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ようこそ佐久間書店へ。連載で紹介した本の魅力をもっと教えて!
佐久間由衣の、本と花と。VOL.5【特別編】

佐久間由衣がVOGUE GIRL+メンバーのために選ぶ本と花の連載。すでに4冊の本と花、手書きの文章をVOGUE GIRL+メンバーに届けているが、佐久間由衣からのリクエストを受けて、VOL.5の今回はVOL.1〜4を振り返る特別編に。手書きの文字だけではおさまりきらなかった溢れる思い、ネタバレになってしまうから泣く泣く書かなかった感想を存分に語ります。

「今日は、書店の店長になった気持ちでみなさんにもう一度、紹介した本をプレゼンするつもりできました!」と、まずは自分のネームプレートを作るところからスタート。「今回は、VOL.1〜4の連載の中で紹介した本について、メンバーのみなさんからも感想をいただいていると聞いてわくわくしています」と話しながら、名札を完成させた。まだ、本を読んでいない人が手にとるきっかけになればと、熱い思いのこもった手書きのポップも用意。ここからはVOL.1から順に、佐久間由衣のノンストップな本への愛が炸裂!

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「君たちが見上げている世界はちょっと暗くて苦しいかもしれない」
でもこの本があなたの味方になる!

VOL.1の『あこがれ』は、初めて誰かに紹介した本として、エピソードを綴ってくれました。その時はメンバーへのネタバレになると思って書けなかった大好きなシーンがあるんですよね?
そうなんです!麦くんがヘガティーに言った「肩くもう」の描写。子供たちの健気な支え合いが描かれているのですが、私はその部分を読んで涙が止まらなかったんです。ヘガティーを見つけて、お互いに素直に謝りあった後、麦くんが言うんですよね。「肩くもう」って…。「肩?」って、ヘガティーが聞き返すと「肩くむとね、ちょっとらくになるんだよ」って言って、夕焼けが沈んでいくところを2人で見るんです。シンプルだけど、力強い言葉のやりとりが本当に可愛くて、かっこよくて好きでした。

好きな登場人物はいますか?
クラスメイトのチグリスのお姉ちゃんが好きなんですよ。子供の頃、友達のお姉ちゃんって、優しくて大人でキラキラしていて、なんだかかっこよく見えませんでしたか?ヘガティーがお父さんの前の奥さんに会いに行くっていうときにも、パソコンを貸してくれて、何かとお姉ちゃんが手伝ってくれるんですよね。さらっと書かれてるけど、私は、めちゃくちゃ大事な登場人物だと思っています。もし、子供に戻って実写化できるなら私は絶対チグリスのお姉ちゃんを演じたい!ちょっとしか出てこないですけどね(笑)

佐久間さんには弟がいて「お姉ちゃん」の立場でもありますよね。連載VOL.1でも、弟に紹介した初めての本として紹介をしてくれていました。連載で綴った文章への反応はありましたか。
弟はシャイなので普段からあまり多くは語らないんですが「よかったよ」ってボソッと言ってくれました。けど、そこにすべてがつまっているような気がして嬉しかったです。人に本を紹介するって、勇気がいること。私自身も出会った本によって変わる価値観もあるので、当時の私にとってはとても珍しい行動だったと思います。「絶対この本が弟の味方になるはずだから」と思いながら彼に渡したなって…。チグリスのお姉ちゃんみたいに、さらっと手を差し伸べられていたらいいですね(笑)

VG+メンバーからも質問があったんですが、川上未映子さんの作品を読む思ったきっかけは何だったんですか。
川上さんの作品を初めて読んだのがこの『あこがれ』でした。何で読んだのかはちょっと思い出せないんですが読んでみて、子供の頃の自分に出会わせてあげたかった本だなと思いました。そこから、一気に川上さんの作品を読んだんです。出てくる主人公たちはどこか孤独を抱えていたり、満たされてなかったりするように思います。でも、描かれ方がただ悲観的なだけではなくて、希望を探してる。そういった前向きな気持ちが感じられる作品にパワーをもらいます。

コインロッカーで生まれた2人の少年は、
九州の海のみえる孤島で育った母親を探しに
大冒険にくりだす。

日本文学のみならず、80年代以降の文化全体に影響を与えた1冊をVOL.2で紹介してくれました。コインロッカーで発見された子供の実話をもとにした小説で、ちょっとハードルが高いと思う人もいるかもしれないですよね。
そうですね。私が、この本に出会ったのはモデルの仕事をはじめてすぐの頃。友達に教えてもらってずっとカバンの中に入れていたんですが、テーマに重さがあって、まあページが進まない、進まない(笑)。けど、ヒロインのアネモネが出てきてからからすっと読み進められるようになりました。

