今回のガールに『追いつけ! メンズ・ビューティ塾』は、副編集長の荒井がメンズ視点の香水談義をお届け。男女の垣根や時代を超えて楽しめる、歴代の愛用香水から、秋にオススメの個人的なオススメまで。
「こんにちは。VOGUE GIRL副編集長の荒井 現です。ビューティ業界は今、香水ブーム!さまざまなブランドが新しい香水を発売しています。控えめな香りが好まれる日本では香水が定着しづらいと言われてきたけれど、パンデミックでのお家時間がきっかけで、ライフスタイルの中に自分の好きな香りを取り入れたいと思う人も急増。結果、おしゃれや個性を表現するものの1つとして、香水が再注目することに。とは言え、ラグジュアリーなものから、こだわりのナチュラル系まで、世の中に出回っている香水って星の数ほどあるから、どれを選んだほうがいいのかわからなくなっている迷子も多いのでは?それに、香りってどこかパーソナルな魅力が漂うものだから、知り合いを同じものって、ちょっとつまらない。そこで、今回は僕の香水歴史を振り返りながら、今こそ楽しんでほしいアイテムをご紹介します!」
PART 1:青春時代を彩る私的・香水四天王。
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爽快なのにどこか暖かい、男性らしい力強さを体現。カルバン クライン エタニティ フォーメン オード トワレ 50㎖ ¥10,560/ブルーベル・ジャパン 香水・化粧品事業本部
放課後を思い出す「カルバン クライン」のエタニティ フォーメン。
「先にウィメンズのエタニティが好きになり、その後エタニティ フォーメンをゲット。はじめて自分で買った香水です。マンダリンのあとにジャスミンやバジルが漂い爽やかなのに、奥の方に感じるサンダルウッドやアンバーなどのディープなニュアンスがお気に入り。高校生の頃に使っていたからか、今つけてもティーンな気分を思い出させてくれる香りです。シンプルにクリーンな印象で終わらせない。放課後の、自由で、ちょっと遊びを感じさせてくれるような解放感が最高。男の子はもちろん、デニム好きなガールにも似合うんじゃないかな」
ブルーベル・ジャパン 香水・化粧品事業本部
03-5413-1086
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@CHANEL(左)軽やかで濁りなく、華やかさもあるメンズフレグランスの代表格。エゴイスト プラチナム オードゥ トワレット 100㎖ ¥15,950 (右)フレッシュ、センシュアル、ウッディ、スパイシーの4つの切り口から構成。個性や季節で異なる香り方が。アリュール オム オードゥ トワレット 100㎖ ¥15,950/ともにシャネル
センシュアルでノリの良さがある「シャネル」エゴイスト プラチナム&アリュール オム。
「香水といえばシャネル。というくらい名香ぞろいだけど、まずは発売当時大ヒットとなったエゴイスト プラチナム。トップノートに漂うラベンダーやローズマリーなどがライトなフローラル調なのに、のちにセダーやベチバーなどの濃厚さが追いかけてくる。一生懸命背伸びして夜遊びしていたころを思い出す・・・(笑)。一方、アリュール オムもマンダリンやベルガモット、トンカビーン、セダーやベチバー、ピンクペッパーのなんともいえない調香がフレッシュでウッディ。時間がたつにつれてどんどん香りが落ち着き、自分に馴染んでいきます。その変化も楽しくて、自分も含め多くの人が手に取った香水。どちらもメンズ向きの香りとして人気だったけれど、女性がつけてもおしゃれと思える逸品!個人的にも、今こそつけたいと思う香りです」
シャネル
0120-525-519
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水の力強さからインスピレーションを受けた、クールでたくましい香り。ロードゥ イッセイ プルームオム オードトワレ 125㎖ ¥11,340/ISSEY MIYAKE PARFUMS お客さま窓口
僕のシグネチャーフレグランス「イッセイ ミヤケ」ロードゥ イッセイ。
「他の記事でも何度か紹介したことがあるこちら。運命の香り、という表現は決して大げさではない名香です。発売当時から今も、定番で使い続けています。ユズがふわっと立ち、クリーンなのに印象的。それはシナモンなどのスパイスや、ブルボン・ゼラニウムがレイヤードされた厚みのおかげ。この香りをつけていると人に褒められることも多く、自分に合う香りなんだな、と思ってます。モダンなボトルデザインも好みで、“僕と言えばこの香り”と自他ともに認めるほど愛用中。20年以上使っていても、一回も飽きたことがありません!」
ISSEY MIYAKE PARFUMS お客さま窓口
0120-110-664
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ジェニパーベリー、レモンのあとにインセンスやアイリス、最後にバニラやサンダルウッド。ほかにはない温もりと甘さのハーモニーが唯一無二。BYREDO ジプシーウォーター 100㎖ ¥33,000/エドストローム オフィス
ジェンダーを超えた香り提案の先駆け「BYREDO」のジプシーウォーター。
「それまで“メンズ向き”“ウィメンズ向き”という香水が多かった中、ユニセックスな香りと世界観で一躍人気を博したのがこちら。すっきりとしたみずみずしさの中に、奥行きのある甘さがあり、これまでの、ウィメンズ向き、メンズ向き、というボーダーを超越した誰もが惹かれる香水の誕生に、発売当初からかなり話題になっていたことを覚えています。このジプシーウォーターの登場から香水選びのチャンネルがぐっと増えた感覚です。今ではたくさんの香りを展開しているバレードだけど、僕はこれが一番好きです」
エドストローム オフィス
03-6427-5901
PART 2: 香りで自分らしさを表現しよう!
