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金曜の夜はaggiiiiiii散歩 第40回:「伝説の雑誌を入手したぞ!!」

LIFESTYLE/CULTURE
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ヒュー! ヒュイーッ! わたくし今回はいつになく興奮しております。なんと、自分の手元にやってくるとは夢にも思わなかったお宝本を手に入れてしまいました。それはこちら! バーン!

今はなきイギリスのカルチャー誌『ザ・フェイス』の1990年7月号「ザ・サード・サマー・オブ・ラブ」です。「ああ、ケイト・モスね、ふーん」と、読みとばすなかれ。なぜこの号がわたしにとってソー・ビッグなのか、いえ、なぜこの号がわたしたちにとってソー・ソー・ソー・ビッグなのか、身ぶり手ぶりで(©モアレ)、一生懸命にお伝えしたいと思います。

この少女はいわずとしれたイギリスのスーパーモデル、ケイト・モス。ロンドン南部、クロイドン出身の彼女は当時まだ15歳かそこらで、モデルとしてのキャリアをスタートさせたばかり。無名であったモスはこの写真で注目を集め、その後世界でもっとも有名なファッションモデルへと成長したことは、みなさんすでにご存知のとおりです。

では、なぜこの写真がそこまで注目されたのか? それには当時の時代背景を捉える必要があります。まだ80年代の香りを残す90年代の初頭、女性ファッション誌を席巻していたのは、はっきりとした顔立ちにグラマラスな肉体をもつ美女たちでした。シンディ・クロフォード、ナオミ・キャンベル、リンダ・エヴァンジェリスタなどがそうです。彼女たちは隙なく計算されたヴィジュアルを体現する、ゴージャスなマネキンのような存在でした。

そういった美の規準に逆旋風を巻き起こしたのが、この撮影を手がけた写真家コリーヌ・デイです。自身もかつてモデルであったデイは、自分では到底買うことのできない高級な洋服を身につけ、いかにもなキメ顔、キメポーズを要求される当時のファッション写真はフェイクであると感じており、その反動で自分の作品には徹底的にリアルであることを求めました。ポーズをとらない被写体、シワやそばかすもありのまま見せ、今ではすっかりめずらしくはないですが、高価なブランドの商品とフリマで買ったようなチープなアイテムを組み合わせる彼女のスタイルが当時どれだけ新鮮であったかということは、その時代のほかの雑誌などを見比べてみるとわかります。そしてケイト・モスという、背も低くやせっぽちの、けして整ったルックスとはいえない少女がナチュラルな裸でスパーン!と登場したことも、かなりの大事件でした。デイとモスのコンビはひじょうに相性がよく、ふたりの存在はその後のグランジファッションブームへとつながってゆきます。デイはユルゲン・テラーやデイヴィッド・シムズなど後続の写真家たちにも大きく道を拓き、その後のファッション写真を変えたとまで言われています。

わたしはロンドンで偶然デイの写真展に足を踏み入れたことがきっかけで彼女のファンになり、ファンジンまで作ってしまいました。イギリスからはるばる届いたこの雑誌をながめていると、彼女の作品が今でもフレッシュな印象をまるで失っていないことに驚くばかりなのです。

■『KAZAK』#5「 コリーヌ・デイ」
http://kazakmagazine.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

 

 

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aggiiiiiii(アギー)
兵庫県生まれ、東京在住。2007年よりオルタナティブカルチャージン『KAZAK』をはじめ、2013年にはソフィア・コッポラ監督『ブリングリング』のオフィシャルファンジンも手がけた。とりあえずなんでもDIYでやろうとする。旅行が好き。http://www.kazakmagazine.blogspot.jp

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