今、気になるitなアドレスをエディターがハント! 建築家・谷尻誠さんと吉田愛さんが手がける「サポーズデザインオフィス」の東京オフィスに、誰でも気軽に利用できるパブリックな食堂がオープン。
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建築事務所のオフィスに併設された「社食堂」。大通りに面していながらも、閑静なムードのなか落ち着いた時間を過ごすことができる。
中へ足を踏み入れると迎えてくれるのは、写真家・若木信吾氏の作品とブックディレクター幅允孝氏が選書した本がずらりと並ぶ大きな本棚。
テーブルと椅子が並ぶこの空間は、社員の食堂として、カフェとして、はたまた打ち合わせスペースとして……利用する人に合わせ、さまざまな場所へと変化する。
看板メニューは、日替わり定食(¥1,100)。肉または魚がメインの定食は、おふくろの味を思わせるやさしい味わい。
オリジナルインテリアをはじめ、テーブルやイス、グリーンなど、書籍以外のものは購入可能。気になるアイテムを見つけたら、お店の方に声をかけてみて。






代々木上原の少しはずれ、落ち着いた住宅街に今年4月に登場した「社食堂」。「社食堂」というネーミングは、建築事務所に勤めるスタッフの”会社の食堂”と地域の人々がオープンに食事を楽しめる”社会の食堂”を掛け合わせてうまれたもの。
「建築事務所で働くスタッフは時間が不規則で、コンビニ弁当やインスタント食品といった偏った食事になりがち。彼らに健康な食事を食べてもらいたいと考えたことが社食堂の始まりでした。なので、ここの料理は”おかん料理”。家庭料理を思わせる、地味かもしれないけれど、体にやさしい健康的な食事を提供しています」と谷尻誠さん。メニューは日替わり定食やカレー、丼ものなど。コーヒー、お茶、ソフトドリンクやアルコール類もラインナップする。
オープンキッチンを中央に構え、奥にはオフィス、手前にはカフェや社員のミーティングなど多目的に活用できる空間が広がる。店内には写真家・若木信吾氏による風景写真を飾り、大きな本棚にはブックディレクター幅允孝氏が選書した本を揃えた。物販スペースにはコーヒー豆や食器、スチールプロダクトなど生活のスパイスとなるアイテムが並び、空間に落ち着きを添えるグリーンは、広島県の植物屋「叢(くさむら)」の店主・小田康平氏がセレクトした。さまざまなカルチャーが交差する出合いの場として、隅々までこだわりが光る。
「なんとなくハードルが高そうに思える建築事務所に、ふらっと立ち寄ってもらえればと思って。本棚の写真集を手にとったことでアートに興味が出てきたり、植物に関心を持つようになったり、そういう何気ないきっかけづくりになったらいいなと考えています」と谷尻さん。
アートを展示するギャラリーとして、書籍や植物との出合いの場として……訪れる人に合わせてさまざまな空間に変化する「社食堂」で、おいしいご飯と感性を磨く時間を楽しんでみて。
EDITOR:AKIKO MIYASHIMA