごとに新しいファンを生み続けている。
90年代のアメリカンコメディって、時代も違うしそもそも笑えるの?という先入観は、一度捨ててみて。時代や国、文化が違っても、お気楽な6人が織りなすコミカルなやりとりに抱腹間違いなし!
『フレンズ』
Netflixにて、シーズン1~10を配信中。
https://www.netflix.com/title/70153404
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PHOTO:Album/AFLO
『アリーmy Love』
(1997年〜2002年)ガールにエールを届ける元祖フェミニズムドラマ。
“すべきこと“より”したいこと“を大切にする、キュートな女性弁護士アリーが主人公のリーガルドラマ『アリーmy LOVE』。
主人公のアリーを演じるのは、50代になった今も変わらぬ魅力を放ち続ける当時30代のキャリスタ・フロックハート。ワンレンのヘアスタイルにミニスカートで法廷に現れ、超早口で相手側をまくし立てる彼女の弁護士姿は惚れ惚れするかっこよさ。一方、プライベートでは、元カレとの関係、迫り来る出産のリミットなど悩みを抱え、その姿はTHE・普通の20代女子。決してかっこよくはない姿をさらけ出し、ありのままの自分を諦めないアリーを見ていると、共感を覚えずにはいられない!
女性が自分の意見を主張するとなると“オンでもオフでも強く、しっかりしてなきゃだめ”というプレッシャーを感じてしまうけれど、本作は、「自分らしく、素直に」がテーマ。仕事では強い女性だからって、プライベートで王子様を待ち続けちゃいけないわけじゃない。バリバリ働きつつ、結婚や出産も経験して人生をフルコースで味わい尽くしたいと願ったっていい。自分らしく生きることの楽しさを真っ向から教えてくれるこのドラマを見れば、“女性らしく”とか“強く”なんてワードを一旦忘れ、肩肘張らない自分と向き合えるようになるはず。
『アリーmy Love』
Amazon Prime Video等にて、シーズン1~5を一般レンタル可能。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00TI5L9MG/
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© 2019 ABC Studios.
『デスパレートな妻たち』
(2004年〜2012年)世界中でリメイクされるサスペンスコメディ。
閑静な住宅地ウィステリア通りに暮らす4人のママ友。一見平凡だと思われがちな主婦だけど、彼女たちには妻や母だけじゃない、多くの裏の顔があった……。バツイチの童話作家に玉の輿にのった元モデル、子だくさんの元バリキャリ、絵に書いたほどに完璧すぎる良妻賢母。それぞれユニークなバックグランドを持つ4人を主人公に、彼女たちの人生を掘り下げながら、その町で起きる事件の真相を徐々に暴くサスペンスストーリー。
全8シーズンまで展開された本作は、1シーズンで1つの事件の真相を追うストーリー展開。放送当時は、新シーズンが始まるたびに、“次に別れるのはどの夫婦か”、“次に死ぬのは誰か”という予想で、視聴者みんなが盛り上がった。
面白いのは “THE推理モノ”とは一味違い、主人公の4人が探偵のように積極的に事件を暴こうとするわけではないこと。彼女らは、“デスパレート(=破壊的)”な人生を必死に生きているだけなのだけれど、その過程で住民の秘密を知ってしまったり、子どもが起こした事件を隠蔽したり、人には言えないような口論を夫としてしまったりする。そんな彼女たちの日常がきっかけとなって、事件の真相が自然と明らかになっていくのだ。
精巧に張り巡らされた伏線や、コメディや恋愛要素まで加えてテンポよく描かれるストーリーは、まだ見てないなら、「これから堪能できるなんて羨ましい!」と嫉妬してしまうほどの面白さ。ぜひその目で確かめて。
『デスパレートな妻たち』
Huluにて、シーズン1~8を配信中。
https://www.happyon.jp/desperate-housewives
Amazon Prime Videoにて、シーズン1〜8を配信中。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00FCL6I9Y
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PHOTO:Photofest/AFLO
『セックス・アンド・ザ・シティ』
(1998年〜2004年)社会現象も巻き起こしたガールズドラマの超名作!