そうすると、好きな登場人物はヒロインのアネモネ?
1度目に読んだときは、アネモネだったんですけど、今回の連載で読み返してハシが好きになりました。ハシは歌声を褒められたことがきっかけで歌手になり芸能の世界に進んでいくんですが、こういう質問がきたらこう答えるとか、芝居のプランがあって、それをやっていくににつれてどんどん自分を見失っていくんです。人に求められたことに応えることで、自分の価値や存在意義を見出していた彼にとって、誰かの期待に応えるということが優先になってしまった。その結果、自分が何者なのか見失ってしまう。その姿に、共感とまではいかないんですけど、ちょっと気持ちが分かって胸がギュッとしました。

主人公の菊とハシが持っている突き進む強い力は、羨ましいくて眩しいなとも思います。私自身、お芝居をするときに台本をいただいて、一番初めにどうやったらこの中で暴れられるかなと考えることがあるんですが、実際には、それが自分だけのエゴなってしまったら駄目だなとか、理性との間で行ったり来たりするんです。本の中だからこそ描くことができる世界や人間像は、私の想像力を育んでくれているひとつになっているかもしれないですね。

お気に入りのシーンはありますか?
菊が刑務所に入ってからのシーンで、春の運動会があるんです。各班対抗リレーをすることになって、菊のチームにいた中倉は、めちゃくちゃ気合が入ってたんですよ。めちゃくちゃ気合いが入ってたのに、そんな中倉が転ぶんです。いいやつだな、愛すべきキャラクターだなって、声を出して笑ってしまいました。本のテーマや内容によっては、ちょっと読みにくいなとか、読みたいけどページが進まないと思うこともあるんですが、そんなときは視点や本との距離を変えてみるんです。愛をもって面白がれる部分に出会えたことで、この本がさらに好きになりました。

 

タイムマシンがあったなら。
その願い、叶える本ココにあります。

佐久間さんが紹介していたので読んでみましたという声が多かった『タイムマシンでは、行けない明日』。過去を変えてしまった罰を背負って生きていく主人公と、時空を超えて展開する世界が物語の魅力です。主人公の光二のまわりで生きる登場人物もひとりひとり繊細に描かれていますが、印象に残っている登場人物は?
魚住さんかな。最初に登場する世界では、タイムマシンの使い方を教えてくれた研究室の先輩。主人公の光二は、その魚住さんにもう1つの世界で鍵を返しに行くことになるのですが、そこでお茶が出されるんです。もともと研究室でも、魚住さんのお茶はおいしくて、握るおにぎりもおいしいことで有名だった。違う世界で出会っても、魚住さんがいれるお茶の味は一緒だったというシーンがあって、そこがすごく好きです。違う時空を生きても、人は根本的には変わらないのかもしれないな、そう思いました。私も、こうだったらいいのになとか、こういう選択をしてたらどうなってたんだろうなとか、過去を後悔することがあるのですが、どんな選択してても私は私、根本的には変わらないんだということをこの本で気づかされました。

お茶の味が変わっていなかったという描写は、物語の本質ともリンクするような気がしますね。運命が変わっても出会うべき人には出会うし、変わらないものは変わらないという部分。
そう、そうなんです。もし、この作品が映像化して私が監督をすることになったとしたら、このお茶のシーンを大事に撮りたい(笑)。丹羽くんの表情も、大切に、大切に撮影したいです。あと、高校生の光二が恋をした長谷川さんの描かれ方も好き。特に、三島由紀夫の『美しい星』を読んでと光二に渡すシーン。女の子からしたら、これってラブレターじゃないですか。思春期の淡い恋心を三島由紀夫に託す描かれ方も好きだし、なかなか進まなくて読めなかったとか言ってる光二にも、なんてかわいいんだとキュンとしました。

メンバーからは、物語の構造が複雑で何回か読みましたという声も!
私もそうです!1回目に読んで、その後すぐに後半から読み直して、ネットの推察みたいなものも検索してしまいました。1回読んでハイ終わり、とならなかった部分も含めて楽しかったんですよね。調べていたら、関連している物語も出版されているみたいなんです。『ふたつの星とタイムマシン』というタイトルのようなんですが、何かヒントがあるのかな。まだ読めてないので、読みたいなと思っています。

畑野智美さんの作品のどんなところが好きですか。
あくまでも私が感じたことになるのですが、畑野さんが描く世界は苦しい現実の中にもロマンがあるなと思いました。女性のストーカーや学生の貧困問題など理不尽なシチュエーションを題材にした作品もあるのですが、周りの人が力になったり支えてくれたりすることを描いているところに希望を見出せるんです。『消えない月』という小説もおすすめなので、ぜひ読んでほしいです。

迷える大人たちここに集合!!

