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VOGUE GIRL with BOY FRIEND
Guest:小関裕太

フレッシュな才能とルックスで注目を集める、旬な男の子の素顔にせまる連載がスタート!レトロポップなインテリアで国内外のファッショニスタが足繁く通う新宿の「Café & Bar CHAOS」を舞台に、VOGUE GIRL副編集長とゲストが本音のボーイズトーク。第27回は、すでにキャリア17年!温和なムードと繊細な演技力で、同世代の俳優の中でも独自のポジションを築き始めた小関裕太くん。

小関裕太くん、今何歳?
今年で25になります。

子役から活躍しているけど、俳優としてはどのくらいになるの?
17、18年くらいですかね。

長い!
そうですね。デビューが8歳の頃でした。

芸能界に入ったきっかけは?
タップダンスでした。映画『メリー・ポピンズ』を観て、「屋根の上で踊ってるの、あれなんだろう?」って親に聞いたら「タップダンスだよ」って教えてもらって。それからダンススクールに入って、そのダンススクールの中に小さな事務所があったんです。僕の両親は色々協力的で、習い事をやりたいって言ったものをなるべくやらさせてもらえる環境だったので、水泳に空手、タップダンスに芸能界・・・みたいな流れで。

最初の仕事は覚えてる?
CMでした。オーディションを受けたら受かっちゃって。「あれ、受かるもんなんだね」って家族ともちょっと驚いて。ダンスが好きだったから、その頃はミュージカルのオーディションも受けました。ライオンキングやアニーのタップキッズとか。

それが7、8歳の頃。もうすでに15年以上のキャリアがあるんだ。
そうですね。

じゃあ、芸能界で活動するのは小関くんにとって日常?
そうですね、まさに。

日常だからこそこうして話していても自然体に感じるのかも。声とかかけられる?街中で。
かけられないですね、あんまり。

そうなんだ、背も高くて結構存在感ある。
東京は人と人との距離感があるので、街を歩いていて、気付いていただいたとしても「あ、いるね」とかっていうくらい。

ちょっとそっとしておいてくれる感じ?
はい(笑)。

僕も小関くんのことをいつの間にか知っていた。という感じなんだよね。
それは嬉しいです。

とはいえ今24歳で、去年一昨年くらいから知名度もぐっと上がってきているよね。今までのキャリアは順調だった?
あんまり落ち込んだ時期とか闇期みたいなのはあんまりなかったんですけど。もちろん自分の中では色々あったけど、キャリアにおいてはそういうのがなかったと思います。ターニングポイントと思えることが、3年に1回くらいで自分の中であって。

どんなターニングポイントがあったの?
まずは小学5年生の時にNHKの『天才てれびくんMAX』に3年間出てこと。そこが学校や家よりも1番いた場所だったので、1つホームになってるかなと。今でもNHKに行くと、家に帰ってきた感覚にを味わえるのは、大人になってからこういう仕事を始めた人とはちょっと感覚が違うのかなと思いますね。

NHKを家と同じように思えるって凄い(笑)!
はい(笑)。それから中学時代はずっと舞台をやって、中学3年生で『テニスの王子様』というミュージカルに出演したんです。それがまた1つターニングポイントだった。長期間同じ役を演じるっていう大変さと、同じスタッフの方、同じキャストの皆さんと一緒に1つのゴールに向かってずっと走り続けるっていう青春は、男子校みたいな感覚でした。で、高校3年生の時に初主演舞台に出演させてもらって、その時がめちゃくちゃきつくて。

何ていう作品だったの?
『FROGS』という岸谷五朗さん演出の作品で、ちょうど高校のテスト期間中に芝居の稽古があったんです。それまで僕は学業と仕事を両立をしてる時が一番両方ともはかどるっていう性格だったんですけど、本当の両立のキツさっていうのを感じて。

