ほんわかしたキャラと奇想天外な笑いのセンスで、あっという間にお茶の間のスターとなったゆりやんレトリィバァ。マイナス36kgの減量に成功し、新しいカラダとマインドを手にし、2020年にもっとも輝いた「顔」としてGIRL OF MONTHに登場。「美の基準は自分の中にある」と示してくれた彼女が、身体を鍛錬することで見つけた自身のあるべき姿とは? 信念を持ってやり続けることで、未来は変わる。彼女が放つ自由でポジティブなメッセージに耳を傾けてみよう。
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身体に向き合うことで見えてきた「ダイエットの本質」。
見違えるようなヘルシーボディで注目を集めるゆりやんさん。大胆なイメージチェンジの裏には、なにか理由があったのでしょうか。これまで体型をコンプレックスに感じたことは?
正直コンプレックスは特になくて「これが私」って受け入れていましたね。単純に好きな服が入らないとか、そういった諦めはありましたけど、気持ちが後ろ向きになることもなくて。「ああ無理なんや、でもこれが私なんやからいいや」って、わりとポジティブに捉えていました。
そんな楽天家なゆりやんさんも「好きな人ができる度にダイエットをしては挫折していた」と聞きました。以前は「痩せないとモテない」と思っていたのでしょうか。
思っていましたね。モテたいという訳ではなかったけれど、当時好きだった人に「40kg痩せたら付き合ったるわ~」みたいな横暴なことを言われていて。振り向いてもらうには痩せないと!と思っていました。いま36kg痩せたので…あと4kg! でも40kg痩せたときには、別に好きでも何でもなくなってるな~って(笑)
実践されている食事やワークアウトを見ていると、「痩せる=ダイエット=可愛くなれる」という一般的な図式とも少し違う気がしたのですが、実際はどんな感覚のチャレンジでしたか?
「痩せてないとダメ」と思ってる人って多いと思いますし、昔は自分も好きな人に振り向いてもらうために「ダイエットしてキレイにならないと!」と思い込んでいたけど、「痩せる」ということは「健康になる=自分を大事にする」ってことにある時気づいて。健康的な身体になれるんやったらそれが一番いいし、美しいんじゃないかと思えるようになったんです。しかもそれは自分の努力で手に入れるもので、うまくいったら自信にも繋がる。だから「痩せてないと可愛くない」っていう世間の基準は、まったく関係ないなと思って。
痩せることがゴールではなく、「これだけ頑張れた!」と自信をつけることがダイエットの本質なのかもしれませんね。
それはトレーナーの岡部友さんの指導の中で気づいたことなんですけどね。最初は「そうなんや~」ってただ聞いていたんですけど、実際にトレーニングを続けていくと「確かにそうやな」っと実感して。まあ痩せたといっても、昔よりは体重が減っただけで。他人からしたら「まだ太いですよ!」って言われることもあると思うけど、「いいんですこれで私は。前よりもマシになったんで」と胸を張れるというか。健康になったからそれでいいやんって(笑)。
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誰かのためではなく、自分のために。気持ち次第で結果も変わってくる。
チャレンジ中はどんな自分をイメージしていましたか? ゆりやんさんが痩せた時期はコロナ渦の真っ只中。自己管理も大変だったのでは?
まさに時間しかなかったので、いままで面倒で避けていた自炊もやることにして、自分を大事にする生活を心がけました。痩せた私をみんながどう見るんやろう、と想像する楽しみもありましたし、自分の新たな世界を見たいとも思いました。いまは自粛期間中と違い、ありがたいことにお仕事もどんどん入ってきて。そうなると時間がない中でトレーニングすることになりますが、絶対やるって決めたら逆にプレッシャーになって挫折しそうになるんで、「できないときはできないでいい、やれるときにやろう」と自分なりにルールを決めて取り組んでいます。
ちなみにいま、どのくらいの頻度でワークアウトを行っていますか?
自宅にグルーツビルダーというお尻を鍛えるマシンを置いてスペースをつくったので、できるときは10分でもやったり。あとは行けるときジムに週3回くらい。それこそ「やれるときにやる!」という感じです。
スキマ時間をいかに有効活用するか。ここに成功の秘訣がありそうですが、「今回のダイエットはうまくいきそう!」と手応えを感じたのはどのあたりでしょう?
