幼なじみのふたり、スージー・チュンとフィリス・チャンが2019年に立ち上げたNY発ブランド「ヤンヤン」。彼女たちが着目したのは、世界中の有名ブランドの生産を請け負う中国の工場にて生産の過程で中途半端に余ってしまったり、デッドストックとなっていた高級ヤーン。良質な糸をフレッシュなアイディアで紡ぎ直した「ヤンヤン」のニットはオリジナリティとぬくもりに溢れ、US『ヴォーグ』で特集が組まれたり、おしゃれミュージシャンやモデルたちのファンベースを獲得したりと、話題に欠かない。ポップに、軽やかに「サステナブル」を体現する彼女たちを来日中にキャッチして、話を伺いました。
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ニットの素材感を活かした鮮やかなカラーリングが楽しい2020SSコレクション。
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ニットの素材感を活かした鮮やかなカラーリングが楽しい2020SSコレクション。
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ニットの素材感を活かした鮮やかなカラーリングが楽しい2020SSコレクション。
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ニットの素材感を活かした鮮やかなカラーリングが楽しい2020SSコレクション。
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大切なのは、自分たちのアイデンティティ。
ふたりの出身と馴れ初めは?
スージー 私は香港生まれで、オーストラリアの小学校に通って、中学生以降は、香港に住み続けています。フィリス 私はカリフォルニアで生まれ、小さい頃はいろんな都市を転々として、9歳のときに香港へ。スージーとは高校で出会ったんです。音楽やファッション、映画など、好きなものが似ていたので、すぐに意気投合。20年くらいの仲になります。
スージー 「ヤンヤン」は、そんな私たちふたりで立ち上げて、今ではNYや東京にもスタッフが数名いますが、みんな友達や同級生だったりと、人との繋がりを大事にしています。小さくて仲が良いチームだからこそ、生産やブランディングのことをコントロールできるし、価値観を深く共有できていると思います。
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大切なのは、自分たちのアイデンティティ。
ふたりの出身と馴れ初めは?
スージー 私は香港生まれで、オーストラリアの小学校に通って、中学生以降は、香港に住み続けています。フィリス 私はカリフォルニアで生まれ、小さい頃はいろんな都市を転々として、9歳のときに香港へ。スージーとは高校で出会ったんです。音楽やファッション、映画など、好きなものが似ていたので、すぐに意気投合。20年くらいの仲になります。
スージー 「ヤンヤン」は、そんな私たちふたりで立ち上げて、今ではNYや東京にもスタッフが数名いますが、みんな友達や同級生だったりと、人との繋がりを大事にしています。小さくて仲が良いチームだからこそ、生産やブランディングのことをコントロールできるし、価値観を深く共有できていると思います。
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大切なのは、自分たちのアイデンティティ。
ふたりの出身と馴れ初めは?
スージー 私は香港生まれで、オーストラリアの小学校に通って、中学生以降は、香港に住み続けています。フィリス 私はカリフォルニアで生まれ、小さい頃はいろんな都市を転々として、9歳のときに香港へ。スージーとは高校で出会ったんです。音楽やファッション、映画など、好きなものが似ていたので、すぐに意気投合。20年くらいの仲になります。
スージー 「ヤンヤン」は、そんな私たちふたりで立ち上げて、今ではNYや東京にもスタッフが数名いますが、みんな友達や同級生だったりと、人との繋がりを大事にしています。小さくて仲が良いチームだからこそ、生産やブランディングのことをコントロールできるし、価値観を深く共有できていると思います。
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大切なのは、自分たちのアイデンティティ。
ふたりの出身と馴れ初めは?
スージー 私は香港生まれで、オーストラリアの小学校に通って、中学生以降は、香港に住み続けています。フィリス 私はカリフォルニアで生まれ、小さい頃はいろんな都市を転々として、9歳のときに香港へ。スージーとは高校で出会ったんです。音楽やファッション、映画など、好きなものが似ていたので、すぐに意気投合。20年くらいの仲になります。
スージー 「ヤンヤン」は、そんな私たちふたりで立ち上げて、今ではNYや東京にもスタッフが数名いますが、みんな友達や同級生だったりと、人との繋がりを大事にしています。小さくて仲が良いチームだからこそ、生産やブランディングのことをコントロールできるし、価値観を深く共有できていると思います。
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左からスージーとフィリス。お互いに10年間アパレル企業に務めたあと、自分のブランドを持つという夢を2人で実現。
ポップな色彩やチャイナ服のディテールがアクセント。個性的なデザインのインスピレーションは?
フィリス 私たちに共通している自国の文化のヘリテージは大事なインスピレーションです。中国の古い写真からインスピレーションを得ることも。香港映画の色彩も、街中に溢れているエネルギーもデザインに取り込みます。スージー あとは、自分たちの祖母のワードローブも大切なソースのひとつです。頭の先から足もとまで花柄を着たり、チーター柄だったり、誰に見られるとか気にせず、自分が気に入ったものを着ていますよね(笑)。誰を気にすることなく、自由。
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PHOTO:GETTY IMAGES幼少期を思い起こさせてくれる80年代90年代の香港映画がふたりのお気に入り。なかでもフィリスが香港そのものだと話すウォン・カーウァイの『花様年華』(2000)。スージーのお気に入りはチャウ・シンチー監督の時代劇。
フィリス そんなケアフリーなアティチュードは、服作りにもつながっていると思います。みんなが追いかけるトレンドにはさほど関心がなく、自分たちのなかにあるアイデンティティを表現しようって。なので、突然「来春のテーマはニースにバカンスに来たブリジッド・バルドーをコンセプトにしましょう!」みたいな発想にはなりません。それは私たちのスタイルや馴染みのある光景ではありませんから(笑)。じゃあ私たちらしさってなに?と考えたとき、それは記憶のなかに実在するもので…例えば自分たちの大好きな祖母の服、訪れた街で見かけたカラーや小さなディテールをデザインに反映することだったり。私たちの中でブレないもの、普遍的なものがインスピレーションになっています。
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PHOTO BY INSTAGRAM/@yanyanknits/YanYanインスピレーションになった写真の1枚。女性たちが着ている衫褲(シャンク)と呼ばれるツインセットは、カジュアルな家庭着だったそう。
「サステナブル」は、当たり前な感覚。
ニットブランドをはじめた理由は?
