いつだって自然体、独自のニュアンスある美しさで世界中の女性から支持されるパリジェンヌ。そのパリジェンヌらしさはどうやってつくられるの? 知られざるその秘密について、生粋のパリジェンヌにして世界を飛び回るビューティジェットセッター、「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」のヴィクトワール・ドゥ・タイヤックに教えてもらうスペシャル連載。第4回目は「パリジェンヌが考えるバカンス事情」について。
-
バカンスに活躍させたいというプリントスカートは日本で購入したもの。
フランス人のバカンスは
ゆっくり自分時間を楽しむこと。7月になると、パリジェンヌたちはこぞってバカンス先へ。長い夏休みを実際彼女たちはどのように過ごしているのだろうか。ヴィクトワールに夏のバカンスについて訊いてみた。
「昔に比べて、若い世代のバカンス時間は短くなってきているけれど、やっぱりフランス人はバカンスが好き。旅行に行くのもいいけれど、ヨーロッパの夏はどこに行っても混んでいるから、私は田舎でゆっくりと過ごすようにしてるわ。今年は8月に2週間ほどフランス南西部・オーシュにある両親の家に行く予定よ。パリからは飛行機で1時間、そこから車で1時間の田舎町で何にもない場所だけど、何もないのがいいの。マルシェに行って食材を買ったり、畑で農作業をしたり、近くの湖に行ったり、読書をしたり。日頃の忙しさを忘れて、ゆっくりとした時の流れを楽しむことができる。私にとってバカンスは普段できなかったことをする時間。今夏は東京で見つけた調理道具を使って、新しい料理にも挑戦したり、ガーデニングもする予定」
-
フランス人にとっては、ゆっくりと自分の時間を楽しむことがバカンスでの最優先事項のようだ。「移動はミニマルにしたいから、サマードレスや夜用のフォーマルドレスは田舎の家においてあるし、バカンス中に読みたい本はすべて送ってしまうの」とヴィクトワール。「9月はフランスでは新学期にあたるから、はじまって2週間はハードな日々。だから、7月、8月はバカンスで静かな時間を過ごしてエネルギーをチャージして、9月からの新シーズンに備えるのよ」
ところで、バカンスのエッセンシャルアイテムは? 「日焼け止めはあまり使わないので、日焼け止めがわりの帽子は必需品。この帽子は日本のフリーマーケットで600円で買ったの! 日本人は帽子が好きだから、選択肢がたくさんあって楽しいわ。あとは本。今夏読もうと思っているのはトマス・ロオカの『御遠足』。それに、ボディのスキンケアで忘れてはいけないのがスクラブよ。肌の露出が増える夏は冬よりもスクラブが必要。このベチバーの根のブラシは軽いしポーチに入る大きさだからとても便利よ」
ヴィクトワールがバカンスで読む予定の本はトマス・ロオカの『御遠足』。「この本は1924年の印刷でエレガントな装丁も好き」
バカンス先でのスクラブケアに持って行く、ベチバーの根のブラシ。 ¥700/OFFICINE UNIVERSELLE BULY(オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー本店 0120-09-1803)
-
ジェットセッターのヴィクトワールに訊く、
トラベル美容。世界中を飛び回るジェットセッターのヴィクトワールは、機内にどんな美容アイテムを持っていく? 「ビュリーの紙ソープは機内でのリフレッシュ用に。種類の違うクシを2本。機内は乾燥しているから、アサイーまたはローズヒップのオイルも欠かせないわ。気分を変えたいときはエッセンシャルオイルのミスト。ukaのネイルオイルも愛用してるの」。旅行には機内用のポーチと美容全般のポーチのふたつに持ち分けているそう。「日本からの便だと、緑茶のペットボトルと軽食用のりんごも必ず」。
最後に、もし日本でバカンスをするとしたらどこに行きたい?と訊いてみた。「北海道に行きたいわ。湖の近くなど素敵ね。最近人気の豪華寝台列車にも乗ってみたい。先日、予約しようとしたら何と6カ月待ち。6カ月後の予定は、今の私にはとても立てられそうにないから、引退してもっとゆっくりできる時間ができたら実現したいわね」