2つがうまく相乗効果になっていかない感じだ。
「あれ、僕ってどちらも120%でやっている実感が一番楽しかったのに、それぞれが100%にも満ちてない、50%50%になっちゃってる・・・。本当に勉強に関してもお仕事に対しても、ちゃんと向き合えているのかな」って疑問を覚えた瞬間にお芝居がすごく辛くなっちゃって。ちょうど高校3年で進路を考える時期だったんですけど、歌もダンスも好きだし、音楽も人と会うことも勉強も好き。何でも好きだけど、自分が1番努力しないと得られないもの、自分が苦手なものって芝居なのかもしれない。だからちゃんと向き合ってみようって思ったのが、仕事への意識というか頑張ろうって思い始めたきっかけでした。

高校3年生の時に、すでに大きな経験をしたんだね。
1つ大きいですね。その後いろいろ出演させていただきましたけど、この3つがターニングポイントになってるかなって思います。

撮影現場は今でも緊張する?
します。 昔より緊張はするようになったと思います。

逆に? それは何でだろう?
責任感ですかね、多分。「この役を小関裕太が演じたからよかった」としなきゃいけないという責任感。何より現場の空気感ってすごく大事で、スタッフの方たちがカメラが回ってないリハーサルで「あ、このお芝居面白い」とか「この空気感面白い」って感じたときに、良い作品が生まれることが多いんです。 結構リハーサルって大事で、そこが一番プレッシャーに感じます。 リハーサル一発で決めなきゃ、みたいな。勝手に責任感がありますね。

ボーイフレンドでも、毎月いろんな俳優さんにお会いしているんだけど、今24~25歳の俳優ってすごく層が厚いじゃない?
そうですね。いい言い方ですね、層が厚い(笑)。

(笑)。それぞれ個性があると思うんだけど、小関くんは他の人の活躍を見て気になったりする?
同年代の芝居を見て勉強もします。それだけじゃなくて、最近特にバラエティの番宣の仕方も役者さんの仕事の内の1つだと感じてきて。同年代の人たちも言葉がうまいんですよね、 伝え方が上手い。番宣をさせていただく番組の中で、どれだけストーリーに魅力があるかって言うのを端的に伝えるのってすごく難しいなって思って。せっかく頑張った作品だから僕もたくさんの人に見てもらいたいし。 そういうところを同年代から勉強させてもらったりします。

焦りとかライバル心ってあったりするの?
10代の後半はありました。

今はもう?
今はもう自分のやりたいことが見えているので、僕は僕の中でそれを貫いて、よりクオリティの高い自分になって30代を迎える。今の同年代が30代になった時に、1つの作品にみんなで立ったら面白いんだろうな、という理想があります。

なるほどね。役者の友達は多い?
うーん、そうですね、いるほうだと思います。ただ僕があんまり飲まない方なので。

お酒を?
お酒は好きなんですけど、セリフ読んだりするのがお仕事であり趣味でもあるので、ワクワクしちゃうととにかく研究したくなって部屋に籠ることが多いんです。そうするとどうしても作品中は友達に会えなかったりするので。頻繁には会えていないですね。

役者友達と会った時には演技の話とかはするの?
あまりしないです(笑)。同年代で僕がよく会うのは、神木隆之介くんや須賀健太くん、加藤諒くんとかなんですけど、子役からという境遇だけでなく、学校が一緒だったこともあるんです。

そうなんだ。
学年が違ったりしても、学生時代ホームルームとかでは会ったりしてたんです。仕事で一緒になったっていうよりはプライベートで会うことが多かったからこそ、 今でもプライベートの話ばっかりしますね。「最近どう?」とか「美味しいものあった?」とか。

普通の男子に戻る感じだ。
でもたまに、たとえば隆之介さんだったら声優として才能にあふれているので、僕が初めて声優のオーディションを受けるときにアドバイスもらったり、練習に付き合っていただいたりとか。そういう面で演技のことについて話すことはありますね。