フィリス ふたりが大好きなものをつくれる場所が欲しかったからです。ニットを選んだ理由は自然な流れで、私はNYブランド「ラグ&ボーン」でニットのデザインディレクターをしていて、スージーはテキスタイルデザインの経験を積んでいました。私たちのスキルを掛け合わせれば他にはない面白いものができるに違いない!と思ってスタートしました。スージー しかも、良質なニットの残り糸をたくさん所有している数々の工場と、フィリスが前職からお付き合いがあって。世界中の有名ブランドのニット生産を請け負うその工場には、大量の種類の糸がそれぞれ少量ずつ残っていました。10着ぶんくらいしか作れない量の糸なので、それを欲しいという会社は今までなかったんだと思います。私たちはそれらを買い取って、新しいニットをつくるブランドを立ち上げることにしました。
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PHOTO BY INSTAGRAM/@yanyanknits/YanYan鮮やかな色彩が目に残る、香港のSham Shui Po地区の街並み。
フィリス そのシーズンに使えそうな糸をピックアップし、それに何を掛け合わせたら新しくなるかを考えていきます。カンフー着のようなボタンをつけてみたり、いろんな色の余り糸を組み合わせてレインボーのような配色にしてみたり。
スージー もし、私たちの服が古着となって次、さらにその次のオーナーに受け渡ったとしても美しく、大事にしてもらえるものでないといけません。だからこそ、高品質の糸を再利用することに魅力を感じています。
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そんな「もったいない精神」が、結果的に「サステナブル」に?
フィリス 「ヤンヤン」は「サステナブルなブランド」と括られますが、そこを意識してスタートしたわけではありません。捨てられるはずの糸を使った方が、より有意義なものづくりができると思ったから使っています。サステナブルであるというのは私たちにとって大切な基準のひとつですけども、あえて打ち出すこともないと思っています。スージー 私たちのブランドはサステナブルというよりも、“堅実的“という表現が合っている気がします。私たちは小さなブランドだからこそ、スマートである必要があります。
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フィリス そうですね。「グリーンなブランド」として売り出すことは考えていませんでした。製造工程から無駄を減らす、リユースする機会があったからトライした、というわけです。私たちに限らず、サステナブルを掲げていない会社ほど、自然とサステナブルな取り組みをしていたりします。例えば、日本にある小さな工場では水と石鹸だけしか使わない昔ながらの製造工程を貫いているけれど、彼らは自分たちをエコだと、考えたこともないのではと思います。ただ人や自然に配慮しながら、誠実にものづくりをしているだけのことです。それに「サステナブル」って、掲げるのはとてもトリッキーです。1つ残らずすべての基準をクリアしてないとまわりから非難されるもあります。でもその基準自体が曖昧だったり、必ずしも賛同できる内容でなかったりします。必ずしも地球にやさしいと限らない「オーガニック認定」に似ているところがありますよね。誰かに承認されることよりも、自分たちのなかで、なるべく誠実に、そしてスマートにブランドを経営していきたいという想いがあります。
スージー いつもパーフェクトにはなれないけれど、「より良い」選択をできるように常にベストを尽くしたいですよね。
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高価なニット素材を使っているので、美しい発色と柔らかな着心地に定評がある。ノスタルジックな花モチーフのパッチワークなど、遊び心あふれる新しい視点でデザインをしている。
ファストファッションの逆を行く、新たな挑戦。
少量ずつしか生産しない、そのこだわりは?
フィリス 毎シーズン工場と相談して例えば10着ほど作って、それが売り切れたら追加の受注を募ります。もしウェイトリストの数が一定数を超えたら、また素材を新たに切り出すというふうに、買い手がほぼ決まっている状態で生産しています。スージー 私たちなりの“スローファッション”な流れが気に入っています。注文してから商品が手に入るまでに時間がかかるぶん、お客さん側も本当に欲しいものか吟味して選んでくれてます。だからすぐに飽きたりせずに、大事に着てくれるのだと思います。
フィリス 小売店に卸す際も、セールをするのを見越した大量発注はお断りしています。丁寧にセールスしてくれる取引先と自分たちがオンラインで売れるぶんだけ生産しています。場合によって、糸があるぶんだけしかつくりません。なかには、2度と作られないものもあります。なので一つ一つのピースがスペシャルで、想いが込められています。
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スージー それと、ヤンヤンでは、シーズンごとに在庫を総入れ替えするようなことはしません。シーズンをまたいで残ったものも、そのまま値引きせず、オンラインで購入できるようにしています。とはいっても、生産数をコントロールしながら小ロットでつくっているので、そもそも売れ残ること自体が希です。
フィリス 業界のなかでもファストファッションの逆をいく、新しいことに挑戦していると思います。私たちのような小さな会社だからこそ、ひとつひとつのことを自分たちでジャッジできる。今よりよくするためは?と、実験的なアプローチもたくさん仕掛けていけます。
スージー つくったものに対してきちんと責任あるブランドでいたいです。常にブレず、自分たちが関わる環境と、自分たちのルーツに対して誠実であることが、私たちの考える“サステナブル”な姿勢なのかもしれません。