VOL.4は児童文学の名手、森絵都さんの『カラフル』。「今を生き抜くためにひとりひとりに届けたい本」として紹介してくれました。連載で紹介するためにもう一度読み返していたときに気になったことがあったとか?
『カラフル』のタイトル通り、この本は色の描写が素敵だなと思っていたんです。主人公の真の気持ちを知れる気がして、今回連載で紹介するにあたって、出てきた色をひとつひとつ検索してみました。気がついたのは、真の気持ちがちょっと荒れてるときは空も雨が降っていて、受験の日とか気持ちが前向きになっているときは、空も晴れていているということ。そんなふうに天気と真の気持ちもリンクしている部分がある気がして、それを見つけられてちょっと嬉しかったです。

小説の中で印象に残っているのはどんなシーン?
真とクライメイトの早乙女くんとの友情が、なんだか素敵だなと思って読んでいました。距離感がいいんですよね。スニーカーのお店を教えてくれたのも早乙女くんだったし、べったりな距離感ではないんだけど困ったときにふと助けてくれる、その2人の関係がいいなと。

物事をいろんな角度からみなければといけないなと、大人になった今こそ考えさせられる1冊。今、読めてよかったですという感想が寄せられていました。佐久間さんはこの物語を読んでどう感じましたか。
前世で失敗した下界で誰かの体をかりながらもう一度生きるチャンスを与えられて、自分の犯した罪を思い出さなければいけないというストーリーで進む物語。けれど、その犯した罪っていうのは自殺で、もう一度生きるチャンスを与えられたのは自分自身の体だったということを知る最後。今の社会に通じるシリアスなテーマですが、森絵都さんの温かな言葉で優しさが失われずに描かれている。まっさらな状態にリセットされたことによって、分かることがあるという物事の本質に気づかされる作品です。一見、ファンタジーのようにみえる奇想天外な設定のおかげで、大切なことをより深く、何層にもなって感じることができた物語だった気がします。本当に、大人になった今こそ読んでほしい本ですね。

 

YUI SAKUMA’S 90s CHALLENGE

「これから連載で紹介された本を読もうと思っている人に1冊だけ紹介するならどれを選ぶ?」という質問には『タイムマシンでは、行けない明日』をピックアップ。制限時間90秒の動画の中で、この本をアピールして!という編集部からのお題にチャレンジ。

 

QUESTIONS FROM VG+MEMBERS

VG+メンバーから届いた本に関する質問に、佐久間由衣が可能な限りアンサー!

今、どんな本を読んでますか。本を選ぶときは、どんなポイントで選びますか。
本選びの入り口って、迷いますよね。私の場合は、好きな作家さんの好きな作家さんの本を読んだり、Amazonで出てくるおすすめを買ったりします。タイトルと表紙のデザインを見て本屋さんで、純粋にパケ買いをすることも!もちろん、私にはちょっと合わなかったなと思うものもあるんですが、それでもやっぱり手に取ってみないとわからないってとこありますよね。

佐久間さんにとって、本は常に読むもの?
はい、どんなに忙しくても。今は鷺沢萠の『私の話』というエッセイを読んでいます。小説で活字にパンクしそうなときには、漫画を挟むようにしています。

連載の中での丁寧な言葉選びが印象的です。文章を書く上で、一番影響を受けた思う作家は?
詩人の金子みすゞさんです。出会いは小学生のとき。祖母の本棚にあって、シンプルなのに美しい文章に惹き込まれました。誰も否定しないし、傷つけない、言葉から滲み出る優しさを感じます。

佐久間由衣さんのことがもっと知りたくて、連載の本を読んでいますという声も!
嬉しいです。ありがとうございます!こういう本が好きですって言うことは、私ってこういう性格ですって言ってるようなものなので恥ずかしさもあるんです。中村文則が好き、太宰治が好きって発信することも、自分のことを表現することのひとつ。連載で紹介している本は、VOGUE GIRL+のメンバーのみなさんに本を通して前向きな気持ちになってもらいたいと思いながら選んでいるので、まだまだ出せてない部分はたくさんありますが次回からも期待してほしいです!

  • 佐久間由衣の、本と花と。

    佐久間由衣が手書きで綴る、過去の連載はこちらから。

    VOL.1

    VOL.2

    VOL.3

    VOL4

  • 佐久間由衣

    1995年、神奈川県生まれ。2014年映画デビュー。現在『ひきこもり先生』(NHK総合)に出演中。今後、2021年7月6日よりスタートする連続ドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ)、そして9月17日より主演映画『君は永遠にそいつらより若い』の公開が控える。

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