小関くんは、自分の武器、自分にしかない魅力って何だと思う?
やっぱり、苦手なものがないことですかね。苦手なものを得意にすることが趣味でもあるのかな、と思います。

俳優として、どんな瞬間がこの仕事最高って感じる?
打ち上げ(笑)。乾杯が美味しいといいですよね。苦い思い出がある現場とかだと、乾杯もやっぱり苦くなっちゃう 。

後悔というか「もうちょっとこうしとけばよかったな」とかがあると?
そうです。 もちろん現場も大好きだし皆さんに届く瞬間も大好きなんですけど。最終的にスタッフの方も含め全員で「いい形で終われたね!」という達成感を共有できるのが乾杯の瞬間だと思うから、総称して「打ち上げの瞬間」がいいのがいいかなって思いますね。

放送中のドラマ『来世ではちゃんとします』はいい打ち上げできそう?
「ヒットしました!」っていう打ち上げだったので気持ちよかったです。

そっか、全部撮り終わってるんだ。
そうなんです。今回は放送し始めてから全体で打ち上げしたんですけど、結構いろんな方に見ていただいているみたいで、テレビ東京の中では”来世ちゃん”現象と言われているらしいんです。プロデューサーの方も挨拶の時に「上司に褒められました!皆さんありがとうございました」って。みんなで「よかったね!」っていう打ち上げでした。

にしても、このドラマの設定すごいよね(笑)。
そうですね、言葉も選ばず(笑)。放送コードも大丈夫かな?ていうぐらい。

改めて、小関くんはどんな役?
ヤリチンの役です(笑)。

ずばり(笑)。しかもダメ男。
メンヘラ培養男って言う名前が付いています。

(資料を見ながら)アー写もなんか陰がある(笑)。
僕も見たとき、これを選ぶんだって思いました(笑)。本人は悪気がないんだけど、女性たちがどんどん付き合いの中でメンヘラ化していっちゃうっていう役なんです。付き合うことにあまり重きを置いていない男。セフレAちゃん、Bちゃん、Cちゃんっていうのが作品の中でも出てくるんですけど、「なんでみんなはエッチをすると男に依存してくるんだろう」みたいなことを言うような男なだけでなく、「他の人ともこういうことしてるんでしょう?最低!松田くんにとって私って何なの?」とか言われたら「ごめんね」って謝り出す。「俺不器用で変えられないから、もし亜子ちゃんのことを傷つけちゃうんだったら、僕亜子ちゃんのこと好きだから、もう会わない方がいいんじゃないかな」「そんなこと言わないで・・・」みたいな。

最低だよね(笑)。
(笑)。女性に「会わないとかそういうのじゃないの!」て言わせるように持っていく男なんですよね。そういう男です。

小関くんみたいに甘い人雰囲気な人が演じると「出会ったのが地獄だね」って思う(笑)。
僕も出来上がり見てそう思いました。

メンヘラ培養男を演じてみてどう?
演じていて楽しかったです。撮影も、みんな同じシチュエーションでベッドに押し倒して行くので、カメラワークもあえて同じにしていて。引きで窓の外から同じポジションにいって「好きだよ」って言ってそのままベッドイン、みたいなのを、Aちゃん、Bちゃん、Cちゃんで代わる代わる撮影、病院みたいに「はい、次どうぞ」みたいに。なかなかない経験しちゃいました(笑)。

ドラマが始まってどう?周りからの反応は。
男として見られるようになりました。現場に行っても、普段生活してても、今までは自分で言うのもなんなんですけど、かわいいっていう形容詞を使われることが多くて。「僕も男らしくなりたいな」って思っていたんです。別にこの役を演じて自分の生活が変わったことはなかったんですけど、応援して下さる方々の視点が変わったと言うか、見られ方が変わったっていうのはありましたね。嬉しい!男として見られてる、やったぜ!という感じです。

確かに大人の男として意識されるようになったかも。
どういう反響になるのかなとは、演じている最中も思ってたんです。今までまっすぐな役とかが多かったですし、そういう印象で僕を見てくださる方も多かったので「こういう役はやってほしくない」って思う方もいると思ったし。どんな意見があるんだろうって正直怖い部分もあったんですけど、意外といい意見しかなかったので、この作品に携われて良かったなと思いました。

新しい一面をアピールできたね!
パンツ一丁ですしね(笑)!

