フレッシュな才能とルックスで注目を集める、旬な男の子の素顔にせまる連載。レトロポップなインテリアで国内外のファッショニスタが足繁く通う新宿の「Café & Bar CHAOS」を舞台に、VOGUE GIRL副編集長とゲストが本音のボーイズトーク。第38回は、印象的なクールな眼差しで着々と存在感を発揮する俳優の金子大地くん。
VOGUE GIRL with BOY FRIENDGuest:金子大地
よろしくお願いします。金子くん今何歳ですか?
24歳です。
この世界に入ったきっかけって、北海道の地元で開催されたオーディションがきっかけだったとか。
そうですね、オーディションは当日に知りました。
SNSとかで?
そうです。友達と一緒にいた時にSNSで知って、その足で会場まで行きました。地元で芸能のオーディションがあるということがまず珍しかったんです。今思うと芸能界に少し憧れはあったのかなと思います。
ただ、会場についたときはオーディションは終わっていたとか。
そうなんです。終わって、スタッフさんが片付けを始めていたんですが運良く受けさせてもらって。そのときの審査員が、今のチーフのマネージャーさんです。
そのときは金子くんだけ声をかけられたんですか?
友達も一緒に受けました。僕ともう1人で行ったんですが、受付で「今からはもう駄目ですか?」と聞いたら「もう駄目です」と言われたんです。そのとき別の方が「せっかく来てくれたから受けていいよ」と言ってくださって。会場に入ると目の前にはそのチーフがいて、それで審査を進んでいけることになって、受かりました。
すごい! 偶然が重なったんですね。
運が良かったなと思います。
そしていよいよ上京。
高校を卒業してから来ました。
どうですか? 東京の生活は。
もう6年ぐらいになりますね。最初はすごくホームシックで帰りたかったです……最近はやっと慣れてきました。
ホームシックも乗り越えたこの6年間、俳優として成長している実感はありますか。
間違いなくありますね。前よりは仕事も多くなってきて、1つ1つ前進、という感じです。
初めて演技したときのこと覚えてますか?
緊張したのは覚えてます。訳がわからなかったですね。何が何なのか、もう分からねーっ!と思いました(笑)。
いきなり大人の中に放り込まれた感じですもんね。
2、3行のセリフでさえ覚えられなかったんです。何回読んでも何故かしっかり入らなくて。
でもなんとかこなしたって感じ?
はい。演技したというよりも喋ったという感じに近かったです。
今はもう緊張もせず、演技を楽しんでいますか?
そうですね。何周もしてる感じはあります。楽しいって思う時期があったり、あんまりやりたくないな、って思う時期もあったり。それを何回もくり返す感じで。
1つの作品の中でもそういう葛藤があったり?
あります。螺旋のように。そのとき楽しくても、やっぱり何て言うか、常に疑いを持って芝居をしていきたいなとは思うんです。楽しいって思うということは、ときどき何かを見失っているところもあるので。なのでどちらかというと、ちょっと怖いぐらいの気持ちの方が、地に足がついていて良いのかなと思ったりとか。いろいろな気持ちがあります。
今までのキャリアを振り返ったときに、転機になった作品とか、俳優としての意識が変わったような体験があったことっていうのはありますか?
毎回、そういうのは定期的に来て更新されます。これは今までとは違ったなとか…。今、舞台に出演中なんですが、舞台でも思います。でも何か本質的なものは見失わないようにしようというか、とことんこだわって流されないでいたいと思います。見失ったときは自分にがっかりするので、ちゃんと目の前にあることを妥協せずにやらないといけないなと、すごく思っています。結局、自分が後悔する。
毎回が転機だけど根本は変わらないでありたい、と。
全てが転機ですね。やりきれなかったなと思った作品でも、そのおかげで自分がやってよかったなと思える作品と繋がったりもしますし。意味がないものはそんなにないですよね。全部に意味があるというか。
金子くんはどんな俳優が、いい俳優だなと思ったりします?
そうですね…。いっぱい、いろんな種類があると思うんですけど…やっぱり、作品に対して真摯に取り組んでいる俳優じゃないかと思います。
シンプルですね。
作品というよりも、演技に対してですかね。
そうあり続けるために、どうしたらいいですかね?何かインプットしなきゃいけないとか?
こればかりはもう本当、人それぞれの感性だったりセンスだったり、個性だと思います。いつでも鮮度を持って、1つ1つの作品に向き合っている人がいいと思います。不器用でも、常に1つのものに対して取り組む姿勢がすべてだと思うので。どれだけ考えているか、知識を含めて大事なことだと思うんですけど。でもたくさんいますよね、そういう人。
憧れの俳優はいます?
特にこの人というわけではなく、憧れる人はたくさんいます。年下でもすごいな、と感じる人は何人もいますし。みんなすごいなと思います。
同世代の活躍ってどうですか、意識しますか?
