そこに彼女がいるだけで場がぱっと明るくなる、笑顔が似合うチャーミングな愛らしさを持つ長澤まさみさん。今年、デビュー20周年を迎え、キャリア面もひとりの女性としても読者の”憧れのお姉さん”としてますます目が話せない彼女が、8月の「GIRL OF THE MONTH」に登場。その撮影現場で ”今の長澤まさみ”についてファッションからビューティ、人生観まで訊いてみた。
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■おしゃれは、最強のムードメイカー。
今日もそうですが、最近は元気な気分になりたくて結構プリントものを着ることが多いです。柄もののシャツとか、いろんなプリントを集めています。以前はモノトーンが好きだったのですが、いろいろな色を試すようになって。ベージュ系も好きになりましたし、パーッと明るい色にも興味が出てきました。今は柄や色を取り入れて、洋服で気分を変えて楽しみたいなというテンションになってきましたね。ファッションこそ楽しむものだなと思います。色で気分も変わりますし。最近はブルーのストライプのワンピースや花柄のワンピースを買いました。そうやって明るい色を着ることで、自分も楽しくいられると思います。
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そんな長澤さんのムードにリンクして、今回の撮影で用意した衣装も旬のメタリックをはじめさまざまな色や柄が揃った。テーマはバランスのフェミニティ。撮影場所は某水族館。ゆったりとしたクラゲのように浮遊感のある衣装をマチュアな魅力で着こなしてくれた。
色や柄はもちろんですが、お洋服は素材によっても印象がぐっと変わりますよね。冬はベロア素材も気になります。もともとシャツ好きなほうですが、今年の冬は特にシャツが着たい気分です。シャツは、素材によっては1回着たらクリーニングに出さなきゃいけなかったり、扱いに手間がかかりますが、いろいろな形があるのでニットとはまた別の楽しみ方ができますし、清潔感もあって好きです。今はなかなか外に行けないぶん、せめて可愛い格好をして気分を盛り上げたいですね。
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■無理をしない。自分にあった健康法を続ける。
チャーミングななかにも、凛としたクールな部分が見え隠れする長澤さん。すっと場になじむナチュラルな存在感は、外面からも内面からも魅力を放っている。
健康面では、タンパク質をたくさん摂ることを心がけています。肌ツヤもよくなって、健康的な体づくりにも役立ちますし。タンパク質を摂ると、体が違うなと感じます。お料理をするときも、野菜を摂ることよりもタンパク質を摂ることを重要視しているかもしれませんね。
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最近は、またコントロロジー(※)にハマってます。12年前ぐらいにはじめてコントロロジーに行き始めたときは難しくて、そのころは本当に筋力がなかったので、全然ついていけなかったんです。それであまり行かなくなったんですが、数年前からジム・トレーニングをやっていて、だんだん筋肉の使い方に慣れてきて。それで久々にコントロロジーに行ってみたら、前よりもすごく楽にやれるようになって、今ハマってます。先生のことも大好きで、行くだけで楽しいんですよね。深く呼吸もできるようになって、身体をどういうふうに動かすかを考えながら運動できるので、それも性に合っているみたいです。
※ピラティス考案者のジョセフ・ピラティスがつくった造語で体をコントロールする学問の意。彼は自身のメソッドをこう呼んでいた。
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■憧れるのは、いつも自然体で、人に興味を持てる女性。
楽しむ余裕を持ちつつ、自分のペースで自分磨きをしている長澤さんは、女性にとって理想的な歳の重ね方をしている。では、長澤さん自身が憧れる素敵な女性はどういう人なのか。
私が素敵だなといつも思う女性は、相手の考えや意見をきちんと受け止められる人。人との関わりって、自分がこうしたいと思っていても、相手があることなので、思うようにはいかないもの。でも、相手の言葉をスルッと、ツルッと、受け入れられている人を見ると、素敵だな、すごいなと思いますね。
人を相手にすると、やっぱり照れや虚勢を張ることもありますし、相手は自分の思うとおりにはならない。特に感情はそう。人に興味を持てる人でありたいなと思います。
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■今、目の前にあることに誠実に向き合う。
大切にしていることは、自分に与えられたものに対して誠実に向き合って、一生懸命尽くすこと。頑張って何かに突き進んでいる姿は、やっぱり人の心を打つと思うんです。そう信じて、私は自分が思うことに突き進むようにしています。
そんな懸命に突き進む強さは、コメディエンヌとしての一面も楽しい「コンフィデンスマンJP」シリーズで長澤さん演じるダー子にもかぶる。現在公開中の最新作『コンフィデンスマンJP プリンセス編』でもさらにパワーアップしているが、演じていて楽しいところは?
たしかにダー子にもそういう強さはあるかもしれないですね。どんな場合でも臨機応変に対応できるフレキシブルなところも魅力ですし。そういう意味ではみんなの理想像なのかも。ダメなものがなくて、そんな人いないでしょうという存在がダー子なのかなって思ってます。ダー子を演じていて楽しいのは、ふざけているところです。やっぱり人生は楽しく、笑って過ごしたいですからね。ユーモアって大切です。
私、若いときはいつも先のことを気にするタイプだったんです。先の心配ばかりして、今を取り逃してた、見逃してた。そんな気がするんです。だから、そういう自分の経験もあって、今をまっすぐ見つめられることができる人は、いつの時代も逞しく生きていける気がします。
でも、今に集中すると言っても、自分を追い込まなくてもいいかなって思っています。頑張りすぎない。完璧にできていることがすべてじゃないから。私自身は、ゆっくりするのが好きだし、家でだらだらするのも好き。自分のペースで自分のやりたいことを精一杯やっていれば、自分に合う道を見つけ出せる気がします。あとは、自分ひとりで考えこまないで、話を聞いてくれる人を探すこと。友だちはみんな尊敬できる人。お互い、尊敬し合いたいですし、そうやって高め合える仲は素敵ですよね。
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■苦手なことも投げ捨てなければ、結果は自ずとついてくる。
みんな共通して、プライベートもお仕事も、いつだって好きなことや得意なことばかりではない。苦手なことや、ちょっと嫌だなと思うことに遭遇したとき、長澤さん流の乗り越え方について訊いてみた。
ちょうどこの間、これ乗り切れられるのかなっていうことがあったんです! そういうときは、いつもどおりとはいかないかもしれないけれど、自分のできる限りの努力をすること。誠実に向き合うこと。投げ捨てないこと! 最後までやりきったら自分もスッキリしますし、結果は自ずとついてくる。いつもそう思っています。
今の長澤さんから少し離れて、10年後。どんな自分でいたいと思っていのだろうか。
自分の趣味や、やりたいことを思う存分できていればいいなと思います。今年いろいろなことがあったので、やっぱり人生は限られた時間だと気づいて。興味があることや、やってみたいことは挑戦しておきたいですね。
最後に、今の自分にご褒美をあげるとしたら「海で泳ぎたい」と答えてくれた長澤さん。
遠浅の冷たくない海が好きなんです。海でパシャパシャ遊んで、ビーチでゆっくりして。以前、ブラジルのリオから少し離れた海に遊びに行ったことがあって。その海が今でも印象に残っています。また状況が落ち着いたら、旅行をして世界の海で思い切り泳ぎたいなと夢見ています。