他には最近どんな役を演じたの?
ちょうど学園ものの映画が公開中です。

学園ものまだやってる? 高校生?
やってます!やってます! 何なら最近の方が増えたんですよ。僕、10代の頃は大学生役、専門学生役、社会人の役とかが多くて、学園ものは『ごめんね青春!』ていうドラマ以外にほぼなかったんですよ。20歳超えてようやく学園ものの役をいただけるようになったんです。

じゃあ今楽しんでる?
ようやく。僕が15、6歳だった頃、先輩方が学園モノとかをやっていて、同級生の女の子たちは「俳優の誰々さんかっこいいよね、きゃーっ!」とか言ってるの見て、僕もこういう作品に出たら言われるのになぁ、とかって思ってたんです。その反面、同年代が憧れる人って少女漫画に出てくるような精神的に上というか、ちゃんと自立してる学生に憧れを持つから、やっぱり年上の方が演じた方が説得力があるんだなっていうのを当時感じていました。壁ドンとか自分にできるかなっていうのがあったので、20歳を超え少し大人になって、ようやく自分に回ってきたのかなって思いました。

役の幅も広がっているけど、小関くんはどんな役者でありたい?
僕個人や演じる役というよりも、出ている作品にメッセージ性があったらいいなというのが理想です。普段からAIや経済に興味があったりとかするので、そういった意味で政治経済や現代の社会問題とかをメッセージに込めて届ける作品に携わりたい。その作品の中で役を任せていただける信頼のある役者さんでありたいな、と思っています。

そのために意識してることってある?
NHKスペシャル、めちゃくちゃ見てます(笑)。大好きなんですよ。いろんな視点で、いろんな切り口で、NHKのディレクターたちが切り込んでいく。

社会のことにに対して敏感なのは大切だよね。
そうですね。僕個人、小関裕太の言葉として社会的なことを伝えるっていうことはしていないんですけど、やっぱり内容が無いよりはメッセージ性のある、今だからこそ作れるものに関わっていきたいなって思います。

役者として大切にしてるアドバイス、言葉ってありますか?
うーん、なんだろう……。ずっと前からお世話になってる男性の冒険好きなヘアメイクさんから頂いた言葉で「理由があるから行くんじゃなくて、行った先に理由があるんだよ」という言葉を信じてずっと今までもきています。当時僕は18歳で、ニューヨークに行ってみたいっていう1つの夢があったんですけど、なかなか踏み出せなかった。仕事のことも気になるけど、何より自分がニューヨークで何がしたいのかわからなかったし、行きたい理由が見つからなかったんです。でもヘアメイクさんから「行った先に理由があるから、行く前から色々固めちゃダメだよ」て言われて。

実際にニューヨークには行ったの?
思い切って行きました。実際に行ってみたらあったんですよね、ちゃんと理由が。感覚的なものが多かったので言葉で説明するのは難しいんですけど、たとえば今度来た時は歌を学びたいなとか、ニューヨークに来たからこそ日本が好きになったりとか。日本食って何て美味しいんだとか、日本で活動することに対してのワクワク感が生まれたりとか。ここで感じてよかったものを日本に持って返りたい、自分の活動の中でやっていきたいな、アトリエがこんなにも身近にあるんだ、エンターテイメントはこんなにレベルが高いんだとか。本当に色々あったので、理由を作ってから何かをするんじゃなくて、固くとらわれ過ぎずに飛び込めるようにしたいなって、役も生活でも思うようになりました。

自分の背中を押してくれる言葉だね。
すごく糧になってます。

どんな映画のどの役でもいい言われたら、どの映画のどの役を演ってみたい?
『ハリー・ポッター』です!