この秋冬におすすめしたい香水3選
BYREDO ジプシーウォーターの登場を皮切りに一気にメインストリームになった、男女を問わず提案する香水。その中の人気ブランドからこれからの季節に楽しめそうな温かみがあり、少しクセを感じるアイテムもマークして!
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エレガントなトップノートから、スパイス、土っぽさ、ドライな森を思わせる香りへと変化。イソップ イーディシス 50㎖ ¥21,450/イソップ・ジャパン
生活を彩るあらゆるプロダクトが人気!「イソップ」のイーディシス。
「まずはイソップの1本。ハンド&ボディケアアイテム、スキンケアアイテム、ルームフレグランスなど幅広いラインナップ。シンプルで生活にセンスよく溶け込むデザインにファンが多数。香水は9月に発売したばかりの8作目の新作、イーディシスに注目。ブラックペッパー、フランキンセンス、サンダルウッドがメインの、フローラルでウッディ、そのバランスが知的さも感じさせてくれる。フレグランスに定評のあるイソップ、この新作も、好きな人は即ハマりそう」
イソップ・ジャパン
03-6271-5605
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スパイシーだけれど重みと甘さのある、ディプティックのお店を表現した香り。ディプティック オード パルファン サン・ジェルマン大通り34番地 75㎖ ¥29,480/DIPTYQUE JAPAN
ブランドの原点を体現する香り「ディプティック」サン・ジェルマン大通り 34番地。
「キャンドルやソープ、ヘアフレグランスなど、香りのアイテムを多数リリースしているディプティックからはこちらをチョイス! ブランドの発祥地でもある“サン・ジェルマン大通り 34番地”と名付けられ、サンダルウッドとバニラ、それを引き立たせるピンクペッパーを加え、濃厚な仕上がりに。時間が経って、段々と肌に馴染んできたときの香りのよさは格別!思わず深く深呼吸したくなります。寒くなるこれからの季節にとくにおすすめしたい」
DIPTYQUE JAPAN
03-6450-5735
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“男性のためのゼラニウム”をイメージしたゼラニウムが際立つ、洗練された男性的な香り。ソープのような雰囲気も。ゼラニウム プール ムッシュー 100㎖ ¥39,960/フレデリック マル
モードなツイストを効かせた、爽快感。「フレデリック マル」のゼラニウム プール ムッシュー。
「パルファン・クリスチャン・ディオールの創設者を祖父にもつ、フレデリック・マルが立ち上げた、自身の名を掲げたブランド。特徴的なのは、香水によって異なる調香師がいること。ドミニク・ロピオンのゼラム プール ムッシューはその名の通り、ゼラニウムが軸となる香り。そこに、フレッシュなミント、スパイシーなシナモン、重さを感じるサンダルウッドとホワイトムスクも重なり、透明感を感じるのにアロマティック。ほっとするような、色気を感じるような、涼しげなのにインパクトを感じる唯一無二のバランス。VOGUE GIRL世代のみなさんにも似合いそうなつけこなしたくなる1本」
フレデリック マル
0120-005-130
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茶葉とクリーミーなイチジクの香りがセクシーで大人なムードを感じさせる。テ ノ ワール 29 オード パルファム 100㎖ ¥37,400/ル ラボ お客様相談室
冷たい空気にベストマッチ、「ル ラボ」のテ ノ ワール 29。
「2007年の日本上陸から、年齢や性別を問わず香水好きのハートを掴み続けるル ラボ。店舗購入時に目の前で香水をブレンドする“フレッシュ ブレンディング”のサービス(※一部ラボ併設の店舗にて可能)も珍しく話題に。数ある香水の中からピックアップするのは、上品なひと癖がなんともスタイリッシュなテ ノ ワール29を。ベルガモットやフィグ、ベイリーフ、そこにシダーウッドやベチバー、ムスクがレイヤード。フレッシュで柔らかく、力強さも」
ル ラボ お客様相談室
0120-567-265
「今は香水の種類も多くどれがいいか悩む人もいるかもしれないけれど、自分のアイデンティティとなる香りを1つや2つ見つけられるといいかも! なんとなくこれがいい、ではなく“これが好き”と思えるものを極めていく、という過程も楽しい。どこの何の香りか簡単にバレない“その香り、どこの?”と誰もが聞きたくなるような、人を惹きつけるような、個性となる香りを纏うのがおしゃれ。ロングセラーの香水をディグってみたり、今回提案したような、少しクセを感じる香りで演出してみたり、ウィメンズ向きと提案されている香りにトライしてみたり。香りの種類が増えている今だからこそ、改めて“香水”で自身を纏ってみるのも粋」