ガールズドラマの名作『セックス・アンド・ザ・シティ』は定番中の定番だけど絶対外せない作品。サラ・ジェシカ・パーカー演じる主人公キャリーを中心に、PR会社社長のサマンサや画廊バイヤーのシャーロット、女性弁護士のミランダと、酸いも甘いも噛み分ける強烈なキャラクターの4人が、ニューヨークの街を舞台にファッションに恋愛、デートに結婚に子育てまで“女性のリアル”に悩み、葛藤する姿を描く。
毎週土曜のブランチ会に登場するオシャレカフェや、男性と身体だけの関係を好むサマンサの名言など、その動向には常に注目が集まり、「SATC」が動詞になるという社会現象を生み出したほど!
なかでも当時センセーショナルだったのは、キャリーの「セックスコラムニスト」という職業や作品タイトルとなど、“セックス”について超オープンなスタイル。放送開始された1998年は職場でも家庭でもまだまだ男性が強く、「セックスでも恋愛でも主導権は女!」「私の人生は私のもの」をごく自然に体現する4人が、どれほどの女性視聴者を勇気づけたのかわからない。そのパワフルなメッセージ性は時代を経ても変わらず、今の時代を生きるガールにもグッと胸に迫り来るものがあるはず。
そんな“赤裸々ガールの本音”はもちろんのこと、キャリーの天才的なファッションセンスもこのドラマに胸が高鳴る理由の一つ。ぎっしり洋服や靴が並ぶクローゼットを眺めるだけで夢のようだし、それらを駆使して披露するコーディネートは、20年経った今見ても新鮮!
『セックス・アンド・ザ・シティ』
Amazon Prime Videoにて、シーズン1~6を配信中。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B019G7XM0W
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PHOTO:GETTY IMAGES
『ロー・アンド・オーダー』
(1990年〜2010年)11年連続エミー賞ノミネートされた伝説のドラマ。
シリーズ19まで続く超ご長寿ドラマ「ロー・アンド・オーダー」。1話完結型のストーリーに、刑事ドラマと法廷サスペンスをミックスした前例のないスタイルとブロードウェイの舞台で活躍する名優が勢ぞろいするエンタメ性の高さで、若者からお年寄りまで幅広い層のファンを獲得。「視聴率がとれない作品は即打ち切り」という厳しいドラマ業界で、20年間も放送を続け、エミー賞ではドラマシリーズ部門作品賞に11年連続でノミネートされた、まさに伝説のような作品。
銃社会で人種や格差の問題を抱えるアメリカでは、殺人事件ひとつをとっても想像以上のスケール。そこに、アメリカ特有の裁判システム「陪審員制度」まで絡めて展開するのだから、面白くないわけがない! シビアでリアルなアメリカ社会の世界観にカルチャーショックを覚えつつも、描写が丁寧で登場人物の心情が伝わってくるからそれが他人事に思えない。まるでその場に自分が存在し、目の前でストーリーが展開しているような感覚になるのだ。
派手でキャッチーでハッピーエンドのドラマが主流だった90年代に、アメリカの社会問題や特有の制度を当事者の視点からねっとりと描き、重厚感のあるドラマとしてお茶の間に君臨。ハッピーエンドでなくとも視聴者にモヤッとした気持ちを残さず多くのファンを獲得した功績は、時代背景を加味してもやっぱりすごい!
『SATC』のミスタービッグことクリス・ノースや『グレイス&フランキー』でゲイ役を演じるサム・ウォーターストンなど多くの名優を生み出したドラマとしても有名。シリアスな本作に厚みを与える、彼らの迫真の演技も必見。
『ロー・アンド・オーダー』
Amazon Prime Videoにて、シーズン10〜20を配信中。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B078MRMPCJ