小関くんの『ハリー・ポッター」好きは有名だよね。
はい(笑)。幼稚園の年長の時にシリーズ一作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』が上映されてたんですけど、11回映画館に連れて行ってもらい観ました。

11回も!
親もどうせ観るんだったら字幕と日本語と交互に観せて、英語も学んで欲しいみたいなのあったらしくて。

いい親だ。
本当にいい親です。世界観と音楽に魅せられてっていうのが大きくて。映画を観た後は家に帰って、杖を振り回したり、自分で工作して服を作ったりとかして、主人公になりきってました。仮面ライダーが好きみたいな感覚でしたね。

その頃の気持ちが今もあるんだ。
はい。SFとかファンタジーが大好きです。現実的じゃないからこそ、映画を見て自分の中に落とし込んだ時に物語が完結するみたいな、自分の世界に繋がっていくところがあるじゃないですか。自分の世界観ができていくっていう感覚だったりとかも好きなので、今も『ハリー・ポッター』には萌えます。日本でも海外でもSFやファンタジーに関わることができたらなって思っています。

ちょっとプライベートも聞きたいんですけど、休日は何してるんですか?
最近はキャンプ行くのが好きです。夜だけとか午前中だけとかでも予定が空いてたら行っちゃうかもしれないくらい

友達と?
1人で。大体1人で行きます。

今話題の1人アウトドアだ。
そうです。友達を誘ってみんなで行ったりもするんですけど、なかなかタイミングも合わなかったりするから。去年、写真展の撮影のためにフィンランドに行ったことがすごい大きくて。そこで自然ってやっぱりいいなって思いました。それまでの忙しい病というか、固まりきってた体をほぐしてくれたんです。東京でもこういう生活ができたらいいなって思ってた時にたまたま番組でキャンプ場に行く機会があって、プライベートでも行くようになりました。

自分で運転して?
はい。夜だけでも焚き火してキャンプ場のオーナーとかと一緒に乾杯して飲んだりとか、みんなで楽器使いながら歌ったりする時間が良くて。午前中は休みだからと少し遅めに起きて、焚き火をちょっとして軽く肉を焼いて食べてから、じゃあ仕事行ってきます!みたいなのが結構気持ちいいんですよね。

自然と触れ合うのが自分への癒しだ。
そうですね、やっぱり東京にはなかなかないので。帰ってきてすぐの頃は、東京の中にある雑草とかコンクリートに生えてる草とか1つだけでも「これが自然。自然のエネルギーもらおう」って思ってやってたんですけど、ちょっと無理がありました(笑)。

マイ芝生みたいなの作って楽屋においておくとか(笑)。
いやいやいや(笑)。それを見て深呼吸するみたいな(笑)。 ちょっと時間をかけてでも自然の中に行こう、ていうことは増えました。

趣味になってきてるね。他にもある?
キャンプ、乗馬、スキューバ、ギター、ピアノ、あと最近は写真が好きです。

すごい、乗馬もするんだ。
乗馬も好きなんですよ。乗馬する作品にも出たことがあって、せっかくだったらちゃんとやりたいなと思って乗っていたら、案外1番リラックスできる方法だったりもして。生き物と触れ合うってすごいリラックスできるから、楽しくてやってます。

アウトドア派だね。
どちらかと言うとアウトドアになりたい派です。家での作業もあるので、部屋にいること多いですけど、できるだけ外には出たいです。

自分の性格を表現すると?
エメラルドグリーン!

