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孤独に強くなれ。モトーラ世理奈がまとう、光と影の色。

ファッション界のみならず、音楽界や映画界など多岐にわたる日本カルチャーを独自の美意識で牽引してきた伝説のスタイリスト・北村道子。2020年、モトーラ世理奈の主演映画『風の電話』を映画館で観た北村は「一見、脆くて壊れそう。だけど、強い」と、彼女に新しいミューズの姿を見出した。パンデミックや揺れ動く社会情勢で価値観が大きく変化したこの3年。出口のない黒の世界を彷徨っているような孤独や喪失感の中、私たちが忘れなかったのは黒に隠れた色彩と光。北村道子とモトーラ世理奈の個性が渦巻くように共鳴し、オプティミズムが花開くステージの幕が開ける。


反骨心から生まれる鮮烈な光。

時代の波に飲み込まれず、ときに抗い自分の信念を貫き通すこと。「反骨心を持ち続けることが創造のエレルギー」と、スタイリストの北村道子は私たちに語る。いつの時代もファッションを変え、時代を変えてきたのは、心の中で静かに燃える若き戦士たちの炎。仕立ての良いボウタイブラウスには、黒の「サンローラン」のレザージャケットで猛獣使いのような鋭い意思を示す。個の小さな反骨心が、世界を動かす大きなエネルギーになると信じて。


 

確かな強さを、繭のように包み込んで。

脆く、弱い存在が光を放てば、それは強烈なインパクトになる。不完全の中にあるブレない軸、緻密なレースが映し出す荘厳な光、シニカルに笑う道化師の繊細な心……。相反するものも、弱く脆いものも、見た目に惑わされずに本質を受け入れ、見極める知性を養う。センシュアルなオペラコートには、無骨なワークジャケットを忍ばせて寡黙な強さを纏って。その知性と美意識が、現代を生き抜くための力となって背中を押してくれる。


 

時にさえ忘れられた空間で、孤独と遊ぶ。

「若い人はもっと孤独に強くなったほうがいい」と、北村道子は言う。広い世界の中で交錯する寂しさや孤独に直面したときは、あえて異質なものを選ぶ勇気を持とう。人と“違う”ことをためらわず、つい目を逸らしてしまう孤独な気持ちとは、距離を近づけ、仲良く付き合う。混沌の中で秩序と調和をもたらす自分だけの方程式こそ、自由への近道となるのだから。白黒はっきりつける孤高のドレスには赤の情熱を添え、叙情的な余韻を残しながら夜明けのダンスを。

ドレス ¥242,000、パンツ ¥27,500、スニーカー ¥135,500/JUNYA WATANABE(コム デ ギャルソン)

 

黒に眠る多彩な花々。

黒は、想像力を育む色。黒は、赤、青、黄、橙……、色彩が幾重にも重なりつくられる色。視点を少し変えるだけで、世界はどんなときもたくさんの色で溢れているということを思い出させてくれる。そんな想像力を掻き立てるドレスに高揚し、暗闇に眠る花々に明日への希望と夢を見る。自分だけの彩りとスタイルを見つけながら、困難さえも超えていく軽快なメロディーを奏でて。

シャツ ¥154,000、ストール(左) 参考商品、ストール(右)¥88,000、スカート ¥159,500、シューズ ¥127,600/すべてDRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァン ノッテン) タイツ/スタイリスト私物
  • SHOP INFO

    コム デ ギャルソン
    03-3486-7611

    サンローラン クライアントサービス
    0120-95-2746

    ドリス ヴァン ノッテン
    03-6820-8104

    プラダ クライアントサービス
    0120-45-1913

  • PROFILE

    モトーラ世理奈/1998年生まれ。東京都出身。モデル、女優。2015年モデルデビュー、2018年に映画『少女邂逅』で本格的な女優デビューを果たす。2020年に主演した映画『風の電話』が、第70回ベルリン国際映画祭の「ジェネレーション部門」に正式出品。キネマ旬報ベスト・テン 新人女優賞を受賞し、女優としても活動の幅を広げている。 2023年夏、映画『アイスクリームフィーバー』が公開予定。Instagram: @sereeeenam

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