20年以上、パリをベースに活躍し、セレブリティからの信頼も厚いメイクアップアーティストの遠藤弓さん。「本人生かしのメイクが好き」だという遠藤さん、最近、メイクボックスの中身を思い切り“断捨離”したのだそう。選りすぐりだけがラインナップされた中から、今回はシェーディングやハイライト用アイテムをピックアップ。「意図的に肌をフラットに仕上げたいとき以外は必ず使う」という、ベースメイクに不可欠なアイテムたち。「冬場はファッションが重いから肌はグロウ&フレッシュなほうがいいし、春先に向けてもフレッシュな肌が気分です」。光と影を入れるタイミングや入れどころも、きっと勉強になります!
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“自然に”骨格が際立つナチュラルシェーディング。
シェーディングの目的は骨格を際立てたり、顔立ちをシャープに見せるためですが、いかにも影を入れましたっぽくなるのはダメ。あくまで“自然に”メリハリを演出するには、シェーディングを入れるタイミングも大事です。トム フォードのパレット下のクリームタイプのシェードカラーは、ファンデーションのあとに。パールが入っていないからキラキラすることがなく、肌なじみがすごくいいので自然に影色をプラスできます。ノンパールだけど質感はマットではなく、しっとり。目もとにちょっと雰囲気を出したいときにも、よく使います。一方でパウダータイプのディオールのパレットは、ファンデのすぐあとには使わない。ムラづきしないよう、必ずルースパウダーなどで粉をはたいてから塗布します。マットとパール両方の質感がセットされているから、ブレンドして影の濃度やきらめきを自在に調整できます。どちらも入れどころは同じで、頬骨の下、あご先から首筋にかけて、おでこの生え際がメイン。フェイスラインを一周させるように入れると、小顔効果も期待できます。
■パルファン・クリスチャン・ディオール ディオール バックステージ コントゥール パレット 001(生産終了)
■トム フォード ビューティ シェイド アンド イルミネイト 01 -
くすみ感もやわらぐ美光沢ハイライター 。
光をキャッチさせるために、頬の高いところや眉山の下あたりにハイライトを入れます。目頭を囲むように入れることもあるのですが、ここに光を集めると瞳の輝きが違ってきます。また、ハイライトの光に目がいくことで、肌のくすみ感がやわらいだり、若々しく見える効果も。シャネルはもともとはアイシャドウだけど、光感や色合いがハイライトにもぴったり。ノーファンデでベースメイクを仕上げるときに使うことが多いです。クリームの質感が柔らかすぎず、軽く叩き込むようにしてステイさせると、すごく上品で自然な光感になります。ディオールのパウダーは、ポイントメイクも全部仕上げた最後の最後に使用。光沢感が強いので、メイク全体のバランスを見ながら光を足していく感じです。
■パルファン・クリスチャン・ディール ディオール バックステージ フェイス グロウ パレット 001
■シャネル オンブル プルミエール クレーム 804 -
光と潤いを宿すクリア&グロッシータイプ。
ハイライトに近い役目だけど、潤いもほしいときに使うのが、グロッシーなこの2品。どちらもノーカラーのクリアタイプで、ツヤに厚みとボリュームがあり、自然な凹凸が生まれます。みずみずしくジューシーな雰囲気にしたい場合は、頬の上や目もとにシャネルのスティックをちょこんとのせて自然な仕上がりに。M・A・Cはライティングに映えるので、撮影向き。特に目もとに使うと光をすごくキャッチして、ムーディな雰囲気になります。グロッシーなこのタイプは、ベースメイクに粉ものをあまり使っていないときに使うのがベスト。パウダーをしっかり使って肌を仕上げた場合は、普通のハイライターを使うのがおすすめです。
■M・A・C クリア グロス
■シャネル ボーム エサンシエル トランスパラン