色になった(笑)。その意味とは?
願望でもあるんですけど、不思議でありたいなと言うか、変わっている人でありたいなっていう。といってもただ変なわけじゃなくて、視点が誰かとは違うといいなって思います。それは『天才てれびくん』の影響が大きいんですけど、番組が決まって顔合わせの日に、みんなに小さいノートが配られたんですよ。「ここに自分の日常の中にあった面白いこととか一発ギャグとかを書き留めなさい。これを1年間かけて埋めなさい」って言われたんです。番組が始まると同時にネタ帳を持たされる番組だったんです。

独自の視点をつくる学校だったんだね。
ある意味教育ですよね。「他の人と違うことをしなさい、同じことをしてもバラエティとして面白くないから」ってずっと言われていたので、そういう思考になったんだと思います。なので誰かと違う切り口、誰かと違う視点、NHKスペシャルとちょっと似てるかもしれないですけど、それを持ちたいなって。

そこがエメラルドグリーンのイメージ?
はい(笑)。 グリーンでもなく青でもなく。

なるほどね。小関くんは、歌も踊りもできて演技もできる。苦手なものも得意に変えられる。24歳で人生観を含めそういう能力を持っているのは、すごく器用だと思うんだけど、なんでもマルチにできる自分を曖昧に感じる時はある?
僕は小学生の時からいろんなことができる人になりたいっていう憧れがあったので、それを貫いてきたっていうのが一つあるんです。中学生の時も「今から苦手なものを得意にすることを能力にすれば、それが大人になった時にちゃんと花開くかな、今のうちに種をまいてこう」って意識だったので、それがうまくいってよかったなあとは思っています。でも色んな事ができるようになったとしても時間が限られているのです。時間を使うことに関してはすごく不器用だなと感じます。もっと効率よくできれば、もっと器用な人に、何でもできる森山未來さんみたいな人になれるのにって思います。24時間がうまく使えてないなって感じますね。

確かに、沢山やりたいこと、能力がある人は時間がないよね。
だから福山雅治さんは凄いなって思います。いろんなことができるけど1つ1つの濃度が濃くて特化してる。「全部ちゃんとプロである」っていうのが憧れなんですけど、どうしても職人気質というか、1つのことに特化してる人と比べられた時に劣っているものが、かけている時間が違う分多いなと思って。 そこが悔しいですね。それがもうちょっとうまくできる人になれたら、かっこいい20代30代になれるのになって思います。

忙しい中、キレたり怒ったりしないの?
怒ることもありますよ(笑)。

想像つかない!
「ふざけんじゃねぇよ」みたいなのはないかもしれないです。怒った瞬間、ちょっと冷静になっちゃいます。。

あっ、一番怖いやつ(笑)。
(笑)。親の影響です。怒り散らしてる人ってあまり説得力がないなって小さい頃から思っていて。親が説得力のある人だったからその姿を見て、怒ってるけど冷静に話してる人ってすごく刺さる言葉を話すよなって。本当に怒ったとき、その「怒ってるよ」を伝えたいときは、冷静に話す癖がついちゃいました。

震えるね回りは(笑)。
(笑)。嫌味だと思います。周りくどくトゲがあるみたいな風に思われるかも。妹もそうなんですよ。母親に似て、それは2人とも。だからたまに頑張って、そこまで落とし込まず発散させるようにしています。

24歳になって人生観とかに変化はある?
今持っている劣等感とか、悔しいなって思う瞬間も含めて、いい時間を過ごしているなって思う24歳です。自分の足りてないところも10代に比べて問題視できるようになってきたし、それをこういう風に時間を使って改善していこうっていうのがあるので、今は変わっていかなきゃなって走ってる最中です。

人生を点じゃなく線で捉えてる感じだ。
22歳ぐらいの時に一つできた大きな野望と言うか目標が「素敵な30代になる」っていうことなんです。回りに素敵な大人がたくさんいるので、僕も目指したい。余談ですけど、30代はモテますし(笑)。いいなあ。お金も持っていて、自分の意思もあって、って。当時の僕はまだ学生だったんですけど、みんな上を見て、年上の人に憧れをもって恋をしているから、僕は出番もなくて、みたいな(笑)。だったらいきなり飛び級しても素敵な30代にはなれないから、素敵な30代になるためにこの10年間を使おうと思って過ごしてます。