「人のためじゃなくて、自分のためにやろう」と気持ちが切り替わったタイミングですかね。トレーニングを始めた当初は、口では言ってたけれど、正直体感まではできていなかった。でもコロナの自粛期間中にスイッチが入ったというか、本格的に決心がつきましたね。「あの人みたいに細くなりたい」ではなくて、「自分がどうなっていきたいのか」。健康のため、仕事のステップアップのため、目的は何でもいいのですが、とにかく自分のためにやり続けるということ。私でもできてるんで、みなさんだってできると思います。
「自分をよく見せること」から卒業し、ワン&オンリーな価値観を築く。
痩せたことによってファッションやメイクの楽しみも増えたと思います。以前と比べて大きく変わった点は?
前はダボッとした服しか入らない人に見えてたけど、いまはヒップホップ的なノリでファッションを楽しんでいる人に、ちょっとずつ近づいてきたかなとは思います(笑)。入るサイズが増えてきたのもあるけれど、お金かけるのがいいとか、そういうことじゃないんやなって。「自分をよく見せたいから服を着る」のではなく、「好きな服を着たいから着る」。なんやったらシンプルでも楽しいし、着飾らない楽しみを覚えました。メイクも毎日ファンデーションを塗っていた生活から、ほとんど塗らない生活に変わって。汗をたくさんかいて保湿をちゃんとしていたら、肌も健康的になりました。
身体とともに思考もクリアになっているように感じますが、恋愛面でも相手の好みが変わったりしましたか? 最近はどんな男性に惹かれるのでしょう。
いまは単純に「一緒にいて楽しい人」それだけですね。それもダイエットによって変わったことなのかもしれません。ずっと引っ張っていってくれる男性に憧れがあって、好きな人の言葉に流されることも多かったんですが、100kgのバーベルを上げるようになると「なんでこんなに追い込んでるのに、アイツらに合わせなあかんねん!」と思ってしまって(笑)。もちろん協調性は必要ですけど「自分を捨ててまで合わせない」という気持ちに変わりましたね。いまは男の人にエラそうに言われたら「だまっとけ!」って(笑)。誰にでも平等に接することができる人が、素敵だなと思います。
自分をしっかり持ち、相手を客観視できるからこそ良い恋愛ができますよね。きっと実生活でも良い風が吹いているのではないかと思うのですが、モテ運は上がっていますか?
正直めちゃめちゃモテるようになりましたね……荷物が。男性からはモテないですけど(笑)。劇場でも「めっちゃ痩せたな~どうやって痩せたん?」て聞かれるんですが、「日々トレーニングしてるんですよ~(お尻を突き出してブーッ※オナラの音)」って返して「中身変わってへんな~」で終わり。とくになんもないですね(笑)。出会いのほうも、最近合コンのお誘いがあったんですが、「コロナ渦で人数制限とか色々ありますんで……」と涙を飲んでお断りさせていただいて。めちゃくちゃイケメンが来るっていうので、ありがたいお話だったんですけどね。
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「面白さ」に正解も不正解もない。やりたいことに挑戦し続けるだけ。
減量の過程で「もうこれ以上痩せない方がゆりやんらしい」など、足を引っ張られるようなこともあったのでは? そんな外野の声にはどう対応していますか?
キャラのためじゃなくて、食べ過ぎて太っていただけなんで(笑)。自分のスタンスは変わらないです。ただネットとかで「これ以上痩せたら、ネタどうすんの?」って言われることはあって。もちろん太っているからこそできるネタはあるけど、別に意識して作っているわけではないし、そういう意見は気にしなくていいかと思ってます。私を芸人として知っている先輩方はそういうことおっしゃらないので、あまり気にしてないですね。
ゆりやんさんにとって、ずばり「面白い」とは? 面白い女になるために必要なことって何ですか?
「それって面白くないよね」って人のこと否定したりとかしないことですかね。人それぞれ違っていいですし、正解とか不正解とかはない。その人が「面白い!」って思えることやったら、それ面白いよねと思いますし。逆に私が面白いと思うことは「それが面白い」と自分で思えばいいだけというか。それぞれの価値観で勝負すればいいんじゃないかと思います。
まだまだ肉体改造中のゆりやんさんですが、痩せたことで見えてきた「新たな目標」ってあるのでしょうか。これからどんな女性、お笑い芸人を目指していきたいですか?
「いつでも脱げる身体になる」ということですね。予定はないですが、そんなんいつ訪れるかわかりませんからね(笑)。「あ、ちょっと私は…」って尻込みするんやなくて、「いいですよ~」って言って、さっと脱いでさっと何でもできるような。いつでも勝負できる身体を手に入れたいです。あとは……やっぱりアメリカ進出ですね。英語力を鍛えてアメリカでも芸人になりたい。「MY LIFE IS ONLY ONCE!(人生は一度きり)」 失敗しても終わるわけじゃないし、やりたいと思ったからやる。これからもそういう人でありたいと思っています。