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佐久間由衣の、と花と。VOL.3

佐久間由衣がVOGUE GIRL+メンバーのために選ぶ本と花の連載第3回。ページをめくる度にふつふつと湧き上がる高揚感や自分の中に生まれた感情を、手書きの文字で丁寧に綴ります。

はじめに

戻りたい過去がある。受け入れられない現実もある。“運命”という言葉だけでは片付けられない出来事に対して、「時間が解決する」とか「それでも前に進まなければならない」という言葉は何度も聞いてきました。でもその時に、“過去に戻る”という道を選ぶことができたならば……? 過去に戻る選択肢を手に入れた主人公は、目の前から消えてしまったあの頃の彼女に「もう一度会いたい」と願い、時空を超えた壮大な物語に巻き込まれることになります。その結末は決してハッピーエンドではないけれど、成仏できない思いを抱えている人には、絆創膏のようにそっと傷口を癒してくれる一冊になるはずです。(佐久間由衣)

今月の

『タイムマシンでは、行けない明日』畑野智美(著)(集英社)

  • あらすじ

    ロケットの発射台がある島に住む高校1年の丹羽光二は、長谷川葵という同級生に恋をしていた。初デートの日「ロケット飛ばして、金星まで会いにきて!」という言葉を最後に、葵は光二の前から永遠にいなくなってしまう。もう一度、恋した彼女に会うため、事故から彼女を救うために大学で研究を続けていた光二は、研究室にあったタイムマシンで過去へと戻れることになって……。そこで彼を待っていた世界とは? 果たして、運命を変えられるのか? 時空を超えて描かれる恋愛小説。

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今月の文

今月の花

  • 今回は「本の世界をちょっとだけ再現しよう」という視点で、あえて物語にも出てくる桜をセレクト。主人公の光二が生きた大学の研究室のような、はたまた葵との思い出が詰まった図書館のような場所に桜をそっと飾ってポラロイドで撮影した。「ポラの質感が、時が分からないようなアナログさを生み出してくれて、物語の世界に近づいた気がします」。

おわりに

幼い頃、もう二度と会うことができない人への手紙を、ポストに投函したほろ苦い思い出があります。こんなことを言ったら笑われてしまうかもしれないけど、ポストの中はタイムマシンみたいになっていて、もしかしたら相手に届くかもしれないと思ったんです。そんなはずは決してないのに、当時は気で考えた策。(それくらい自分の中だけでは消化できない、やり場のないの思いを抱えていたんだ、と今となっては思います)

数年前、この小説と出会ってやっとその時の思いが成仏できたような気がしていました。今回の紹介をすることで、私の気持ちはさらに豊かな思い出とともに上書きされた気がします。本を閉じた後、青空を見上げたくなって、周りにいる人達を笑顔にしたいと思える本。ぜひ、みなさんにも触れていただきたいです。(佐久間由衣

「ポストの中はタイムマシンだと思っていて……」という奇想天外な体験を編集部でも話してくれた佐久間由衣。VOL.3では、彼女の想像力と体験が不思議とリンクするような本を紹介してくれています。自分が変えた過去によって別の時空で生きることになる物語の主人公ですが、出会うべき人たちには何が起こっても、例え時空を超えたとしても出会う。SF恋愛小説と一言では片付けられない、そんな強い縁や絆が描かれている一冊です。佐久間由衣は『タイムマシンでは、行けない明日』に出会うべくして出会った、今回の原稿を読んでそう思わずにはいられませんでした。メンバーのみなさんにとっても、そんな本と出会えるきっかけとなっていれば嬉しいです。(編集部)

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  • 佐久間由衣

    1995年、神奈川県生まれ。2014年女優として映画デビューを果たし、以降NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)、主演映画『“隠れビッチ”やってました。』(2019)他多数出演。2020年12月から2021年1月にかけて行われた舞台『てにあまる』では、柄本明や藤原竜也、高杉真宙ら個性派俳優との共演が話題を呼んだ。今後は、NHK土曜ドラマ『ひきこもり先生』(6月12日より)、主演映画『君は永遠にそいつらより若い』の公開が秋に控えている。

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