たしかに20代をどう過ごすかで30代って違う。20代って若さと勢いで平均値取れるけど、30代って20代をどう生きたかで本当に変わる。急に「この人ステキ!」みたいな人も出てきたりする。
ありますよね〜! 逆に言葉はあんまり良くないですけど「あれ、なんでこうなっちゃったんだろう?」みたいな。

いるいる!
20歳になったタイミングが大きかったんですよ。19歳になって「あと1年で20歳だ!ようやくお酒が飲める、ようやく大人になれる」って思ったんですけど、20歳になる半年前くらいに「あれ、もしかして20歳になったから大人になるんじゃなくて、20歳になったタイミングでどれくらい大人になったか、その見え方でその人の20歳が変わるんだ」と気づいた。

そうなんだよね。
で、「あれ、やばい!」っていきなり焦り始めて。19歳の中で培ったものが、小関裕太の20歳で評価されるんだって思った瞬間に、僕にはないものがたくさんあるって。それからはアルバイトしてみたり、車の免許取ったり、ニューヨークに旅したりと色んなことをチャレンジをしたんです。そうやって20歳を迎えて、なんとかギリギリ自分の理想の20歳には追いつけたんですけど、結構息切れしたというか。19歳の後半で大人になるために結構頑張っっちゃったなみたいな。ていうことは、次30歳になるタイミングで同じこと経験するかもしれない。だったらギリギリになって「あれ、やばい!」ってなるよりも、時間をかけて素敵な30代にならなきゃって思ったのがきっかけでしたね。

凄いなぁ。僕が20歳の頃は「酒うまい!」で止まってたな。理想に向かってコツコツと積み上げていくタイプなんだね。
確かにコツコツはしてるかもしれない。なれたらいいなって思います。

最後に好きなものをテンポよく聞いていきます。まずは自分の顔で好きなところ。
えっ!

いきなりだった(笑)?
え、顔……。あっ、黒目!太陽光とか光が入ると、反射して光るんですよ。

反射がきれいだなって?
そうなんです。鏡で見た時とか、目に光が入ってキラーってするんですよ。周りの人に聞いてみても、あんまりないって言ってたので、自分だけなのかなと思って。うまい具合に白い丸で反射するんですよね。黒目自体が光るんです、それが面白いなと思って。

では、自分の体で好きなところ。
手。でかいんですよ。

指長くてきれい。役者さんって意外と手がすごく目立つからね。
楽器を弾く時とかも大きい方がいいですよね。僕もピアノを弾くので良かったなって思います。

好きな音楽。
スティーヴィー・ワンダー。R&B、ジャズ。

親の影響?
はい。 親の影響から自分でも好きになりました。親がビリー・ジョエルが大好きだったんです。 で、ちょうど中学の時に出始めたYoutubeで「We Are The World」を見て、レイ・チャールズとスティーヴィー・ワンダーを知って、そこから派生していきました。

好きな食べ物。
食パンと漬物。

食パンはどうやって食べる?
はい、生食パンが好きです。焼かずにおやつとして食べる。

今美味しい食パンたくさんあるよね。
ブームですもんね。もともと好きだからこれだけ盛り上がっておいしい食パンがたくさん食べられて、嬉しいです。

漬物は?
ニューヨーク行った時に改めて日本食が好きになって。漬物・味噌汁・白米ってなんて美味しいんだって思ってから、漬物作ったりとかしてます。

自分で作ってるの?
たまに。

すごいね!何でもできる。
いやいや。長芋の漬物とか好きなので、醤油だしで漬ける程度です。

逆に苦手な食べ物は?
生クリーム。

意外。生クリーム好きそうな顔してるのに(笑)。
本当ですか(笑)?良い生クリームは美味しいんですけど、ちょっと安い生クリームは油分が強くて、それが舌にまとわりつく感じが苦手かな。生姜焼きの脂身とかも苦手です。

