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金曜の夜はaggiiiiiii散歩 第37回:「夏だ! 吸血鬼映画を観よう!」

この間、なんとはなしに夜中にフランシス・フォード・コッポラ監督の『ドラキュラ』(1992)をはじめて観たのですが、これが本当にすばらしかったのでその感動をお伝えしたいです! 子どもの頃は赤川次郎さんの吸血鬼シリーズやドイツの児童文学「ちびっこ吸血鬼」シリーズが大好きで、大人になったらルーマニアに行ってドラキュラの研究をするのが夢だった(すっかり忘れていたけど)自分が、今日になるまでこの映画を見逃していたとはいったいなんたることでしょうか。

DRACULA (1992) - GARY OLDMAN - KEANU REEVES.PHOTO: AFLO/Album

ブラム・ストーカーの原作『吸血鬼ドラキュラ』にかなり忠実につくられたと言われるこの作品では、当時まだ20代の、目を見張るほどに美しいキアヌ・リーヴスとウィノナ・ライダーの姿を拝むことができます。が、なんといってもあのゲイリー・オールドマン演じるドラキュラ伯爵がもう、おそろしいのなんのって。とある悲しい事件をきっかけに物語は幕を開けるのですが、それから四世紀……というナレーションのあとに登場する彼の姿にまず度肝を抜かれ(あれからずっと生きてたんだなということが明らかにわかる)、そんな彼を訪ねてロンドンからトランシルヴァニアにはるばるやってきた清廉潔白のキアヌをもてなしながら、ドラキュラが「excuse me that I do not join you, but I have already dined and I never drink…wine.(お付き合いできず申し訳ないが、もう夕食は済ませているんだ。ワインも自分は……嗜まなくてね)」というシーンは最高に不気味。

600aflo_NOZA0313682-772x1176PHOTO: AFLO/Album

そしてこのゴシックホラー的世界観を見事に表現した衣装美術を手がけたのが、今は亡き日本人アーティストの石岡瑛子さんです。吸血鬼の欲望の餌食となり、墓場で不運な最期をとげる美女(セイディ・フロスト)の「死のウエディングドレス姿」のシーン(写真下)は、映画史上に残る名場面ではと思わせる美しさ。アンソニー・ホプキンスやトム・ウェイツ、モニカ・ベルッチなど脇を固めるキャストも豪華です。また、余談ですがこれを観ている時、怖すぎてもう横で回っていた扇風機を止めました。省エネ対策にもよさそうです。

DRACULA (1992).PHOTO: AFLO/Album

ちなみに幼い頃のわたしは吸血鬼にあこがれるあまり、母親に頼んで赤チン(わかりますか?実家に眠っているような赤い塗り薬……)を首筋にちょんちょんとつけてもらって、まるで吸血鬼に噛まれたような二つの赤丸を描き、鏡でそれを眺めて悦に入っているような子どもでした(今思うと完全に頭おかしい)。ところが肌が弱かったためにその赤チンで首がかぶれてしまい、しばらくはリアルに痛々しい傷跡のようになってしまったというトホホな思い出があります。
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aggiiiiiii(アギー)
兵庫県生まれ、東京在住。2007年よりオルタナティブカルチャージン『KAZAK』をはじめ、2013年にはソフィア・コッポラ監督『ブリングリング』のオフィシャルファンジンも手がけた。とりあえずなんでもDIYでやろうとする。旅行が好き。http://www.kazakmagazine.blogspot.jp

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