いつだって自然体、独自のニュアンスある美しさで世界中の女性から支持されるパリジェンヌ。そのパリジェンヌらしさはどうやってつくられるの? 知られざるその秘密について、生粋のパリジェンヌにして世界を飛び回るビューティジェットセッター、「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」のヴィクトワール・ドゥ・タイヤック(VICTOIR DE TAILLAC)が答えます。第3回目は「ジュエリーとの付き合いかた」について。
-
この日身につけていたアメジストのピアス。「ジュエリーはケアが大切だから、ときどきショップで洗浄してもらって大切に使っているの」。
イヤリングなしだと
まるでノーメイクで外出する気分。パリジェンヌと話していると、自然と注目してしまうのがジュエリーの素敵なスタイリング。主張しないけれどパーソナリティを表して、着こなしにニュアンスを与えている。そんなさりげないジュエリー使いはどうしたらできるの? パリジェンヌ流のジュエリーとの付き合いかたについて、パリジェンヌに人気のジュエリーブランド「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック」のデザイナーであるマリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックを姉に持つヴィクトワールに聞いてみた。
「私にとってジュエリーはほかの人にとってのメイクのような役割。外出するときにお気に入りのピアスをしていないとノーメイクで出かけるような感覚がするの。口紅を塗っていないと外に出れないというパリジェンヌもいるけれど、私にとっての口紅はピアスね。毎朝、ジュエリーボックスから、今日はどのピアスをつけようかなと着こなしに合わせて選ぶ時間が大好き。ジュエリーと言ってもリング、ネックレス、ブレスレットと色々あるけれど、私はピアス派。耳元で煌めいたり揺れたりするのがフェミニンだし、顔周りに華やかさを演出してくれるわ」
意外にも18歳までジュエリーはあまりつけていなかったというヴィクトワール。はじめてその魅力を発見したのは姉マリーエレーヌが手がける「マリーエレーヌ ドゥ タイヤック」との出合いだったそう。「最初に買ったのは姉のファーストコレクションのドロップピアス。ふたつめはハートのシークエンスコレクション。少しずつ集めてきて、今ではたくさん持っているけれど、すべてのジュエリーに思い出があるわ。今日つけているアメジストのピアスはビュリーのユニフォームカラーであるネイビーににいちばん映える色で愛用しているし、40歳の誕生日にもらったタサキとマリーエレーヌとのコラボコレクションからパールのネックレスもビュリーのユニフォームに合わせてよくつけていたわね」
-
「新作で好きなのはこのピアス。ゴールドとジオメトリックなデザインが気に入っているの」とヴィクトワール。
大人の女性にとって
ジュエリーは美容に勝る。フランス人にとってのジュエリーとの付き合いかたについて訊いてみると、「フランス人にとってジュエリーは特別なもので、高価なものほど一生ものという考えは昔も今も変わってないわ。人生の節目節目で素敵なジュエリーとの出合いがあったし、ジュエリーひとつとっても、そこには必ず意味や愛があって、思い出とともに付けるものだと思っているの。母からも節目の誕生日にはジュエリーを贈ってもらったし、母は今でも私の子供たちにも贈り続けているわ。フランス人にとってジュエリーは常に人生とともにあるものよ」
ガール世代にはまだ早いかもしれないけれど、知っておくとよい話があるわとヴィクトワールが続ける。「あるアメリカ人ジャーナリストの有名な言葉があって、素敵な大人の女性にはふたつの大切なことがあるということ。ひとつは姿勢。年齢を重ねると筋力が落ちて姿勢を保つことが難しくなるけれど、トレーニングをして筋力をつけて、美しい姿勢をキープすることが大事。そしてふたつ目はいいジュエリーを身につけること。一生もののジュエリーは素敵な効果を持っているの。何連ものパールのネックレスを身に付けると首のシワも目立たなくなるし、ピアスは顔周りを華やかにして、シワに目がいかないようにすることもできる。大人の女性にとってすぐ実践できて効果的な美容法にジュエリーは役立つんじゃないかなと思うの」
-
左上から時計まわりに スクエアのピアス(YG)¥123,000 目のピアス(YG×ピンクサファイア)¥219,000 ラウンドピアス(YG×マルチカラーストーン)¥830,000 シェルのピアス(YG×アメジスト×タンザナイト)¥332,000 ラウンドピアス(YG×タンザナイト)¥201,000 ラウンドピアス(YG×サファイア)¥270,000 マルチカラーのピアス(YG×マルチカラーストーン)¥1,7000,000/すべてMARIE-HÉLÈNE DE TAILLAC(エムアッシュテ)
ジュエリー選びに妥協は禁物!
試行錯誤を重ねて
自分のスタイルを見つけよう。フランス人はいとも簡単に自分らしいジュエリーを探して、さりげなくスタイリングしているように見えるけれど、表に決して現れない隠れたティップスはあるのだろうか。「とにかくトライしてみること。好きだなと思ったものをつけてみて、ヘアスタイルや顔色に合うかどうかじっくり吟味すること。リングだったら指の形に合うかと見てみて、何か違うなと少しでも思ったら絶対に買わない。試行錯誤を重ねると、どんなジュエリーが自分に似合うかわかるようになるものよ」
最後に夏に向けておすすめのジュエリー使いは? 「太陽の日差しが似合う、プレイフルなデザイン、それにゴールドは夏にぴったりよ。少し大ぶりのピースも薄手になる夏にはコーディネートのバランスもとれてトライしやすいと思う。高価なゴールドやストーンでなくとも、夏なら素材がコットンのものも。赤やピンクなど明るいカラーも映えると思うわ」
リング 左(YG×スピネル×マルチカラーストーン)¥3,580,000 右(YG×ピンクトルマリン)¥1,000,000/ともにMARIE-HÉLÈNE DE TAILLAC(エムアッシュテ)何事にも研究熱心で妥協を許さないパリジェンヌ。パーソナルなジュエリーもじっくり吟味してワードローブに追加されている。彼女たちのジュエリーとの付き合い方をお手本に、ジュエリー探しの旅をこの夏楽しんでみては?