世代によって色が違うと思うんです。いつの時代でも考えてる人は深く考えてますし、ノリというか、深く考え込まずにやれている人もいると思うので、みんなそれぞれだと思っています。
金子くんの世代の色ってどんな感じなんだろう。
まだそんな色はないんじゃないかと思うんです。僕の中ではないですね。みんな同じ、並んでいると思います。みんな何を考えてるんだか、全然分からないです。僕は同世代で仕事を頑張っている同業者にあまり友達がいないので、みんなどういう思いで芝居とか仕事に取り組んでいるのかは正直わからない。同じ事務所であっても、あまり話さないですね。どんなことを考えているのかはすごく気にはなりますが、僕、同年代との共演も少なくて。みんなどんなふうに思ってるんだろう……。
金子くんは、俳優としてここはちょっと他の人には負けないぞっていうところはありますか?
なんだろう、まだ負けてばかりなのでわからないです(笑)。負けず嫌いではあります。あと、人には恵まれていると思います。
実力もあると思うけど、こういうことはあんまり言葉にしたくないタイプですか?
そうですね。結構、若い人はそうなんじゃないかと思います。今ってみんなそんな感じだよねって、この間も友人とそういう話になりました。
でも、役者って同調意識じゃ生き残れない仕事じゃないかな…と。本当にないですか(笑)?
ないですね、ここだけは負けないということ。そんなに自信がないかもしれない。もちろん、やる気はあります。
金子くんの主演映画『猿楽町で会いましょう』。6月4日に公開ですが、すごく面白そうだなと思いました。どんな作品なんですか?
そうですね、東京にいる若者のすごく瑞々しいリアルな恋愛、成長物語。
この映画を観る人にどんなことを感じてもらいたいですか?
リアルな気持ちを感じてほしいですね。嫌だったら嫌でいいですし、純粋な感想は嬉しいかもしれないです。必ず心に何か残るし、こびりつくような作品だと思うので、面白いと思ってもらえると思います。生々しくてディープですが、先ほどお話ししたような自分っていうものが確立できていない若者の話なので、すごく瑞々しい映画になっていると思います。
監督は金子くんのどんなところに惹かれて、この役をお願いしたんですかね?
会ったときに、テレビとか映画とかドラマで見たときの僕の印象とは全然違う僕がそこにいたと思った、と聞きました。それが決め手になったようで。本読みとかもせずに決めていただいたので、それが理由なんだと思います。
イメージとのギャップがあったってことなんですかね。
そうかもしれないですね。
リアルだったのかな、金子くんが。こうやってお話ししていて感じた金子くんへの印象と、「自分をまだ確立していない若者」っていう言葉が重なって。監督は金子くんにそういう今の世代のリアルさを見たのかもしれないですね。
僕は僕っていうのはたしかにあるんですけど、あまり口に出しては言えないですね。
演技で感じてほしいってことですかね。
そうですね。でも僕って本当に単純なんです。まだ自信を持てるところがないので、ここが負けない、とは言い切れないんですけど。でも単純です。
役作りではどんなことを意識しました?
自分のかっこ悪い部分だったり、人に見せられないような恥ずかしい部分を全部さらけ出したような役なんです。本当にかっこ悪い役で、それが逆に瑞々しい。余裕のなさと20代前半の未完成さみたいなものは意識しました。
映画の現場ってどうですか、楽しいですか?ドラマとは全然違うんだろうなと。
楽しいですね。映画にもよるんですが、この映画は作り手のスタッフの皆さんと監督の熱量がものすごくて、本当にいい作品にしようと皆が集まったようなチーム感があったので、そこに参加して1つのものを作れるということがすごく楽しかったです。
今は舞台に出られてると言ってたけど、舞台の面白いところって?
またちょっと違いますね、映像とは。
同じ役を毎日のようにやるって、毎日違う発見とかがあったりするんですか?
毎日同じことにならないんです、舞台って。だから楽しい。アクシデントもありますし、もちろん相手がいて、スタートしてから最後まで止まることなく続くので。舞台はまだ3作目なので、もっともっと客観視できるようになりたいですし、本当に難しいですね。毎回何か発見があって、毎回上手く出来ないな、と思うようなこともあって、日々反省というか。いつももどかしいです。映像って絶対一番いいものを残すように撮ってるんですけど、意外と潔く進んでいくんですよね。でも舞台って毎回反省点があるというか、もどかしい気持ちになります。
映画は観ます?
はい、観ます。
今まで観た中で好きな映画は?
いっぱいあって、決められないな…..。
じゃあ、もし自分がどんな作品のどの役でも演れるとしたら、どの役をやってみたいですか。
井上雄彦さんの『リアル』という漫画の“戸川清春”をやりたいです。もしそれができたらゴリゴリに腕を太くします(笑)!
なんでその役を?
