※この記事は2021年6月にVOGUE GIRL+の記事として公開されたものです。掲載商品、ブランドへのお問い合わせはお控えください。
ウェディングの新たな楽しみ方を提示する、自由度の高い衣装とヘア&メイク。杉咲花が6月の「GIRL OF THE MONTH」で演じた花嫁の美の秘密を、ヘア&メイクアップ アーティストのHaruka Tazakiさんが解説。艶やかなカラー使いや、ドラマティックなヘッドピースの作り方など、豊かなクリエイションの核を紐解きます。
-
プレイフルな赤いまつげと、花の装飾。
純白に咲くカラーマジック。フォトグラファーの彼とミュージシャンの彼女。クリエイティブなふたりのウェディングには、一筋縄ではないアプローチが不可欠。Tシャツ、つなぎ、ヘッドドレスetc。型にはまらない衣装同様、メイクにも“はずしの美学”を取り入れた。「今回は衣装がオール白、かつカジュアルな要素もミックスされていたので、メイクはドラマティックに振って、ギャップをもたせることに。ポイントは上下にたっぷり塗った赤いマスカラ。愛らしい小花を添えつつ、ヘアはタイトにまとめて甘すぎないバランスを意識しました」。あどけなさを引き出すため、目元はカラーマスカラのみ。アイシャドウやラインは省き、眉はたおやかな平行眉に。パープルのリップは指でポンポンとラフにのせ、ふんわりした発色に調整。「直塗りすると抜け感が損なわれしまうので、リップはほんのり色づく程度に。カラーはポイントを絞って取り入れると、女性らしさがアップします」
-
メイクが甘ければ、ヘアはエッジィに。
足し引きで“こなれ感”を演出する。目元に視線を集中させるべく、ベースメイクは限りなく薄づきに。下地やハイライターは使用せず、ファンデーションのみですっぴんに近い薄膜肌に。頬にはじわっとした血色感をプラスすべく、頬骨下の低い位置にリキッドチークを広範囲に忍ばせた。「チークはそのまま塗ると主張が強いので、上からもう一度ファンデーションを重ね、肌と一体化するようにトーンを微調整。内側から上気したような肌が演出でき、仕上がりもナチュラルです」。ヘアはコケティッシュなメイクとは対照的に、4つにブロッキングしてタイトなアレンジに。毛先はゴムでぐるぐる巻きにして、対角線上の毛束同士をコネクト。クロスする部分にリボンを巻いて、ユニークなアプローチを加えた。「メイクがガーリーなので、ヘアは多少エッジを効かせて。現場で湧きあがるインスピレーションをもとに、感覚で仕上げていきます」
-
斬新なフォルムと、異素材の妙。
ヘッドピースで主張する、唯一無二の個性。今回のウェディングスタイルの鍵を握る、独創的なヘッドピース。これはヘア&メイクを担当したHaruka Tazakiさんが、衣装に合わせて現場で即興で仕上げたもの。「1つは顔を包み込むような球体風のデザインに。外側の丸いパーツは、手芸用のメッシュの芯地を使っています。2mほどの長さをぐるっと顔の周りに巻き、トップでリボン結びに。そこに同素材で作った細いリボンを、装飾的にプラスしました」。顔まわりを彩る透かし模様のレースは、布地から必要なパーツを切り取り、アイラッシュ用のグルーを使って生え際に沿わせた。「ファンタジー要素を前面に出したかったので、ベールではなくイレギュラーなヘッドピース仕立てに。イメージしたのは白無垢の綿帽子。カジュアルな衣装とのバランスを考慮しながら、モダンに仕上げました」。コロナの自粛期間中、Harukaさんはパーソナルワークとして、廃棄されるプラスチックを用いてヘッドピースを発表。それらのリサイクルアートを目にした杉咲さんが「こんなヘアにチャレンジしてみたい」と今回のスタイルが生まれたそう。
トラディショナルな朱赤リップで、
モダンな中にも“和”を薫らせて。綿帽子風のヘッドピースにあわせ、メイクにも少し和のエッセンスを。ファンデーションはセミマットなリキッドタイプにチェンジ。リップはクラシックな赤を選んで、和装の王道テクニックを取り入れた。「裏テーマは“日本の美”。リップはライナーで輪郭をしっかり描き、朱赤のリップをしっかり重ね塗りしました。とはいえクリエイティブな遊びも欲しかったので、目頭に白のアイシャドウをポイントで足しています。くの字型に広範囲に入れると、リップとのコントラストで紅白のニュアンスも」。マスカラは正統派の黒をチョイス。上まつげのみにたっぷり塗って、まぶたはカラーレスのままフィニッシュ。仕上げに頬の高い位置にピンクのチークをふんわりのせ、杉咲さんらしいピュアなムードを引き出したそう。
-
表情をドラマティックに彩る、大輪の花。
妖精風の甘いルックに酔いしれて。撮影のラストを飾ったのは、大小さまざまな花を取り入れたアーティスティックなヘッドピース。フラワーギフトから着想し、土台となる生け花用のオアシス(花留め)に次々の生花を挿していき、Uピンで固定させていったのだとか。「王道のウエディングフラワーではなく、ワイルドでロマンティックな品種を中心に揃えてもらいました。そこから使いたいものをピックし、全体のバランスを見ながら限界まで載せていくことに」。スイートなイメージとは一線を画す、アバンギャルドなシルエットと配色。ボリュームも重量もかなりのものだけど、その甲斐あって唯一無二のルックに仕上がった。「仕上げに3種のリボンを巻いて、顎の下でリボン結びに。ラッピング要素もプラスさせると、よりドラマティックなムードに仕上がります」。人生に一度あるかないかの特別な日。ルールに縛られない独創的なヘア&メイクで、ふたりだけの特別な思い出を刻んでみては?
-
PROFILE
Haruka Tazaki
メイクアップ・アーティスト。渡米後モードの最前線でキャリアを積み、2014年に帰国。国内外の雑誌や広告、ショー等で幅広く活躍。モデルの個性を引き出すヘアメイクから、自作のヘッドピースを使った斬新なアプローチまで、多彩なクリエイションで注目を集める。
-
ON HANA:写真上 ジャンプスーツ¥46,200/YARMO(グラストンベリーショールーム) 中に着たセーラーシャツ¥47,300(8月下旬展開予定)/BEAUTIFUL PEOPLE(ビューティフルピープル 青山店) ヘッドアクセサリー¥151,800 グローブ¥1980/ともにスタジオ マリオネット ネックレス¥46,200/PETITE ROBE NOIRE(プティローブノアー) 写真下 チュールトップス¥66,000/MARGE(マージ) Tシャツ¥9,900/JOHN SMEDLEY(リーミルズ エージェンシー) スカート¥104,200(輸入関税込み・参考価格)/MACGRAW(ファーフェッチ カスタマーサービス) リング¥33,000/CHERRY BROWN(チェリーブラウン) ブレスレット¥30,800/HASUNA(ハスナ表参道本店) ムービー(花のヘッドピースのルック) Tシャツ¥13,200/ATON(エイトン青山) 右手薬指のリング¥280,500/すべてTASAKI(タサキ)
SHOP LIST
エイトン青山
03-6427-6335グラストンベリーショールーム
03-6231-0213スタジオ マリオネット
03-3465-7870タサキ
0120-111-446チェリーブラウン
03-3409-9227ハスナ表参道本店
03-3409-1847ビューティフルピープル 青山店
03-6447-1869ファーフェッチ カスタマーサービス
https://www.farfetch.com/プティローブノアー
03-6662-5436マージ
info@marge-tokyo.jpリーミルズ エージェンシー
03-5784-1238