じゃあ、ケーキだったら?
チーズケーキとかチョコレートケーキ派です。

自分の性格をエメラルドグリーンと言ってたけど、好きな色は?
カーキとか。エメラルドグリーンともちょっと違う、青緑とかバーガンディーとかが好きですね。

ちょっと落ち着いた色だ。
はい。

好きな季節。
秋。

なんで秋?
秋空の切ない感じが好きですね。食欲の秋、読書の秋とか言うように、好きなものづくりがはかどるので、歌作る時とか楽器弾いていても、ちょっと悲壮感が漂うあの時期が好きだなぁと思います。

今までで1番嬉しかった褒め言葉。
「変わってるね」は好きですね、AB型なんで。

もしや、星座は!?
双子座です(笑)。なので、小さい頃から変わっていると言われることが嬉しくて、AB型ぽいねとか言われるのが好きだったので、言ってもらえると嬉しいです。「他の人と違う」って言ってもらえるのが嬉しいですね。

寂しくなったらどうする?
歌を作ります。

歌を作ってるの?
元々音楽が大好きなんです。ミュージカルも大好きだし、いつも自分の中に音楽が流れている感覚があります。自分のシチュエーションだったり寂しいなっていう気持ちを代弁してくれ、カプセルに閉じ込めてくれるのが自分の中では音楽なんですよ。悲しいからといってそこから逃げたくないので、どうして悲しんだ?っていう感情と向き合って、音楽っていうカプセルに閉じ込めて、自分の棚にしまっておくっていう感覚ですね。

今自分へご褒美を買うとしたら、何を買う?
なんだろう?キャンプ用具かな。テントとか燻製器とか、少しずつ良いものを蓄えていったら、それこそ素敵な30代、自分の好きなものに囲まれた30代になれるかなと思ってます。

1ヶ月休みがあったら何をしたい?
カンボジアに行きたいです。カンボジアの遺跡に行きたいんですけど、その遺跡たち、文明がジャングルに飲み込まれているっていう状況が好きで。普通だったらジャングルをビル群が、文明が飲み込んでいくイメージじゃないですか。カンボジアの遺跡は、文明を一度構築した後にまたジャングルに乗り込まれてるのが面白いと思います。そこにあえてスーツで行って、写真集を作りたいなっていうのが、今やってみたいことの一つですね。

アンコールワットでスーツ姿!
コントラストがあるじゃないですか。それが面白いんじゃないかな、と思って。

1ヶ月あったらできそうだよね。
1週間あったらできますよね、きっと。やってみたい!

さっきも今は素敵な30代を迎える段階だと言っていたけど、10年後、35歳の時にどんな小関裕太になっていたい?
朝起きて、コーヒーミルをいじってるような男になりたいです。で、夜はバーボン片手に靴磨きしているような、時間に余裕の持てる男になりたいです。自分の趣味だったりとか、せかせかせずちゃんと上質な時間と向き合える、自分の時間と向き合える人になってたらいいなと思います。

自分が時間をものにしているって感がするよね。
そうですね。その一歩として最近は毎日ハンカチを持つことを心がけてます。ハンカチも一つの手間で、洗うのも手間だし、それを畳むのも手間だしそれを重ねてしまうのも手間なんだけど、その手間をやれる人っていいなって。トイレ出た後もハンカチで拭いてる人ってかっこいい、素敵だなって思うので。

俳優としてはどう?どんな34歳の小関裕太になっていたい?
僕は、一年に一回必ずものづくりをするようにしていて、初めて作った19歳の時には映画を作ったんです。短編映画やドキュメンタリー、曲やステージを作ったり。この間は写真展をしました。さっきもお話ししたんですけど、同年代たちが30代になってより磨かれて素敵になったタイミングで、1つ作品を作れたら楽しいなっていうのが目標ですね。

目指せ同世代のリーダー、だね。
リーダーっていうのもおこがましいですけど、でもやっぱり作れる人がいないと作品もできない。役者って呼ばれる側なので、作る側もできるようになる。それが一つの目標ですね。

楽しみです10年後も。今日はありがとうございました。
頑張ります!ありがとうございました。

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