もともと僕がバスケが好きなのと、すごく人間味がある人物だからです。
腕が太い金子くん、想像できないけど観てみたい(笑)。
演じる機会が出来たら是非やってみたいですけど、絶対にないと思います(笑)。
金子くんは自分の性格を分析するとどんな感じですか。さっき単純だって言っていたけど。
どんな性格だろう……よく単純って言われます(笑)。気分屋ですね。明るいときもあれば、そうではないときも。本能のまま生きてます。
その性格は芸能界で合ってるなと思いますか?
たしかに合ってるとは思います。
インタビューはどうですか。こういうインタビューは得意じゃない?
……あまり得意じゃないですね。うまく話せないので。
今日は撮影もしますが、モデルの仕事とかはしないですか?
モデルの仕事はやったことがないですね。
ファッションは興味ないですか?
あんまりないです。着心地がいいものを選ぶことが多いです。
金子くん、服も似合うしすごくフォトジェニックだから、そういう面も見たいなって思います。
機会があればぜひ!
ここからは毎回ゲストに聞いてるんですけど、気ままに答えてください。まずは、自分の顔で好きなところ。
目。
やっぱり。インパクトありますよね。
自分でも好きですね。
自分の体で好きなところは?
肩、肩幅ですね。
後ろ姿も綺麗ですよね。好きな女の子のタイプは?
ちょっとセクシーな人が好きかもしれないですね。
金子くんはどんなところにセクシーさを感じるんですか?
言葉では言い表せない色気がある人っていますよね、容姿とかではなく。
ムードとしていますよね。
ちょっと陰がある人が好きなのかもしれませんね。
好きな色。
赤。
今日も着てもらったけど、どうして赤が好き?
何か強い感じがするので好きです。
芸能活動する上で心がけていること。
親友と、人に優しくすることの“優しいの定義”みたいな話をしたことがあって。俳優の仕事って、やっぱり寄り添う仕事ですし、役でも弱い人も演じないといけない。“優しい”って何だろうということはずっと考えています。
演技をする上で?
生きる上でですね。
なるほど。親切と優しいも全然違いますからね。
すごく抽象的な言葉ですけど、すごく難しい言葉ですよね。
「役に寄り添う」っていいですね。金子くんは優しい人になりたいですか?
そうですね、優しい人になりたいです。
でもその優しさっていうのは、いわゆる単純な優しさだけじゃない。
本当に難しくて。矛盾だよねって言われることもあるんですけど。だからこそ常に考え続けたいなと思います。
寂しくなったときってどうしますか?
すぐ友達に連絡します。
電話? 会うみたいな?
電話もしますし、会ったりもします。
そういうので気晴らしをするってことですか?
はい。一切我慢しないで、すぐに「何してるの?」という感じで連絡します(笑)。
好きな食べ物は?
揚げ銀杏!
それは普通に食べる? 酒のつまみとして?
普通に食べますし、お酒のつまみとしても食べます。
苦手な食べ物は?
ホヤ。それ以外は全部食べられます。
好き嫌いなし? いいですね。ロケ弁とかも全然平気?
はい、全部おいしいです。
コロナが収束して、3ヶ月お休みがあるとしたら何をしたいですか?
1人で旅をしてみたいです。
1人旅って、若いときしかなかなかできないですからね。
海外に行ってみたい。僕、まだ海外に行ったことがないんです。北海道から東京に来ただけでも、すごくカルチャーショックというかすごい別世界に来た感覚があったので、海外に行ったらもっと広い視野を持てるんじゃないかなって。場所はどこでもいいです。
一気に広がりそうですね!
はい。いろんな景色を見てみたい。
好きな音楽はありますか?
ずっと変わらず聴いているのはエレファントカシマシ、銀杏BOYZ、MOROHA。最近は、クラシックも聞きます。ピアノの音がすごく好きで、サントラもよく聴いていますね。
歌詞が印象的なミュージシャンたちですね。
はい、言葉が染みるというか。あと、折坂悠太さんも好きで最近よく聴いています。
では今、自分にプレゼントしてあげるんだったら、何を買いますか? 単純に欲しいものでもいいんですけど。
大量の銀杏が欲しいですね(笑)。
でも、料理しないから揚げてもらわないと。笑
僕、銀杏は揚げるんですよ!
マックスどれぐらい食べちゃうんですか?
50個くらいは食べちゃいますね。家族は僕が好きなのを分かってるので、最近は実家から大量に送られてきます。
家族はどうですか今の活躍を見て。
喜んでます。いつも楽しみにしてくれてます。
地元のお友達も?
はい。見たよ、と連絡くれたりします。
最後の質問なんですけど。10年後、金子くんは34歳。どんな金子大地になってたいですか?
多分、10年後も不器用なので、1個1個ちゃんと取り組んでいて欲しいですね。俳優として。こなすのではなく1個1個積み上げていったら何かが見えると思います。それで、事務所の看板役者になっていたいですね。後輩たちを引っ張っていけるぐらいの頼もしい役者になりたいです。
俳優は続けていそうですね!
はい!続けてると思います。
今日はありがとうございました。またインタビューさせてくださいね!
ありがとうございました!
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